結局はシンプル・イズ・ベストだという結論
一言でバシッと決める。
かねてから憧れているところで、その気持ちは今もなおある気がする。
そして、難しいことをより難しく説明するような遠回りをせず、小難しいことを考えるのではなくシンプルに決めることは、やはりとても重要だと改めて感じている。
日本の商品は本当にグローバルで通用しないのか?
日本の技術は素晴らしいと未だに堂々と話す人がいる。
その点については、私は否定的な立場ではないというか、むしろそうだと思うところもある。
すでに中国や韓国に追い抜かれていて、取り返しのつかないところまで進んでいるという指摘も多いし、そういった取り上げ方をするメディアも多い。
まあ、その点も理解できるのだが、やはり日本発のアイデアというか手の届かないところの細かさみたいなところは素晴らしいと思う。
というのも、直接的な技術の部分では勝てないにしても、ちょっとした気遣いのようなところに顕著に現れていると思うのだ。
例えば、箱の開けやすさ、ビニールやシールの剥がしやすさといったところは、世界トップレベルだと思っている。
他にも吉野家、松屋、すき家といった飲食店ではワンコイン、500円であれだけクオリティの高い食事ができる。
また、100円ショップに行ったことがあるという人も多いと思うが、100円のクオリティを遥かに凌駕している商品ラインナップに驚かされる。
こういった部分は世界へ出たことがある人からしたら、日本が圧勝していると感じる部分だと思う。
なにが言いたいのかというと、技術やテクノロジーで勝てないなら、こういった圧勝できるところで勝てばいいということだ。
10年使った洗濯機の買い替え
おかげさまで、stak, Inc. は2023年2月から第10期目に入った。
広島に戻ってきてから、10年近くの年月が流れたわけだが、そのときに買った洗濯機が水漏れするようになったので、最近買い替えた。
そのときの候補に上がったのが、Panasonicの商品とHaierの商品だった。
商品自体を見ていないのだが、価格差が約30,000円あった。
私は即座にHaierの商品を選択して、先日無事に新しい洗濯機が届いた。
まだ数回しか使っていないのだが、静かだしUIもわかりやすくて全く問題がない。
Haierは中国のメーカーだからと未だに否定的な人もいるが、この結果には自信があった。
というのも、私が広島に戻ってきて買った洗濯機もHaierで、上述したとおり10年間は全く問題なく使えていた。
洗濯機が10年使えるというのは、そのメーカーの商品に問題がないというのに十分なエビデンスだろう。
なによりも、Haierは日本の三洋電機を随分前に買収しているという事実を知らない人が多い。
Haierの三洋電機買収について
まず、Haierというメーカーを知らないという人も多いと思うので、紹介していこう。
Haier Group(海爾集団)は、中国に本拠を置く家電メーカーで、世界最大の家電メーカーの1つだ。
1984年に創業され、当初は冷蔵庫の製造販売を行っていたが、現在では家電製品の幅広いラインナップを展開している。
また、海爾集団は家電製品だけでなく、不動産、金融、ロジスティクスなど、多角的に事業を展開している。
世界各地に拠点を持ち、多くの国々で製品を販売しているため、海爾集団は中国の代表的なグローバル企業として知られている。
海爾集団は技術開発に力を入れており、多くの特許を持っていることでも有名だ。
環境に配慮した製品開発にも積極的で、太陽光発電システムや再生可能エネルギーを活用した製品なども開発しているという特徴がある。
近年では、人工知能やIoTに注力し、スマート家電製品の開発を進めている。
さらに、海外企業の買収にも積極的であり、2016年にはアメリカの家電メーカーであるGE(ジェネラル・エレクトリック)の家電部門を買収した。
2021年7月27日に発表されたHaier Group(海爾集団)の2021年上半期決算によると、2021年上半期の売上高は1,004.3億元(約1兆5,510億円)、純利益は29.3億元(約452億円)だった。
ただ、2021年は新型コロナウイルスの影響により、世界的に不安定な状況が続いており、Haierの業績にも影響を与えている可能性がある点には留意が必要だ。
そんな、Haier Group(海爾集団)だが、日本の電機メーカーである三洋電機(Sanyo Electric)を2011年に買収している。
三洋電機は、創業以来、映像や音響機器や電池など幅広い製品を手掛けてきたが、2000年代に入り業績不振に陥っていた。
そのため、三洋電機は2008年に投資ファンドからの出資を受け入れ、経営再建を図ることとなった。
その後も、三洋電機は財務体質の改善や事業の再編成を進めたが、なかなか業績を回復することができなかった。
そこで、Haier Group(海爾集団)が買収に乗り出した。
買収の背景には、Haier Group(海爾集団)が海外進出を進める上で、三洋電機のブランド力や技術力が有効であると判断したことが挙げられる。
買収価格は、三洋電機の株式を1株あたり129円で買い取る形で合意された。
そして、買収後は三洋電機はHaier Group(海爾集団)の完全子会社となり、社名もSanyo Electric Co., Ltd.からHaier Sanyo Electric Co., Ltd.に変更された。
Panasonicと三洋電機の関係について
これは全くの偶然なのだが、今回私が購入を検討した洗濯機のメーカーはPanasonicとHaierだった。
奇しくも、Panasonic、Haier、三洋電機の3社には繋がりがある。
まず、Panasonicと三洋電機は、両社とも日本の大手電機メーカーであり、同業者であることから長年にわたり競合関係にあった。
ところが、前述したとおり、三洋電機の業績不振を救う形で、2011年にPanasonicが三洋電機を子会社化し、グループ会社となった。
この買収は、Panasonicが液晶テレビや太陽電池などの分野において、三洋電機の技術や製品を取り込むことを目的として行われた。
それから、両社が持つ電池事業の強化を図ることも狙いの1つだった。
これだけ書くと不思議に思う人もいるだろう。
というのも、Haier Group(海爾集団)の三洋電機の買収も2011年だ。
現在もPanasonicは三洋電機を子会社として保有し、両社の事業の統合や相互補完的な開発を進めるなど、グループ全体の強化に取り組んでいる。
どういうカラクリがあるのかというと、三洋電機の白物家電の事業をHaier Group(海爾集団)が買収したという経緯だ。
日本の家電メーカーが世界で輝けない理由
ツラツラと書いてきたが、洗濯機1つをとってもHaierのもので十分だということがわかる。
まだまだ日本のメーカーでなければ信用できないという人も散見するが、そういう人たちは完全に思考停止している。
シンプルなユーザーインターフェース、いわゆるUIは日本のメーカーの商品よりもよっぽど優れているように感じる。
というのも、stak, Inc. の主力商品はstakという機能拡張モジュール型IoTデバイスだ。
弱小とはいえ、少なからずメーカーという立ち位置にいる。
そんな弱小が勝つためになにを徹底しているかというと、シンプルであることだ。
そして私はその例として、よくリモコンを挙げる。
家にある日本のメーカーが出しているTVやエアコンのリモコンを見て欲しい。
それと、Apple TVなど海外のイケてるとされるメーカーのリモコンを見比べてみると、差は歴然だ。
外国人が日本へ旅行や仕事で来た際に、最も戸惑うところの1つとしてよく挙がるのが、このリモコン問題だ。
その問題は、単純にどうやって使えばいいのか全くわからないといった点だ。
まとめ
差別化を図るという言葉がある。
ここで多くの人は、なにかプラスの要素を取り込もうとして、複雑になってしまうという結果に繋がってしまう。
TVに焦点をあてて考えたときに、チャンネル、音量の2つを変えることができればいいはずだ。
エアコンの然りで、暖房、冷房、除湿、自動の4つの機能に対して、温度、風量、風向が定められれば十分なはずだ。
強いていえば、そこにタイマー機能があればくらいだと思うのだが、日本メーカーは日本人が見てもよくわからない方向へ開発していく傾向がある。
シンプル・イズ・ベストという言葉のとおりで、重要は発想は足し算ではなく引き算だということを改めて主張しておきたい。
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株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。