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コロンビア創業の宅配アプリRappi(ラッピ)とは?

崎嶇坎軻(きくかんか)
→ 運が悪く人生で苦労すること。「崎嶇」は山道が険しいこと、「坎軻」は不遇の意。

運が悪いということは思い込みの側面も大きいように思う。

私は運がいいと明言できる。

ただ、それを堂々と言えるようになるには、少々時間がかかったように思う。

というのも、運がいいという一言で片付けると、なにも努力せずに全てがラッキーで成り立っている薄っぺらい人間だと思われてしまうのではという懸念があったからだ。

けれども、私が社会人になって憧れたり、敬意を抱いた人たちは、こぞって運がいいことを堂々と話していた。

その光景を目の当たりにして、私も運がいいことを全面に出してもいいのだというスタンスに切り替えた。

スタートアップが注目される時代

私はstak, Inc.のCEOである。

とはいえ、stak(スタック)という社名に変更したのは2019年2月の出来事で、起業当初の2014年2月はNeedol(ニードル)という社名だった。

起業してから紆余曲折あり、stakというIoTデバイスをリリースするに至ったのだが、まさに険しい道だったし不遇だと感じたこともある。

けれども、その都度、自分に言い聞かせたことがある。

自分はなにがしたいのか、どこへ向かいたいのか、1人になったとしてもやりたいことなのか。

そして、自分が成し遂げたい世界を今も追いかけている。

ここも運がいいところだと思うが、スタートアップが注目される時代だ。

ただ、注目されるだけではダメで、しっかりと成果を出さなければいけない。

そのフェーズへ向けて、粛々と準備が進んでいるので、乞うご期待していただきたい。

積極的に出資を続けるソフトバンクグループ

ソフトバンクグループ(SBG)は積極的に世界中のスタートアップに出資をしている。

2021年に初めて日本企業であるバイオベンチャーのアキュリスファーマに出資したソフトバンクグループのビジョン・ファンド(SVF)。

他にも2019年3月に経済成長が続くラテンアメリカ市場に特化した50億ドル規模のファンドである、ソフトバンク・イノベーション・ファンドを設立している。

その最初の投資先として選ばれたのが、2015年にコロンビアで創業された宅配アプリのRappi(ラッピ)だ。

投資金額は10億ドル(約1,100億円)ということで、人口密度が高く交通インフラの整っていない中南米の大都市では、宅配サービスが輸送問題の解決策になり得ると期待されている。

ラテンアメリカ市場で10億ドルを調達したRappiとは?

上述したとおり、2019年4月に10億ドルの資金調達を行った宅配アプリを運営するRappi(ラッピ)は、評価額が25億ドル(約2,750億円)というユニコーン企業になった。

コロンビアが創業のRappiはコロンビアで2つ目のユニコーン企業となったわけである。

ラテンアメリカでは中流階級が急激に増加し、可処分所得が増えている。

スマートフォンが普及し、モバイルインターネットやEコマースが発展する一方で、銀行口座を持たない人が多く、交通インフラが整っていないといった課題もある。

そんな中、中南米に特化したソフトバンク・イノベーション・ファンドが、前述の宅配アプリであるRappiを、その最初の投資先として選んだということだ。

そのビジネスモデルは、都心ではすっかり市民権を得たUber Eatsと同様で、アプリで注文するとレストランの料理を自宅まで配送してくれるというものだ。

自転車やバイクを持った配達員がデリバリーを担当し、隙間時間で収入を得られる仕組みも踏襲している。


そんなRappi(ラッピ)の特徴は、レストランの料理以外にも、あらゆるものが注文できる点にある。

スーパーにある食料品からドラッグストアの薬品、電気製品も対象となっている。

他にも、犬の散歩といったサービスも注文できるため、生活に必要な活動がかなり網羅されている。

日本では考えにくい、ATMに行かずとも現金を宅配してくれる、RappiCashというサービスもある。

また、多くの宅配アプリでは登録したクレジットカードからの支払いが主流だが、Rappiの場合は銀行口座を持たないユーザを取り込むために、現金払いもできる。

それから、RappiPayというサービスでは、QRコードを使ったモバイル決済や送金といった機能が提供されている。

このあたりのFinTechは日本でも浸透しつつあるので、イメージしやすいだろう。

Rappi(ラッピ)の収益について

Rappiの主な収益はユーザから徴収する手数料であるが、小売店側からも共同プロモーションを通じて収益化している。

いわゆる企業とのタイアップだ。

例えば、ソニーと協業してゲーム用品を販売したり、コカコーラと飲料品を販売したりといったものだ。

そして、戦略的な提携として、フランスの製薬会社Sanofiとのパートナーシップ契約がある。

ラテンアメリカ市場において、薬局で処方箋を必要とせずに市販されるOTC(Over The Counter)薬品のデリバリーを進めるという提携だ。

将来的には、処方薬販売や医師の往診依頼といったメディカルサービスへの進出が期待されている。

Rappiでファストフードばかり注文している人は健康リスクが高いというように、注文履歴から製薬会社の販促に使えるデータが取得できるのも強みだ。

まとめ

日本はGDPが世界第3位の先進国だ。

生活インフラや社会インフラも整っていて、法整備もある程度がされている。

そういった環境が世界一安全でキレイな国というような評価を受けているのは紛れもない事実だろう。

その反面、すでにいろいろと整っているインフラや規制が、イノベーションを阻んでいる側面がある。

つまり、発展途上国と呼ばれるような地域の方が、一気にイノベーションを起こしやすいということである。

世界はテクノロジーの進歩に伴い、日々圧倒的なスピードで狭くなっている。

また、人口比率に伴い経済が発展するというのは歴史が証明している。

ラテンアメリカ市場を見ているかといわれれば、全くといって意識をしていないというか、そもそもイメージが湧かないが、経済圏として大きだろうという予測はできる。

世界中のスタートアップが盛り上がることは大歓迎で、Rappi(ラッピ)の今後にも是非注目したい。


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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。