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ディズニーに学ぶピークエンドの法則とは?

慇懃無礼(いんぎんぶれい)
→ むやみに丁寧すぎるのは誠意が感じられず、かえって無礼である。

組織が大きくなればなるほど、社内でのポジションが重要になってくるときがあるようだ。

いわゆる社内政治というものだ。

私自身も多少なりとも経験をしたことがある気がするが、そこまで気にする性格でもなかった。

無駄なエネルギーとはいわないが、協調することを避けて受け入れない選択肢ばかりをくり返していると衰退する。

これは確実にいえることだと断言できる。

礼儀作法や誠意が大切なことはいうまでもない。

けれども、主張をしないことや思考停止して現状維持を求めれば、必ず衰退する。

大企業をネガティブな比較で出されるも多いが、決してそんなことはない。

やはり大企業は大企業の強みがあり、その強みが最大限に活かせていられるからこそ、大企業なのだ。

なぜ9割の会社は儲からないのか?

売上3,000億円を誇るミスミグループのCEOを努めた三枝匡氏は著書でこう語っている。

造って、作って、売るのサイクルをいかに回すかが、企業間競争に勝利する鍵になる

創ると作るはいい商品やサービスを生み出すことで、売るとはまさに生み出した商品やサービスを売ることだ。

この2つの仕事にいかに集中すべきかの大切さを説いており、特に後者の売ることへのフォーカスが足りないことを指摘している。

利益を出すには、商品やサービスの前にいかにお客さんを連れてくるかを徹底すべきなのである。

ディズニーに学ぶファンを増やす心理

ディズニーといえば、世界中に根強いファンがいる最強コンテンツ生産企業と置き換えても過言ではない。

そんなディズニーについてとあるアメリカの心理学者がこんな話をしている。

これから家族とディズニーに出かけるとしよう。

そして、ディズニーの中に入ると1時間おきにアンケートメールが送られてきて、1〜10段階で評価しなければならない。

1=うんざり、10=大満足といった具合だ。

実際、1組の家族のアンケート結果は下記のイメージだった。

・9:00 ホテルから子どもたちを連れ出す=【評価:5点】
・10:00 子供向けのアトラクションに乗る=【評価:5点】
・11:00 子どもたちとジェットコースターに乗る=【評価:10点】
・12:00 少し混雑したレストランで食事をする=【評価:6点】
・13:00 パレードが始まるのをひたすら待つ=【評価:2点】
・14:00 グッズ買って子どもたちの笑顔を見る=【評価:9点】

満足度の平均は6.17点ということで、特別高いわけでもない。

アンケートはこれで終わりではなく、後日もう一度ディズニーに行ったときを思い出して評価をして欲しいと依頼する。

すると、平均が9点台となるという驚きの高評価が出る場合が多いというのである。


この結果は、ピークエンドの法則といわれる。

心理学では有名な法則で、人は特定の瞬間しか記憶しておらず、それが満足度にも大きく影響するというのである。

要するに、クライマックスと最後の2つが記憶に刻まれるということだ。

それ以外の記憶はほとんど残らない。

映画でもクライマックスとエンディングの瞬間が記憶に残ることが多く、そこで面白いと面白くないと判断していることが多いのである。

ここから学べることは、まずはお客さんに商品提供をするプロセス、サービスを提供するプロセスを1〜10まで全部書き出すことだ。

そして、クライマックスと最後の部分で特別な経験を生み出すように作り込めばいい。

特定の瞬間に目を向ければ、あなたの商品やサービスの満足度は一気に上げられるかもしれない

P&Gを復活させた2つの真実

消臭剤のファブリーズ、洗剤のアリエール、シャンプーのパンテーンといえば、誰もがイメージできるだろう。

その生みの親がP&Gだ。

そんな超大手企業のP&Gだが、実は2000年ごろから深刻な経営不振に陥っていた。

当時のP&Gは次から次へと商品を発表するが、そのほとんどが失敗するという悪循環だった。

そんなとき、当時のCEOが分析を行った。

社内にはびこるいい商品を作れば売れるという技術偏重の社風が不振の要因の大きな1つだ

それから、ある1つの考え方をP&Gに植え付けた。

その後、短期間でP&Gは売上倍増、利益を4倍増に増やしたのである。

企業の生死をわける決定的な瞬間は2つあり、その瞬間を制することが勝敗を決める

2つの瞬間というのは、お客さんが商品を買う瞬間と実際に商品を使う瞬間である。

特に前者の商品を買う瞬間が重要だという。

お客さんが商品を見てから買うまでは3〜7秒といわれている。

このわずか3〜7秒の間に、いかに選ばれるかのノウハウを溜めていくことに集中したのである。

そう、売る瞬間に目を向けることだ。

世界的タイヤメーカーの奇抜なマーケティング

1889年にフランスで2人の兄弟がタイヤメーカーを立ち上げた。

この会社が後に世界最大のシェアをとることになるなど、当時は誰も予想していなかった。

あなたが同様にタイヤメーカーを創業するとしたら、どんなマーケティングをするだろう。

当時は車がほとんど普及しておらず、車両故障、ガス欠、パンクなど当たり前の時代だ。

パンクしないタイヤを生産する、パンク無料と行ったサービスを強化する、価格を下げるといったアイディアが出るのが一般的なものではないだろうか。

そんな中、この兄弟の考え方は違った。

人々はタイヤが欲しいのではなく、車で旅行したり出かけるという楽しみを得たいのである

そして、このタイヤメーカーはタイヤを売ることを一旦中止して、車で楽しく旅行できるようにガイドブックを作ることにした。

ガイドブックの中には、美味しいレストランや宿泊地を載せた。

このガイドブックが瞬く間に人気になり、そこへ行きたいという人々は車を買った。

それに伴い、タイヤも一気に売れるようになった。

もうおわかりだと思うが、そのタイヤメーカーはミシュランだ。

この発想こそが、商品思考ではなく顧客思考というものの最たるものである。

商品思考だと商品のタイヤにとらわれてしまうが、お客さんに目を向ければ課題が出てくる。

その課題解決が本当にお客さんが求めているものが見える瞬間なのだ。

先人に学ぶこと

先人に学ぶことで無駄な失敗を防ぐことができれば、その分、ショートカットして成功を手にすることができる。

この考えるという思考する時間をしっかり取ること。

仕事に追われていてはその貴重な時間が確保できない。

そこの意識をすべきだと改めて思う、今日このごろである。


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植田 振一郎 Twitter

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株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。