新感染半島 ファイナル・ステージはゾンビ映画のレベル超えた映画だが・・・
昨年は約50本の映画を劇場で観賞できたが、あまり感想をまとめることができなかったので、今年の目標は映画館で見た映画の感想を書こうと思う。
記念すべき2021年1本目は「新感染半島 ファイナル・ステージ」。
新年からゾンビパニックでテンション上げようと見てきました。
今作は2016年に上映された韓国のゾンビパニック映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」の4年後の世界を描いた物語となるんだが、もしこれから見る人がいれば一言だけ伝えたい。
前作のストーリーは一旦忘れて見て欲しい。
簡単なあらすじですが、韓国中に蔓延したウイルスはその他の地域に広がらないように完全に隔離され、近くことさえ許されない世界となった。そんな中、主人公のジョンソク(カン・ドンウォン)はウイルス蔓延されている韓国のある場所に大金があること知らされ、それを命懸けで取りに行く仕事を受けさせられた。ウイルスによって死んだはずの街だったが、そこには何故か生きている人間も存在していた。ジョンソクは凶暴化したウイルス感染者まみれの世界の中、任務をこなし、生きて帰ることができるのか・・・。
前作より全ての要素がアップデートされており、ゾンビ・パニック映画の次元を超えていた。前作より予算は倍になっており、ゾンビの動きの速さも前作より早くなっており、迫力が凄い。また、伏線の貼り方の回収の仕方が綺麗にまとまり過ぎていて、最高のエンタメだと感動させられた。ゲームの「Last of us」と映画の「マッドマックス」を組み合わせたような世界観、そして、カー・アクションシーンは凄く、後半のヘッドライトシーンが最高に格好良い。見終わった後の満足感は非常に高かった。
帰り道、余韻に浸っていると、微かなモヤモヤが生じていることに気付いた。
満足感があるが、何かが少し、違和感というかなんというか。
そのモヤモヤは時間が経つにつれて強くなり、パズルのピースが埋まるように整理されていった。
アクション・エンタメ映画としては最高なんだが、新感染の続編ではないと。
強いて言うなら、続編というよりスピンオフ作品だなと。
ここからは個人的に振り返った際に、もやもやした内容を書くが、今作は色々アップデートされたことにより前作で良かった部分が少し失われてしまったという印象を受けた。
前作の「新感染 ファイナル・エクスプレス」では電車という逃げる場所がないという密閉された空間でウイルス感染者から逃げるという緊迫した緊張感。そして、電車が駅にまで着くまで逃げ切ると言う目的が具体的に決まっていたため、物語がシンプルで分かりやすく、すぐに引き込まれてしまう力を持っていた。
それに比べて今作では、ウイルスが蔓延している街という舞台がデカくなり、目的も半島から脱出するという少し曖昧になっていたためか、前作よりも舞台やアクション、感染者の数など格段とアップデートされていた分、緊張感がなくなっており、ただのアクション映画という印象が強くなっていた。
特に気になったのが、「ストーリー」と「ウイルス感染者の存在」である。
まず、ストーリーに関しては、前作の続編として生き残った人物がどうなっているのかという期待してみると人物が変わっており、少しガッカリさせられる。続編というより、スピンオフっぽい物語となっていた。
次にウイルス感染者に関してはゾンビ・パニック映画としては軸となるはずなのに、ただの背景になっていた気がした。カーアクションがド派手なせいか、カーアクションを盛り上げるための材料としか感じなかった。本来の人を殺す最悪の敵のはずが、殺されるという怖さがほぼ失われている気がした。
結論、映画としてはカーアクションの素晴らしさ、映像の迫力、伏線の貼り方、回収仕方などまとまり過ぎているほど素晴らしい最高なエンタメ映画なんだけど、ゾンビ映画のレベルを超え過ぎたあまり、新感染半島の続編としては少し楽しみきれなかった。
でも、十分むちゃくちゃ面白いのでオススメです。
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