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コロナが変えたアメリカで人気のペットビジネスとは?

陰徳陽報(いんとくようほう)
→ 人知れず良いことをする者には、必ず良い報いがあるということ。

昔話や寓話には良いことをしましょうというストーリーのものが多い。

悪は淘汰されるというのが典型なわけだが、倫理を考えると当然だろう。

生きていく上でもそうだし、ビジネスを始める上でも大切にした方がいい根底にある考え方だ。

ということで、アメリカで流行り始めたペットビジネスがあることを紹介しよう。

アメリカで人気急上昇のペットとは?

多くのアメリカ人がパンデミックによるロックダウンのストレスからペットを飼う人が増えた。

多くの人が犬や猫を飼う中、ジワジワと人気が出ているのが、ニワトリということだ。

その理由は、ニワトリの世話をすることで自足しているという満足感と共に家庭的な感覚を味わえるからだそうだ。

さらに、ニワトリは哺乳類に匹敵するほど、心を通い合わせることができる生き物だということだ。

ついでに、毎日のように卵が手に入るというところが人気の秘密らしい。

ニワトリに注目した新たなビジネス

そんな人気上昇中のニワトリに目をつけた人たちが新たなビジネスとして始めているのが、ニワトリのレンタルビジネスである。

コンセプトは会社によって様々だが、多くの会社の共通点は下記のとおりだ。

・卵を産めるメス鶏を2〜4羽
・期間は1〜6ヶ月
・専用の鶏小屋、エサ

オス鶏の貸し出しをしない理由は、大抵攻撃的という気性の荒さにある。

ニワトリレンタルに申し込みをすると、ニワトリと一緒に外敵から守ることのできる専用の小屋、エサ、寝床、教材が届く。

つまり、借り手側はニワトリが十分に成長できる屋外スペースが必要になるわけだが、このあたりがアメリカらしさだろう。

コロナの影響で2020年にこのニワトリレンタルビジネスは急増し、2021年も前年並みだと複数の事業者が述べている。

コネティカット州で経営するCTレンタ・ヘンでは、2021年4月の時点で180羽のニワトリを全て貸し出しているそうだ。

ちなみに、2020年3月の時点では全て貸し出しとなっており、80家族のキャンセル待ちがあったという。


他にも、ニワトリが足りなくなってしまったと嬉しい悲鳴をあげている企業がある。

ペンシルベニア州でレント・ザ・チキン(Rent The Chicken)を経営するフィル・トンプキンズ氏である。

この会社は北米で最大のニワトリレンタル会社で、アメリカの26州とカナダの数州でニワトリを提供する地元企業と提携している。

例年、44〜55の鶏小屋をレンタルしてきたが、2020年には約3割増の72の小屋を貸し出したとのことだ。

また、メリーランド州ジャーマンタウンにあるレンタクープ(RentACoop)社の業績も好調だ。

2020年のレンタル数が例年の50~60羽から120羽へと倍以上に増えた。

ニワトリを見つけるのが本当に大変だったと、共同経営者のダイアナ・フィリップス氏は語る。

養鶏するブリーダーもニワトリが完売してしまったそうだ。

他にもニワトリの卵をふ化させるまで育てられるハッチレンタルの需要が増加した企業もあった。

借り手の約1割がヒナを手元に残し、飼育することにしたというデータも出ている。

ニワトリレンタルからの派生ビジネス

品種と性別によっても異なるが、ニワトリは成長すると体重3.5〜4.5キロほどになる。

そして寿命は一般的に5〜10年とされている。

その間、最も安定して卵を産む期間が生後5ヶ月から4年だそうだ。

卵を産んでくれることがインセンティブだと思われがちだが、必ずしもそうではない。

例えば、ニワトリは生ゴミ処理や害虫駆除をしてくれる。

なんと、ニワトリは1時間に80匹ものダニを食べることができる。

と同時に、ニワトリの個性的な行動を観察することで癒やされるのである。

ニワトリが羽づくろいをしたり、砂遊びをしたり、穴を掘ったりする様子をチキンテレビと呼び、楽しんでいる人もいる。

パンデミックの影響で外出できなくなったことがきっかけとなっている人が多い。


そんなニワトリに魅せられた少年がいる。

コネティカット州ウェストポートに住むナターシャ・スプリンガー氏の子どものマックスくんだ。

マックスくんは、排泄物の掃除、夜の鶏小屋への誘導、ダニが発生したときの薬の塗布をする。

それから、地域限定の卵販売ビジネスまで始めたそうだ。

マックスくんは、ニワトリたちの性格を知っていくことが楽しかったと語る。

心配性なニワトリ、陰気なニワトリ、とてもいい子のニワトリといった具合に様々な個性を持っているそうだ。

ニワトリの秘密

ニワトリは他のペットと同じように、認知的、感情的、社会的に複雑な生き物であると動物神経科学者のローリー・マリーノ氏はいう。

彼によると、ニワトリは過小評価されている動物の一種だそうだ。

知っておくべきなのは、ニワトリが地面をつついていたら、あなたが思っているよりも多くのことが起こっているということです。

ニワトリは自分以外のニワトリを多数認識でき、各個体の順位を把握することができるらしい。

また、物の量を見分けることもでき、生まれたばかりのヒヨコでも総数が5までなら計算する能力がある。

さらに、ある実験では赤い三角形に対する擦り込みが起こったヒヨコは、三角形の一部を見えなくしたものに対しても同様の行動を示したそうだ。

これは、脳内で物体を想像できることを示唆していることのエビデンスだ。

時代は必ず変化する

ペットビジネスとしてニワトリが人気になるということは、コロナがなければ起こらなかったことかもしれない。

ロックダウンで人々がストレスを抱えているときに生み出された新たなビジネスチャンスだ。

こういったことが生きているうちに、何度も起きる。

必ず変化する時代の中で、感度良くいたいものだと改めて思う。


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植田 振一郎 Twitter

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株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。