『普通』に疑問を持つ若い人に見てほしい映画『まともじゃないのは君も一緒』
「普通」という言葉を辞書でひくと「特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。」と書いてある。
数学の世界に魅力され、ただ素直に生きてきた先生(成田凌)が恋愛経験ないが知識だけはもっている生徒(清原果耶)から普通を教えてもらう話。
お互いにどこか欠けている2人のやりとりが、少しお笑いを見ているくらいテンポが良い。
しかし、あまりに「普通」と言う言葉が使われることに気になった。
そして、見ていくうちにふと、学生時代の自分にどこか似ていると気づいてしまった。
学生時代の自分にとって最も大切な言葉。
社会に出てから最も不要な言葉。
それが自分にとって「普通」であった。
地方に住んでいた頃の学生時代、視野が窮屈になっており、生きる世界は学校の教室内が全てだった。そこでは、目立つ者が周りから引かれたり、陰口の対象であった。そんな窮屈な世界では、周りにあわせる「普通」を全力で目指していた。
しかし、地方を出て社会人になった今、生きる世界は無限大に広がり、そこでは普通にこだわる意味がなくなった。
というか、もはや普通とはなんだ。
十人十色、それぞれ自分にとっての普通があるため、自分らしくあることの大切さを学んだ。
そして、本作を見ているうちに学生時代の自分と秋本が重なって見えた気がした。
周りの目を気にして生きていた学生時代の自分に見せたい映画だ。
印象的なシーンが一つある。
それは後半、先生が、秋本に怒るシーン。
「何かを諦めることの口実に使う普通。
それだったら、普通になんてなりたくない。」と言う言葉が素晴らしかった。
周りの目を気にして、自分らしさを消したり、何かを諦めたりする生き方なんの意味があるのか。グサッと心に刺さった言葉だった。
自分らしく生き、それを受けていれる人と出会うことが愛しいと教えてくれる映画で、周りの目を気にして素直に生きられていない人に見てほしい映画です。