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STAMP Update Story #001(サウンドデザイナー小山さん)

こんにちは、STAMPの竹内です。
みなさま4連休はいかがお過ごしでしょうか。STAMPではUPDATE MEETINGとして、限定招待イベントを実施中です!最新モデル\JEANS ver.2.1もご覧いただけるSCAN BOX in Shinjuku OIOIで開催中です。今後も定期的に招待イベントを用意していますので、楽しみにお待ちください!

さて、突然ですが9月末(-10月初旬)よりスキャンボックスでの体験がパワーアップします!具体的には、スキャンボックスでの一連の体験にサウンドが入ります。今まで、BGMのみだったスキャンの体験がより没入できる形にアップデート。非接触での新しいスキャンUI・UXに加えて、より世界観を体感していただけるスキャンボックスに仕上がりました。

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STAMPでは立ち上げの段階でのブランド構築にTakramに支援いただいていて、そのご縁から今回もTakramチームにサウンドの依頼をお願いしました。
今回、Takramのサウンドデザイナー小山さんに入っていただき、スキャンボックスでのサウンドのコンセプト設計から実装までを製作しました。

サウンドをデザインするにあたって小山さんにインタビューする機会をいただきましたのでこの場を借りてご紹介させていただきます。初のパートナー会社さんの紹介になります!ぜひ最後までお楽しみください。



小山さんプロフィール

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慶應義塾大学環境情報学部在学中より、サウンドデザイン / サウンドインタフェースの研究開発を行う。卒業後、IMG SRCに参加し、エンジニアとしてインスタレーション / モバイルアプリケーションの開発に携わる。デザイン / エンジニアリング、そして、ソフトウェア / ハードウェアという領域に捉われない活動に共感し、2015年 Takramに参加。



今日は小山さんにお時間をいただき、今回STAMPのサウンドを製作するにあたって考えたこと、サウンドデザインとは?等色々お伺いできればと思います。よろしくお願いします。

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ーまず、小山さんの現在されているお仕事について教えてください。

現在デザインファームのTakramに所属していて、デザインエンジニアとサウンドデザイナーの肩書きで活動をしています。
デザインエンジニアとしては、インタラクティブなシステム開発を行う一方で、エンジニアリングをしている一方で、サウンドデザイナーとしては、家電メーカーやモビリティメーカーのプロダクトのサウンドデザインからインスタレーションのサウンドの製作等をしています。

Takramのプロジェクト例→https://ja.takram.com/projects/#all


ーサウンドのお仕事はいつ頃からされていますか?サウンドに興味を持ったは?

子供の頃から音楽が好きでした。高校卒業後に、音楽の学校に通い音楽理論を学びました。当時からポピュラー音楽より、音自体の面白さを追求したような音響作品に興味を持ち、20歳頃には自分で独自のサウンドを作りたいという思いからプログラミングの勉強も始めました。その時期から音だけでなくビジュアルのプログラミングなど、活動の視野が広がっていきました。またその後、慶應義塾大学SFCに入学し、コンピュータ音楽の研究を続けました。その後、広告の制作会社で勤務した後、Takramに入社しました。


ーサウンドへの興味からプログラミングへ視野が広がっていったと思うのですが、何か興味の共通点があったんですか?

実は、電子音楽のアーティストは自分でツール作る方も多いんです。そういったアーティストに触れるうちにそういったやり方もあるんだと、自分でも取り入れるようになりました。あと面白い音を作る究極の方法は自分でツールを作ることだと思いますし、ツールを作ること自体がクリエイションの一部、作曲の一部だと思ってやっていますね。

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なるほど、面白いですね。ツールは方法論の一つだと思いがちですけど、確かにクリエイションの究極の理想形を作ろうと思ったら、ツールも自作することが近道かもしれません。簡単ではないですが、洋服を作る考え方でもとても勉強になります。

ー今まで作ったサウンドはどんなものがありますか?

守秘義務の関係で言えないものが多いんですが、プロダクトのサウンドからソフトウェアのサウンド、インスタレーションなど多岐に渡ります。
実は今年も大きなインスタレーションの発表を予定していたんですが、、、コロナの影響で中止になってしまいました。今後アーカイブムービーでの発表ができるかもしれません。


それは残念でしたね。。。ただアーカイブムービーなら私も楽しめるかもしれません。公開楽しみにしています!

ここからは、STAMPとの取り組みについてお話していただきました。

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ーSTAMPのサウンドに関して最初にお話をさせていただいた時、どういったイメージを持ちましたか?

洗練されててミニマル。これが最初コンセプトをお伺いした時の第一印象でした。新宿にあるアップデートする前のスキャンボックスにお伺いして、実際に体験してみると、洗練されたイメージを持ちつつ、全体を通して突き放した感じというよりは、ナチュラルで親しみいやすい。そういったイメージも持ちました。


なるほど。STAMPのブランドのコンセプトは「半歩先」を中心に置いていて、小山さんのおっしゃるようにユーザーを置いていきすぎない少し先の体験を提供することを意識しているので、それが伝わっているのは嬉しいですね。

ーでは、具体的にどのようにしてサウンドを決めていったか教えていただけますか?

今回は、3Dスキャンの体験中のサウンドをデザインするということだったので、進め方はシンプルでした。まず、一連の体験を自分で体験して、どういうところを考えれば、体験のインタラクションがわかりやすくなるか?心地いい体験になるのか?考えていきました。

体験をして感じたのは、スキャン自体が非接触のインタラクションが中心で、ユーザーとしては初めての操作、ポーズがちゃんとできているか?をフィードバックしてあげることが重要だと思いました。
あとは、個室に入って服を脱いで5分くらい過ごす必要があり、独特の緊張感を感じました。どちらかというとリラックスするようなサウンドをだして緊張を和らげる必要があると思いました。

このように実際に自分がスキャンを体験して問題を見つけて、解決するサウンドを作る、というとてもシンプルなプロセスで進めていきました。

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具体的に今回デザインしていただいたサウンドを簡単にご紹介します。
ぜひリアルなサウンドは、スキャンボックスで体験してください。

BGM:体験時にずっと流れている音
成功音:操作に成功した時のフィードバック音
失敗音:操作に失敗した時のフィードバック音
スキャン:スキャン前のカウントダウン+スキャン中の音
データ生成:スキャン後のデータ生成中の音

>>>スキャンボックスの利用には事前登録が必要です。
   こちらからまずはLINE登録を


初めて聞いた時、BGMがとても心地よいと感じたのですが、どのサウンドから取り掛かったんですか?

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実は当初、BGMを入れるか迷っていました。インタラクション中のサウンドと音声ガイダンスで十分かな、と。ただ最初にスキャンを体験した時、洋服を脱いだ状態が続くこともあって結構緊張感があって、、、BGMはマストだと感じました。なのでまずは、BGMのデザインから取り掛かりました。スキャンの体験の先進性・テック感を残しつつ、緊張感を感じさせないリラックスできるようなサウンドを意識して製作しました。その上でBGMとバッティングしないUIのサウンドを作っていったのですが、その際、BGMとUIのサウンドが馴染みすぎないように意識しました。あまりに馴染みすぎると、ユーザーへのフィードバックとして埋もれてしまうので、埋もれず、わかりやすいサウンドに仕上げました。


たしかに、ユーザーさんからのフィードバックで、無人で新しい体験をしている分、気持ちが焦ってしまい、合っているのかわからず、疲れてしまったという声もたまに聞きます。製作いただいたサウンドを初めて聞いた時、BGMの絶妙なリラックス感とスキャンのインタラクションの新しさがいい感じに融合しているのを感じました。サウンドが入ることで高揚感が増すとともに、緊張感が軽減され、体験としての満足度は大きく上がるんじゃないかと思います。

ーいつも、どういったことを意識してサウンドをデザインされるんですか?

そうですね。今回に限らず、サウンドだけに注目するというより、体験全体の俯瞰する視点が大切だと思っています。STAMPの場合だと、スキャンボックスの設置場所、ボックス内の雰囲気、スキャンをガイドするUIのデザインなど体験全体を捉えて、その上でサウンドがどうあるべきか?を考えています。
あとは、映像やアニメーションに対してものすごい精度感を持って合わせていきたいと思って製作しています。アニメーションの一コマ一コマを見ながらいかに合致させるか、にとてもこだわります。サウンドとビジュアルは一体のものだと考えていますね。

たしかに、小山さんとプロジェクトを進めてきて、アニメーションとサウンドの融合に関してはとても強い思いを感じました。その精度が直接的には気づかれなくても、ユーザー体験への満足度にも繋がっていきますよね。

ーサウンドの役割はどう考えていますか?

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一般的にも言われますが、サウンドは音は人の感情に直接的にアプローチできる手段だと思います。例えば、車のクラクションが聞こえたら、ハッと驚くし、森林の環境が聞こえてくると、リラックスできる、思考を挟まず直感的に感じることができます。なので、知覚として強力であるのが聴覚です。
そんな中、世の中のデザインのプロジェクトはビジュアルデザインなどの視覚的な要素が先行するパターンが多い。サウンドは、視覚的な要素と同時に
考えていくべき重要な要素だと思っています。

そうですね、私も最近、自粛期間が続き、どうにかリラックスした気持ちを取り戻そうと自然のサウンドを聞いたりしていました。スキャンの体験も説明を受けながらじっくりやるというより、サウンドにフィードバックを受けながらストレスフリーな体験にしていきたいと思っています。

ー最後に、STAMPが今後サウンドを取り入れていくとしたらどんな部分が考えられますか?

STAMPが今後、独自の店舗を出す際のBGMは考えられそうですね。
あとはサウンドではないですが、UIのアニメーションもサウンドに合わせて一緒に作れたらとも思います。

ありがとうございます。
私としては、STAMPの体験の肝である、お届け時の開封体験にサウンドを入れれたらなと思いました。ガジェットに初めて電源を入れて命を吹き込むような、あの高揚感をSTAMPの製品にも入れたいですね。

それも面白いかもしれないですね。

本日は、STMAPのスキャンボックスのサウンドをデザインしていただいた、小山さん話をお伺いしました。またSTAMPの体験をアップデートする際、ぜひ、ご一緒できればと思います!ありがとうございました!


今回インタビューをさせていただき、サウンドへの理解が深まったとともに、STAMPの体験にもっとサウンドを入れ込んで行きたいと感じました。
このようにSTAMPは今後もアップデートを重ねていきます。プロジェクトに参加してただいたパートナーさんも今後ご紹介していきたいと思っていますので、ぜひ楽しみにしていてください!

STAMPをまだ体験していない方、LINE登録していない方は、こちらからまずLINE登録をしていただき、スキャンを体験してみてください。




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