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時代錯誤とレトロの相関性

時代錯誤(じだいさくご)
→ 時代の流れに逆行している主義主張で、時代遅れのこと。

時代錯誤とか時代遅れという表現は、正直あまり褒められたものではないだろう。

どちらかというとネガティブで、場合によってはその人を強く否定する言葉とすらとれる。

一方で、レトロとかノスタルジーという言葉に置き換えた瞬間にポジティブに振れるという不思議な感覚だ。

ということで、時代錯誤とレトロの相関性について、私なりの見解を述べてみよう。

レトロに関する想い入れ

まず、私のことを全く知らない人に向けて話をしておきたいのだが、私はレトロという分野に対しては一般的な人よりも想い入れが大きい。

その理由については、下記を読んでいただきたい。

Retro Market(レトロマーケット)の起業秘話

まあ、起業秘話といったタイトルで価値を出そうとここに書いたとおりなのだが、私が起業したきっかけはレトロが大きく関係している。

そして、なぜレトロが廃れないのか、しっかりと説明することができる。

実際、私の起業のきっかけとなった2013年2月から、ちょうど10年という月日が経ったわけだが、その間にもレトロブームという言葉を何度聞いただろうか。

結論から言うと、レトロが廃れない理由は、レトロはもはやブームでもなんでもなくて、ただの日常だからだ。

人類が存在し続ける以上は存在するレトロ

レトロがただの日常だと言われても、いまいちピンとこないという人がほとんどだろう。

なにが言いたいのかというと、人間は歳を重ねる。

医学やテクノロジーの進歩のおかげもあって、日本の平均寿命は男女ともに80歳を超えるくらいまでになっている。

あくまで平均寿命なので、健康寿命とはまた別の概念になるのだが、まあ細かいことはなしにして、要するに80歳前後までは生きる人が多いということだ。

あなたは今、いくつだろうか。

私のブログを読んでくれている人は、20代後半から50代手前の男性が大半を占めている。

ここだけをピックアップしてみてもわかると思うが、20代後半の人と50代手前の人とは20年ほどの差がある。

となると、当然その想い出は乖離が生まれる。

青春時代の流行や聞いてきた楽曲も全く異なるだろうから、そこにはジェネレーションギャップが生じるわけだ。

とどのつまり、このジェネレーションギャップがレトロなのである。

レトロの意味を調べると、古風で古臭い、または過去の時代や文化に基づくスタイルやデザインを指す言葉となる。

また、レトロは古いものを現代的なスタイルや傾向に取り込むことで、現代的な感覚を醸し出すことがある。

昔のものに思い出を持つ人々にとっては、ノスタルジックな響きを持つのも特徴だ。

例えば、1950年代のダイナーの内装や、1980年代のファッションスタイルなどが、レトロとして知られている。

とまあ、なんとなく概念をまとめたようには聞こえるが、実態とはズレがあるということは改めて主張しておこう。

何度もくり返しになるが、レトロはただの日常だ。

レトロとノスタルジーが連動する理由

レトロはトレンドでも流行でもなく日常だという理由の1つに、レトロがノスタルジーと連動することが挙げられる。

見たこともなければ触ったこともないのに、何十年も前のTVやラジオを目の当たりにしたときに、郷愁や懐古を抱くのはなぜだろう。

訪れたこともなければ過ごしたこともないのに、何十年も前の古風な空間を目の当たりにしたときに、追憶にふけるのはなぜだろう。

本能的にそういう部分があるといってしまえばそれまでなのだが、私はそんな単純なものではないと思っている。

それは、その瞬間に思考が停止するからだと思っている。

いや、もっというと思考が遡るというか未来に行こうとせずに過去に向かおうとするからだと思っている。

それは年齢を重ねると顕著になって、人間はどこか未来へ行くことへの恐怖心があるのだと理解している。

その理由は明らかで、最期にあるのは死だからだ。

人が歳を重ねるということは、裏を返せばそれだけ死に1日1日近づいているということで、その分だけノスタルジーが大きくなっていくというわけだ。

レトロとノスタルジーが切っても切れない関係にあるのは、まさにこのロジックだ。

レトロは常にビジネスチャンスだという事実

となると、少々強引かもしれないが、レトロは日常なので誕生日と同様に重ねてもなんら不思議はないということだ。

毎日誰かの誕生日が訪れるのと同様に、常に誰かの中にレトロは存在している。

とどのつまり、常にビジネスチャンスがあるということを主張している。

こちらもくり返しになるが、私の起業のきっかけとなったのはレトロが大いに関係している。

紹介した過去ブログに詳細は書いてあるが、当時は健在だった祖父の家の片付けをしたことがそもそものきっかけだ。

父親や母親の田舎があるという人も地方には特に多いと思うが、私もその1人で幼いころから田舎に行くということはしばしばあった。

そして、広島に十数年振りに戻ってきたタイミングで、年老いた祖父は自力で掃除や片づけをすることは難しい状況にあったため、暇だった私は頻繁に行っていたときのことだ。

田舎の家にはなぜか蔵のような住む場所とは別の物置きスペースのような建物がある。

土地があるというのも1つの理由だろうが、そもそもの家の建て方が現在とは違ったのだろう。

そんな蔵の中の片付けをしていると、レトログッズがたくさん出てくるのである。

それこそ、使わなくなったTV、扇風機、ストーブのような家電製品から骨董品と呼べるような大したものではなくても陶器や食器類など様々だ。

こういったレトログッズを目の当たりにすると、それこそ私の中のノスタルジーが発動した。

どこか落ち着くというか、なんかオシャレに思えてくる不思議な力をレトログッズは持っていた。

とはいえ、そもそも壊れて使えないものも多く、持ち帰っても仕方がないと思っていたのだが、なんかもったいない気持ちが勝った。

そこで、もしかしたら欲しいという人が他にもいるかもと、ヤフオクに出品してみた。

もちろん、動かないことは明記しており、売れればラッキーくらいの感覚だ。

それが、出品する度に売れていくのだ。

中には壊れた扇風機が50,000円以上で売れたりもした。

原価は私の人件費くらいだし、これはイケると思った瞬間は今でも覚えている。

未だにやりたいと思っているレトロビジネス

もう少し掘り下げて話を書いていくが、田舎は外からの人を排除する傾向がとても強い。

直近でもそれを改めて感じる場面があったが、まあだからこそ過疎地となっていくわけだ。

入り方を間違えば一生入っていけないのが田舎というものだが、一方で一度入り込めば一気に距離が近くなるという点もある。

私の場合は、週2〜3で田舎まで訪れていたので、母親側の祖父の家の片付けをしている優しい孫だというブランディングが勝手にできあがっていった。

となると、まずはご近所さんから、ウチの片付けもしてもらえないかという依頼が来るようになった。

断る理由もないので、もちろんと快諾して片付けをしていくわけだが、その中には宝があるわけだ。

当然、勝手に販売するようなアコギなことをしてはすぐに噂が広まってしまうので、正直にネットオークションに出せば売れることも伝える。

そのときの大半の反応は、ようわからんの一言だ。

とにかく売れるから、売れたら半分は還元するという約束をして売れるものは片っ端から売っていくわけだ。

そして、あの茶碗が10,000円で売れたから約束の半分渡すねとなるわけだが、ほとんどのひとはそれを受け取ろうとしない。

タダで片付けをしてもらっているわけだからという理由で、あんたが取っときんさいとなるのだ。

まあ、私の中にはそうなるだろうなという想定もあったが、現金ではなくちょっとした差し入れをするというのが鉄板の営業方法となったわけだ。

勝手に私に任せておけば家の中や蔵が片付くという噂が拡がり、レトログッズが大量に集まった。

そして、今でいうところのメルカリのレトログッズに特化した「Retro Market(レトロマーケット)」というアプリをリリースしようと思ったのだが、見事に玉砕した。

ただ、何度も何度もいうように、レトロは日常なのでビジネスチャンスは常にある。

まとめ

Retro Market(レトロマーケット)というネーミングも悪くないと未だに思っている。

なぜやらないのかというと、私の性格上、同じことをまたやるということに対してモチベーションが上がらないからだ。

ただ、10年以上前の私のRetro Market(レトロマーケット)は不発に終わったとはいえ、確実にビジネスとして成り立つという確信がある。

そんな経験にSNSを組み合わせたり、視野をもっと拡げての販売方法を実践すれば、それなりにスケールするとも思っている。

ということで、そんな新規事業をやりたいという人がいれば、私もガッツリ支援するのでいつでも気軽に連絡を待っている。


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株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。