ハッタリと嘘の狭間で(第1話)
「カネ余りの世の中」という言葉を耳にする。
一体どこにそんな「カネ」が余っているのだろうか。
およそ3年前の2016年9月に遡る。
「モノづくり」をすることにした。
といっても、明確にこれだ!という「モノ」はなく、とにかく楽しくやれればくらいのノリだった。
その数年前に広島で起こった土砂災害や同年の熊本地震などの影響もあって、まず取りかかったのが災害に強いライト。
とりあえず、ネットや店舗で部品を買って作ろうという計画性などあってないようなスタートだ。
当時の購入記録がある。
予算やスケジュールも特に決めていない。
ただ、「モノづくり」から世の中に一石を投じて、自分の理想とする世界観を実現していこうという漠然としたものが俺を動かしていた。
このまま終わってたまるか。
2014年2月に起業してから輝きを失っていた自分に対する苛立ち、ただただ生活しているだけの毎日にウンザリしていた。
そんな場所と一刻もはやく決別したかった。
株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。