苦しみや困難を理由に増える自殺者
七難八苦という言葉を聞いたことがある人よりも聞いたことがないという人の方が多いと思う。
この四字熟語は、仏教における悟りを開くための修行において避けがたい7つの苦しみと8つの困難を指している。
その苦しみと困難とは具体的に下記を意味している。
生老病死の苦しみ
生きること自体が苦しみであり、老いや病気、死の不可避性に直面することによって生じる苦しみを指す。
愛別離苦の苦しみ
愛する人と別れたり、別れることが不可避であることによって生じる苦しみを指す。
怨憎会苦の苦しみ
人間関係の中で、恨みや敵意、競争心や嫉妬によって生じる苦しみを指す。
求不得苦の苦しみ
自分が欲しいものや望んでいるものが手に入らないことによって生じる苦しみを指す。
五陰盛苦の苦しみ
人間の苦しみの源とされる5つの陰(隠れたもの)が強まることによって生じる苦しみを指す。
5つの陰とは、形(からだ)、受(感覚)、想(思考)、行(行動)、識(意識)のことをいう。
行相纏苦の苦しみ
行動が無意識的であるために、自分自身の問題をくり返し起こすことによって生じる苦しみを指す。
無常壞滅苦の苦しみ
すべてのものが必ず滅びることによって生じる苦しみを指す。
生まれることの苦しみ
生を受けることによって、自らの存在が苦しみであることを指す。
老いることの苦しみ
年齢を重ねることによって、自分自身や周囲の人々の変化を見ることで、苦しみが生じることを指す。
病気になることの苦しみ
病気になることによって、自分自身や周囲の人々の苦しみを経験することを指す。
死ぬことの苦しみ
死を迎えることによって、自らの存在が滅びることを指す。
愛別離苦の苦しみ
愛する人と別れたり、別れることが不可避であることによって生じる苦しみを指す。
怨憎会苦の苦しみ
人間関係の中で、恨みや敵意、競争心や嫉妬によって生じる苦しみを指す。
欲求不満苦の苦しみ
なんらかの欲求や希望がかなわないことによって生じる苦しみを指す。
五蘊盛苦の苦しみ
人間の苦しみの源とされる5つの蘊(うん)が強まることによって生じる苦しみを指す。
5つの蘊とは、形(からだ)、受(感覚)、想(思考)、行(行動)、識(意識)のことをいう。
人が苦しみや困難だと感じる内容は、古から不変なところがあるのがよくわかる。
苦しみや困難を感じるタイミング
と膳、人によって感じる困難のタイミングは異なるわけだが、一般的には下記のようなタイミングで困難を感じることが多いといわれている。
変化が起こったとき
仕事や学校、家庭などで大きな変化があった場合、新しい状況に適応することが難しくなり、困難を感じることがある。
期待に応える必要があるとき
周囲からの期待に応える必要があるとき、プレッシャーを感じて困難を感じることがある。
例えば、試験、プレゼンテーション、プロジェクトなどで期待に応える必要がある場合が挙げられる。
ストレスがたまっているとき
長期間にわたってストレスがたまっていると、精神的に疲れがたまり、困難を感じることがある。
課題が難しいとき
学習や仕事の課題が難しい場合、取り組みが難しくなり、困難を感じることがある。
目標が達成できないとき
自分が設定した目標を達成できない場合、失敗感や挫折感を感じて困難を感じることがある。
苦しみや困難の果に取ってしまう最悪の選択肢
苦しみや困難は無事に乗り越えることができればいいが、必ずしもそうではない場合がある。
そんなときに、冷静であれば絶対に取ってはいけないとわかるのに、最悪の選択肢をチョイスしてしまう人がいる。
そう、自殺だ。
自殺者の推移は国や地域によって異なるが、WHO(世界保健機関)の報告によると、世界全体で自殺者数は増加傾向にあるという。
2019年の報告では、世界中で年間約70万人が自殺によって亡くなっているそうだ。
国や地域によって自殺者数には大きな差があるが、アジア、東ヨーロッパ、中東などでは自殺者数が高く、欧米諸国では比較的低い傾向がある。
年齢別に見てみると、若年層においての自殺者数が増加傾向にある一方で、高齢者においては自殺者数は減少傾向にある。
そして、男性に比べ女性の自殺者数は低い傾向が続いていたが、近年では女性の自殺率が上昇しているという報告も出ている。
日本の自殺者の推移
日本の自殺者数は、1978年の約2万人から1998年には約3万5,000人に急増し、その後は減少傾向にある。
とはいえ、依然として年間約2万人前後の自殺者数が発生しているのが現状だ。
年齢別に見てみると、若年層においては自殺者数が減少傾向にある。
一方で、中高年世代においては自殺者数が多く、高齢者においても自殺者数が高くなっている。
また、世界の傾向と童謡に、男性に比べ女性の自殺者数は低い傾向があったが、近年は女性の自殺者数が上昇しているという報告もある。
自殺の方法としては、日本においては首吊りや飛び降りなどの自殺方法が一般的であり、これらの方法で自殺する人が多い傾向が強い。
自殺者が増えるタイミング
そんな自殺だが、自殺が多くなるタイミングがある。
まず、春先だが、春先は新しい生活やスタートを切るタイミングとしての期待感やプレッシャーが高まることがある。
また、花粉症などのアレルギー症状による不調や冬の間に抑圧された気持ちが一気に爆発することも考えられることから、自殺者が増える傾向にあるという。
次に、年末年始には、一年の総括や新たな目標の設定などが行われることが多く、自分の人生や未来に対する不安や焦りが高まることがある。
そして、孤独感を感じる人も多く、それによるストレスが重なることが自殺の原因になる場合もあるという。
それから、ゴールデンウィークは長期休暇を取ることができるため、家族や友人との交流が増えることが期待される。
一方で、孤独感を感じる人や家族や友人との関係が上手くいかない人は、その孤独感をより強く感じることになり自殺へ繋がるという人が出てくる。
さらに、季節的な変化による気分の落ち込みや季節性情動障害が原因で自殺者が増えることがある。
共通していえることは、ふと集中が切れるタイミングというか、孤独を感じてしまうときということだろう。
自殺を考えたときに取るべき行動
くり返し書いておくが、自殺という選択肢はなにがあっても取ってはいけないし、周りに少しでも怪しい人がいたら全力で止めて欲しい。
そして、間違って自殺を考えてしまったときには、下記のことを思い出してもらいたい。
自殺を考えている場合は、心理カウンセラー、精神科医、もしくは緊急医療サービスに、まずは相談することだ。
これらの専門家は、自殺予防に関するトレーニングを受けており、適切な支援を提供することができる。
難しいのは理解できるが、腹をくくっているのであればそのくらいはやるべきだ。
自殺を考えていることを誰かに話すことで、孤独感を軽減することができる。
家族や友人に話すことができない場合は信頼できるヘルプラインに電話することもできる。
日本の場合は、日本の自殺予防ホットライン、Lifelineがあるので覚えておくといいだろう。
自殺を考えている場合は、自分自身を安全な場所に移動させる必要がある。
危険な場所から離れ、安全な場所に移動し、必要であれば警察に連絡することも検討してほしい。
自殺を考えた場合、悲観的な考え方が支配的になり、自分自身を責めることが多い。
これも難しいのは理解できるが、それでも自分自身を励ますことが重要だ。
自分自身にポジティブな言葉をかけ、自分自身を受け入れることが大切なのである。
自殺を考えている場合、感情が高ぶっていることが多く、冷静な判断ができない場合がある。
安心感を持つためには、自分自身を落ち着かせる方法を見つけることが重要だ。
瞑想や深呼吸、リラックスする音楽を聴くことなど、自分自身を落ち着かせる方法を見つけることが重要になる。
まとめ
苦しみや困難は誰にでもいつでも、いろんな角度から訪れる。
そんなときに自らの命を絶つという選択肢は最悪だ。
苦しみや困難は乗り越える必要はない。
最悪の選択をするくらいなら、それこそ必死に逃げまくれと言いたい。
そして、これも覚えておいてもらいたいが、苦しみや困難を知っている人の方が圧倒的に強い。
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