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ハイブリッド社内巻き込み大作戦(後編)

営業DXツール導入のために、現場を支える実務担当者から問題ヒアリングを行い、デモを通して、Sansan 導入したい!という流れになった。
提案書を書き、そこから会社の経営層に申請!まで辿り着いた。

前編はこちら

反復横跳びかのように社内を駆け回る

トップダウンじゃ?

経営層、取締役、経営企画・財務部、総務部(広報チームの所管部署)における予算ヒアリング。

初期導入費用+年間利用料の金額を申請。
ヒアリング前に一度申請はした状態でしたが、
一次回答は、「認められない」。

社長や取締役、関連部署には、Sansan 導入の動きをしている旨は伝えていたものの、認められない、がその回答。

研究開発や生産能力強化が優先課題であり、こちらの方に予算を割くことが難しいという状態だった

敗者復活。。。なるか、といった状態での予算ヒアリング。

予算ヒアリングにおいて、こちらから提案書の要点を絞って、再度その必要性の説明をした。

「研究開発や生産能力を強化し、良い製品を市場で更に展開するためには、市場へのより広範なアクセスが必要で、そのためには、従来のやり方に捉われない営業体制ややり方が必要。」

「抜本的に意識を含めて、やり方を変えるために、今回の営業DXツールが必要!」と説明。

基本的な骨子や背景、問題に対する打ち手としてのツールの重要性については、多少なり理解していただいたものの、

「どうして、この場に当の本人である営業がいないのか。」

「金原がこのまま導入してしまったら、結果的に金原に責任が出てしまい、金原が何かやってくれるのでは?と思わないか。」

また、このタイミングで、Sansan だけではなく、ホームページの改修や多言語サイトへの構築も申請してたのですが、それが裏目に出て。

「単純にこの業務量をあなたがすべてマネジメントできるのか?」

「流石に欲張りすぎなのでは?」

という私への負荷も話題に上がる始末。

会社ホームページはあるのですが、社内にいたたまたまワードプレスが使える人が作り、その後放置。

自分が担当し、管理をしていたのですが、引き継ぎがなかったため、HTMLやCSSなどの構造把握に時間がかかり、マイナーチェンジしかできない形になっていました。自分たちのお客さんになりうる人たちに向けたサイトとしては、よろしくないので、サイト一新を行う。

そして、問い合わせが増える中で、しっかりとフォローできるように、Sansanをうまく連携させる、という構想を思い描いたのが欲張りすぎたのか。

心の中では、すべて行う自信はありました。
なぜなら、前職でもそうだったから。

「確かに大変かもしれませんが、一気に攻勢をかけないと、逆に今まで何もしていなかった分を取り戻せない。本当にビジネスを伸ばすならここは必要だと思うんです、なので、どうかやらせてほしい。」

めっちゃ懇願。

その中で、「本件については、営業プロセスの変革に寄与すると感じる。」とは認めてもらえた

「営業部のトップ含めてすべての営業部員がこのツールを導入したい。それで、自分たちの行動をかけていきたい、と心から思い、それを経営層に表明すること。」と提示された上で、再度、最終的な打ち合わせの場を設けられることとなった。

….

….

….

「トップダウンじゃ!」と最終的にはなると思っていた展開が、

トップダウンじゃ?….ないという展開になった。

でも、敗者復活に手がかかりそうな状況。。。
(季節は2022年9月中旬)

首一枚、繋がった。。。

ボトムアップ、再び。

これは果たして、ボトムアップと呼べるのかは、さておきですが、その数日後に各営業部長及び課長職へのこのヒアリング結果を設け、あらためて、Sansanに関する意見を貰う場を設定!

私から、現状抱える問題(各部員のヒアリング結果から)を提示した上で、Sansanの一通りの説明、それによる得られるメリット、活用イメージを伝えた。

その上で、意見としては、出てきた、出てきた。

「便利にはなると思うのだが、そこまで効果が出るとは思えない。活用イメージもわかない」

「実際にここまで、我々が活用できるかは不安。オンラインがメインになってきたので、そこまで名刺交換していないので、データもたまらないのでは?実際の今の名刺交換枚数がわかれば教えて欲しい。」

「全社員にアカウント付与されるのが理解できない。一部、名刺交換をしない人、名刺を持たない人もいる中で、その設定で価格があるのであれば、割高感がある。」

「他の名刺交換ツール、や、議事録共有なども社内のシステムでできるのでは?」

「我々のような中小企業ではなく、拠点が離れ、人数も多い、大企業が入れるようなツールなのでは?毎日顔を合わせるようなメンバーであれば、情報交換も多くしている。」というような意見が出てきた。

想像以上に、消極的な意見が返ってきた。

あ、れ・・・。なんだ、このアウェー感は。

事前に当初デモを受けた営業メンバーから話は伺っていたものの(資料等の共有はあったよう)、割とイメージで伝わっていたようで、詳細な説明をはじめて受けた様子。

自分の中では、「いいね!これ。」という反応を期待していただけに、完全に不意打ちを喰らった。

「いやーーーー、」頭の中でどう答えようか、全神経が集中していた。

オブラートに包むとか、相手を傷つけないように配慮するとか、まったく余裕がなく、言ってしまった。

「普段から席を隣り合わせにしていても、個別の案件の具体的な話を口頭で共有するとかありますか?」

……

……

しばしの沈黙が流れた。立て続けに、、、

「仮に実務で何か運用、ないし、システムを組むのか、ローカルで何か作るのかにしても、そのためにまた人員が必要となり、かつ、特に具体的なアイデアがないのであれば、検討すべきだとは思います。」

これに対しては、名刺交換枚数がそもそも想定されている枚数(月 1,000枚契約)も必要ないのでは?という話や金額に対する話で、得られるメリットに対してよりも失う金額などに対するフォーカスが多かったのが現実でした。

結果として、最終的には、自社の名刺発注枚数を疑似的に名刺交換枚数と見立てるので、その実績を教えてほしい、という形で終わりました。

(当初想定の結論ではなかったので、まずは得られるメリットをしっかりと理解してもらわなければと思いました。)

後日、実際のデモを見せて、どういうことが可能になるのか、そのメリットをしっかりと理解してもらう必要があると思ったので、後日デモを約束しました。

ただ、既に経営層への約束のタイムリミットが近づいてきていた。

9月末、再度経営層への説明の機会があったので、提案する資料を更に追加しながら、実際の営業実務者の声を聴いてほしいと思ったので、協力してくれる営業マンに同席を頼みました。

一縷の望み

そして、経営層への説明の機会の日。

期日までに結論をつけられなかったという時点で、若干の負け戦な感じがしていた。

よくて、時間をもう少し貰うというところ。

今回の説明としては、2点をメインで説明をした。

  • 名刺管理を行った成果として、eightの自社運用事例を紹介

  • 同席営業マンからのデモをした率直な感想

特に、同席した営業マンから、

「確かにこの機能を使えば、今の業務がこう変わる」

「この部門であれば、こう使えるのでは?」

「ここで負担になっている部分が、効率的になる」

その率直な感想+eight の自社運用事例を伝ええた

そこで、検討に関する時間をもう少し欲しい、その間に営業部の説得を行い、一方で、eight運用で更なる成果を出すことでよりSansanでは期待できるという話をしました。

結果…

「少なくとも、継続検討に値する事案があるので、初期導入費用については、一旦来期の予算に入れることは可とする。ただし、ランニングコストについては、メインで使う部署が与えられた予算の中で捻出する形で検討をすべき」

つまりは、なんとか、来期導入できるチャンスがもらえた。

ただし、以下の条件付きで。

ランニングコストについては、メインで使う部署が与えられた予算の中で捻出する。

他の部署の方を説得。。。それが最大のミッション!

条件付きではあるものの、進んだ感。
ただ、一縷の望みは各部門を説得できるか、どうかにかかっている。

「それはどうにかしようとしてるんですか?」

先日の営業部長陣との打ち合わせ後に約束したデモ。

そのデモは、営業部長および各営業部のメンバー含めた総勢20人弱で行われました。事前に前回のアクション事項となっていた名刺発注枚数。当然、配られた名刺をすべて交換したわけではないので、あくまで疑似的にはなるものの、全社合計で約10,000枚近くの名刺発注はしていた。

そこまで、非現実的な数字ではなかった。

そして、デモ。機能に関する質問は思いのほか、出た。10件以上の質問は出た、いずれにしても基本的な機能に関するものだった。

確かに便利そうにはなるものの、ぼんやりとした”便利感”を持たれているようだった。

このぼんやりとしたものをしっかりとした"便利感"に変えなければ!

「例えば、今の週報はエクセル管理で、グループリーダーが各担当者のエクセルを統合していると思いますが、それだと手間がかかるし、後から見返そうにも各顧客別で時系列で見れないですよね?」

「Aさん、Bさん、どう思われますか?」

Aさん、Bさん「確かにそれは便利だし、トータルで結構な時間がかかっているから。」

少しずつ、ぼんやりとした便利感をしっかりとした便利感にできつつあった。そこでデモは終了した。

その後、営業部門で再度検討をしてもらうこととなった。

同時並行で、営業部の中堅・若手メンバーを数名巻き込み、システム部と打ち合わせを行いながら、社内提案資料のブラッシュアップを行った。

営業部で一度Sansan導入に対する打ち合わせをするようだったので、各営業メンバーや各営業部長に、電話会議したり、電話したり、1人当たり30分程度x営業メンバー全員とそれぞれの仕事の状況をヒアリング、Sansan ならこうできます、また、Sansan 導入に対する意見をヒアリングした。

その中では、「導入したい!」という声が多かった。

これは、いけるぞ!内心そう思っていた。

その数日後、営業部長から電話がかかってきた。

営業部長「Sansan に対して営業部員で話し合った。その結果。」

……

「確かに便利にはなるのだけども、お金をかけてまで導入するのは賛成できない」

……

なぜ、個別で確認したら、「Yes」なので、総論だと「No」なのか。

では、今後、今の組織の課題に対してどうアプローチするのか、気になったので、思わず聞いてしまった。

「営業部長として、今やっている活動をこのまま続けていけば、組織や営業の成果は良くなっていると思うのですか?」

無言の反応が・・・

「それはどうにかしようとしてるんですか?」

「とにかく、回答としては、Noだから」との回答が返ってきた。

このままではいけないと思ったので、「社長と少し相談させていただきます」といい、電話を切った。

社内 Sansan クラウドファンディング!

急遽、社長と1on1を行った。その際に個別の営業部員のヒアリング結果、総論としての「No」回答など現状の共有を行った。

社長「うーん、Sansan を導入したらどうなるのか?そして、なぜいれないといけないのか?簡潔に説明して!」

急にピッチプレゼンを要求された。
特に資料などもなく、口頭で1分程度プレゼンを行った。

「それは入れるべきだね、ただ、社長が言ったから、では、後が続かないので、全部署に声かけて、どれだけの費用を今与えられている予算で捻出できるか、その後は会社として考えよう」

そう言っていただけた。

また、その際に、「どうせなら、契約管理も一覧で見れるようになったり、契約締結情報などもそこで見れるようになってくれたら、助かる。」と契約管理に対するコメントも貰った。

急いで、全部門(総務や製造部門含む)の部長とグループリーダーに声をかけて、それぞれに今までのやり取りの背景、Sansan 導入したらこうなります!というのを伝えさせていただいた。

「リスクチェック機能」および契約管理サービス「ContractOne」も一緒に導入するような方向で動いていたので、そちらも併せて説明。

数日間に及ぶ全部署との調整によって、ランニングコストの半分以上の出資を募ることができました。嬉しかった。

スタートライン

そして、最終的な稟議資料を準備、契約管理「ContractOne」に対する説明(現状の法務の業務課題、各契約ツールとの連携などの図)も含め、賛成してくれた部門すべてを巻き込み、稟議提出。

結果的に、導入することができました。

「稟議回します!」と稟議提出時にSansanの営業担当者さんに伝えると、その日はずっと何かあった場合にすぐ対応できるようにスタンバってくれてた。

そのおかげで、稟議途中で急遽追加の資料要求などが入ったときに、直ぐに対応してくれた。

本当に、あの営業さんがいなかったら、あかんかった。
この場を借りて、お礼申し上げます。ありがとうございました。

いろんな人のいろんな思いが入り混じったツール導入。

クラウドファンディング方式で、それぞれの部門から共感を得られたのは本当に嬉しかったし、その中で会社に対する思いを聞けたのが、何よりも嬉しかった。

ツールはただのきっかけだけども、そのきっかけ作りでまさかここまで動くことになるとは思わなかった。

でも、そういった思いが入ったツールだからこそ、これからに期待したい。

まだ、ようやくスタートラインに立ったばかりだから。

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