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ポケットの中

仕事終わり、Wデート的な夕ご飯。席は店の外。


○○:ちょっと寒いですね。笑


先輩男:仕方ないだろ、ここしか空いてなかったんだから。でもこの店めちゃくちゃ美味いから。そこは期待してて。


先輩男さんがそう言うと


○○:…(先輩女)さんの手料理とどっちが美味いですか?笑


ちょっと意地悪な質問をしてみると


先輩男:あー、この店かな。


先輩女:おい!!💢


先輩男:あはは、冗談だって。笑


先輩女:ったく…。


○○:(やっぱお似合いだなこの2人。)


なんて思っていると、隣の席で○○にぺとっとくっつく和。


○○:寒い?上着貸してやろうか?


和:…大丈夫。○○が寒くなっちゃうから。


○○:俺全然平気だから。着とけよ。


そう言って、上着を脱いで和にかけてあげる○○。ただ当然ぶかぶかで、袖を捲ってあげながら


○○:…絶対に醤油とかソースとか溢すなよ。笑


和:わかってる。ありがと♡




そんな一部始終を見て


先輩女:いいね、見せつけてくれるねぇ。笑


にやにやと笑う先輩女さん。


○○:見せつけてなんかないですよ。笑


先輩女:ふふ、それに比べて…うちの彼氏は私のことほってらかしにして…!


先輩男:えっ、寒いの?


先輩女:ううん。私暑がりだからへーき。


先輩男:じゃあ言うなや💧笑


2人の会話に、思わず笑ってしまう○○と和。


○○:夫婦漫才はいいから、さっさと注文しましょうよ。


和:そーだそーだ!


先輩男:…生意気だよなぁ、この2人。


先輩女:うん。最近輪をかけて、特にね♡


○○・和:…💧笑


――――――――――


その後、注文して料理が来て舌鼓を打つ4人。


和:美味しいっ♡




○○:うん、めちゃくちゃ美味いな。


先輩男:へへ、な?言っただろ?


先輩女:なんであんたが誇らしそうにしてんのよ。笑


なんて言いながら、大皿の料理をせっせと取り分ける先輩女さん。


和:○○のは野菜多めで!


先輩女:おっけ、任せて♪


○○:なんでや。笑


若干腑に落ちないながらも、野菜をむしゃむしゃ食べる○○に


先輩女:和ちゃんってさ、○○くんに料理作ってあげたりとかするの?


和:んー、稀に?笑


○○:めちゃくちゃ美味いんですよ、なぎの料理。


先輩女:いいねぇそのセリフ。どっかの誰かとは大違いだ。笑


先輩男:だから冗談だって…💧笑


苦笑いの先輩男さんを横目に


先輩女:ちなみに、同棲とかしないの?


○○・和:えっ?笑


突然ぶっ込んでくる先輩女さんに、笑ってしまう2人。


○○:まぁ…どうかな。


和の方を見つめる○○に、見つめ返す和。


○○:なぎが20歳超えてからの方がいいよな、たぶん。


和:ふふ♡




先輩女:あっ!そっか和ちゃんまだ19か!


和:そうですよ♡


先輩女:○○くん…あんたやるねぇ。笑


○○:どういう意味ですか💧笑


――――――――――


さらにその後、料理もあらかた食べ終えお喋りでもしながら


和:…♪


○○の手を取り、貸してもらってる上着のポケットに突っ込んでにぎにぎしてる和。


先輩男:そういえば、11月から何か新しいプロジェクトが始まるらしいな。


○○:プロジェクト?


先輩女:ああ、なんか部署の垣根を越えて…みたいなやつでしょ?


先輩男:そうそう。優秀な人が集められるやつ。
和:何するプロジェクトなんですか?


先輩男・先輩女:さあ?


揃ってきょとんとする2人。


先輩男:まぁ…○○とか声かけられる可能性あるんじゃないか?


○○:いやー、俺はそういうのはなぁ…


そう言いながら、右手を和に握られてるので左手で箸を持って料理をつまむ○○。


先輩女:えっ?左利きだっけ?


○○:…え?笑


笑って誤魔化す○○に


先輩女:…右手見せてみ?


○○:…。


しらばっくれる○○…の手を握ったまま


和:ほいっ♡


ポケットからひょこっと手を出して上げて見せつける和。しかも恋人繋ぎ。


先輩女:はぁ〜!ほんと、すーぐいちゃいちゃする!!


和:ふふ♡




すると


○○:…自分だって、ずーっと(先輩男)さんの太ももに手置いてるくせに。笑


先輩女:えっ?笑


見透かされていて…動揺を隠しつつ


先輩女:それは…こいつが風で飛ばされないように押さえてるだけだから…///


先輩男:ええ?笑


○○:(先輩男)さんどんだけ軽いんですか。笑


和:(…照れてるの可愛い。)


――――――――――


その後、お開き。


○○:すいません、ごちそうさまでした。


和:でしたっ♡


先輩男:おう、2人とも気をつけて帰ってな。


先輩女:ふふ、ばいばーい♡


ということで、2人になった帰り道。


和:楽しかったねー♡


○○:そうだな。笑


並んで歩きながら、○○の上着を着っぱなしだったことに気づき




和:ごめん、返してなかった。


○○:いいよ、最後まで着てて。


和:ふふ、やった♡


嬉しそうに…においなんて嗅いでみて


○○:嗅ぐなや。笑


和:…なんかさ、○○の服借りてるとあの時のこと思い出すなぁって。


○○:…研修の時?


和:そう♡


和に言われつられて思い出す…去年の今頃のこと。


○○:…もう1年か。


和:早いよねぇ…。


○○:…どうだった?


和:えっ?


○○:…この1年。楽しかった?


和:ふふ、当たり前じゃん♡




○○:…そっか。


和:あっ、でも2年目はさらに楽しく過ごそうね♡




○○:…へへ、そうだな。


繋いでいた手を…再びポケットにIN。


仲良くにぎにぎしていると…暖かすぎるくらいに、ぽかぽかしてくる2人でした。