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恋の美しさと切なさを同時に感じた映画「ちょっと思い出しただけ」
ネタバレありきの感想ですので。
気になる方は見てから読んでくださいね。
第34回東京国際映画祭にて観客賞を受賞した注目されていて、当時見ようとしたけど即満員になってみれなかったんよね。
「くれなずめ」「バイプレイヤーズ」の松居大悟監督の最新作で、クリープハイプの楽曲「ナイトオンザプラネット」から構想・制作された映画らしい。
曲が松居さんに送られてきて、長編映画化したい気持ちから、曲自体のリリースも一年待ってもらったらしい。
そんな尾崎世界観さんも出演していて、監督との信頼関係が熱いのもなんか良い制作裏話。
松居大悟さんは好きな監督の一人なんやけど、「君が君で君だ」「くれなずめ」とか男子校ノリのイメージが強いので、純粋な恋愛映画がどういう内容になるか楽しみでしたわ。
池松壮亮さんと伊藤沙莉さんとダブル主演。
見終わった思ったのは「恋の美しさと切なさを同時に感じさせられる繊細な恋愛映画」
最近の邦画だと「花束みたいな恋をした」が別れた後から、出会う前の過去に戻り恋が生まれる瞬間から終わる瞬間をサブカル色強めで描いた作品。
それに比べて「ちょっと思い出しただけ」は冒頭の始まりは同じやけど、1年ずつ振り返っていく進み方で、別れの後に恋が盛り上がる瞬間、そして出会いの瞬間に戻っていく。
1年ずつ戻るような物語の進め方はあまり見たことがなく、さらに切ない別れのシーンを見た後に、プロポーズ宣言、付き合う瞬間とドキドキする瞬間を見ると恋の切なさがと美しいを同時に感じさせる名作になっていると思う。
過去に進むにつれて、セリフの回収があるため、再作人するためにも何度も見たくなる作りにセコイなーって思っちゃう。
公園で妻を待ち続けるジュンさんは初め変な男性という印象やったのに、話が進むとその意味に気付かされて切なくなる。
また、シーンが変わるごとに1日の始まりは照生の部屋から映されるんやけど、部屋の様子だけで照雄の状況が分かるように演出されているのも繊細でよかった。
國村隼さんや成田凌さん、ニューヨークの屋敷さんも出演しているんやかど、全員想像通りに人柄で、自然体の雰囲気も良かった。
特にニューヨークの屋敷さんのちょっとクズっぽいけど純粋な男が笑えたわ。
恋愛について、一番好きになって人とは結ばれず2番目に好きになった人と結婚することが多いって話を聞いた覚えがあるけど、「ちょっと思い出しただけ」の野原葉はまさにその人その者な気がした。
見終わった後、切なくも恋ってやっぱええなって思ったし、松居大悟さんの今後の映画が楽しみになったし、クリープハイプがさらに好きになった映画。
今まで松居大悟さんの映画苦手って人も是非見て欲しい。
あと、パンフレット後半のフォト集も素晴らしかった。その勢いでTシャツまで買ってしまいましたわ。