たまご焼き
昼休憩
友達女:見て〜、このたまご焼き私が作ったんだよ♡上手でしょ?
○○:えー、すごいな。
友達女:ふふ、よかったら食べて♡
たまご焼きを○○のお弁当に乗っける友達女ちゃん。
…を、遠巻きに眺める面々。
□□:あれはどういうことなん?笑
△△:なんか最近(友達女)にめちゃロックオンされてるっぽい。
✕✕:くぅ…モテるからな○○…。
ふたりきりで一緒に弁当を食べてる○○と友達女に若干の違和感を覚える3人と
彩:…。
一緒になって眺めてる彩。
△△:…いいのかよ。
彩:えっ…?💦
△△:…盗られちゃうぞ。
彩:い、いや…あやは…///💦
耳打ちで核心をついてくる△△に、たじろいでいると
△△:いいって、隠さなくて。
彩:え…?
□□:俺たちみんな気づいてるもんな。笑
✕✕:小川、意外とわかりやすいとこあるんもなぁ。笑
彩:(えぇ〜!?恥ずっ…///💦)
思わず顔を赤らめる彩。
…その、視線の先では
○○:…うまっ。
友達女:ほんと?よかったぁ♡
たまご焼きを食べた○○に、嬉しそうな友達女ちゃん。
彩:…。
そんな2人を見ていると…胸がぎゅーっと、苦しくなる。
すると
美空:あや〜💕会いに来たよ〜💕………ん?あやの周りにむさ苦しい野球部が3人!どきやがれ!
△△□□✕✕を蹴散らし彩にハグ。
□□:口悪いなこいつは!
美空:はぁ?こんな所でぼけーっとしてる暇があるならグランド100周走ってこい!
□□:なんでだよ!
△△·✕✕:…💧
美空:ふふ♡あや、何見てるの?……えっ!?
一緒にお弁当を食べてる○○と友達女に
美空:あの2人って…そうなの!?
彩:ちょっと!声が大きい!💦
美空:どうする?割って入る?
彩:ま、待って💦それはなんか…違う気がする…!
美空:んー、そっかぁ…。
彩:と、とりあえず…今日はもう、みくの教室でお弁当食べよ?みんなも、ね?
△△:…。
ちょっぴり強引に、場を解散させる彩でした。
――――――――――
その日の放課後、吹奏楽部の練習終わりのこと。
友達女:あや、今から野球部行くの?
彩:うん、ちょっと顔出してこようかな。
友達女:そっか。じゃあ、池田によろしくね♪
あえて、名前を出してきたので
彩:…あのさ。
友達女:うん?
彩:最近…よく池田くんと喋ってるよね。
すると
友達女:うん。だって好きだもん。
彩:えっ………?
心のどこかで予想はしていたものの、あまりに堂々と言われ、息が止まりそうになる彩。
友達女:かっこいいもんね、池田。たぶん池田のこと好きな女子いっぱい居るよ。
彩:…。
友達女:彩も含めて…ね♡
そう言って、にっこりと笑う友達女。
友達女:私知ってるよ、彩が池田のこと好きなの。夏大の時とかすっごい入れ込んでたもんね。笑
彩:…。
友達女:野球部のマネージャーやるっていうから…てっきりもう付き合ってんのかと思ったけど、そうじゃなかったんだね、意外!もしかして夏大終わったらもう冷めちゃったとか?笑
彩:…。
友達女:聞いて?今日ね、池田が私が作ったたまご焼き褒めてくれたの♡嬉しかったなぁ〜♪
見せつけるかのように、ドヤ顔をする友達女ちゃん。
友達女:まぁ、そういうことだからさ。
友達女:あんまり…邪魔しないでね?♡
――――――――――
その後
彩:…。
ジャージに着替えるために入った、無人の更衣室。
不意に、涙が溢れてくる。
彩:…。
ずっと仲の良かった友達に言われた言葉が、頭の中をぐるぐる…
彩:(…もうっ!)
自らの頬をぺちんと叩き、涙を拭ってグラウンドへ。
すると、夕暮れのグラウンドでは
○○:ゔぁあ"あ"!!!
うめき声を上げながら、地獄の連続ロングティー。
バットを振って、振って、振りまくって、地面に倒れ込む。
後から来た彩は、ベンチからその様子を見つめる。
彩:…。
しばらくして、練習が終わり
○○:…しゃ!片付けするぞ!
ヘロヘロになりながら号令をかけ、外野中に散らばったボールを拾い集めに行く。
彩:…!
彩もベンチを出て球拾いに。すると
○○:小川!
彩の存在に気づいた○○が、駆け寄って来る。
彩:…池田くん。
○○:今日、吹奏楽の方行くって言ってなかった?
彩:うん。でも早く終わったから…来た。
○○:そっか、ありがとね。
そう言って、にこっと笑う○○に
彩:(うぅ…。)
感情が、ぐちゃぐちゃになる彩でした。