見出し画像

サイズアップ

仕事の合間に少し時間ができたので、この間のカフェに行ってみた。


あの店員さんが居るかはわからないし、そもそも居たとしても覚えられてもない気もするけど…自然と足が動いていた。


カランコロンカラン


しかし、そんな心配は…杞憂に終わる。


店員:いらっしゃいま…あっ!


覚えててくれたみたいなので、ぺこっと会釈をする。
 

店員:この間の…XLのお兄さんですよね?


○○:まぁ…頼んだのはMですけどね。笑


店員:あっ、じゃあMのお兄さんだ! 


○○:(それは意味合いが変わってくるだろ。笑)


笑いそうになるのを堪えつつ、案内された席に座る。


○○:(そういえば前もここだったな。)


店員:ご注文はお決まりですか?


○○:じゃあ…アイスコーヒー、Lで。


店員:おっ、この間よりサイズアップしましたねぇ。


○○:美味しかったんで。笑


店員:ふふ、ありがとうございます♡少々お待ちくださいね。


注文を取り、カウンターの奥へ戻って行く。


○○:…。


その姿に、思わず見惚れてしまう。


少しすると


店員:お待たせしました、アイスコーヒーLサイズです♪


○○:ありがとうございます。


店員:ふふ、今回はサイズ間違えませんでしたよ?笑


それが当たり前…ではあるものの、この店員さんに言われるとなんだか褒めたくなってしまう。


○○:さすがです。笑


店員:ふふ♡


一杯のコーヒーと共に…落ち着いた時間を過ごす。


○○:…。


まだ2回目ではあるものの、ここのコーヒーを飲んでいると、心がやすらぐような感覚に陥る。


それは、特別な豆を使っているからか…それとも、特別な方法で淹れられているからか…


それとも、あの店員さんが居るからか。


――――――――――


その後、お会計。料金を支払っておつりを受け取ると


○○:…あのっ。


店員:はい?


○○:お名前…教えていただけませんか?


店員:私ですか?五百城茉央っていいます♡お兄さんは?


○○:○○○○です。


茉央:おー、いい名前♪


なぜそう思ったのかはわからないが…当然、悪い気はしない。


茉央:またいらしてくださいね♪


○○:…はい!


次来るときは…おそらくXLを頼むだろう。


もっと、やすらぎを…感じていたいから。