2人だけのラブストーリー
“明日………デートしよう?”
“…どっか、行きたい所とかある?”
“んー…。”
“久しぶりに○○のバイク乗りたい。”
“わかった。”
しかし、今日は…生憎の雨。
和:はぁ…。
和:(なんか、うまくいかないなぁ…。)
窓の外を眺め、しょんぼりする和。
それでも
和:(あっ…そろそろ行かなくちゃ。)
とりあえず、デートはすることに。
和は、急いで家を出ていった。
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待ち合わせ場所。
和:ごめん!お待たせ…💦
○○:おう。
雨が思ったより強く、少し遅れてしまった和。
和:待った…?
○○:俺も来たとこ。まさかこんなに降るとはな。笑
和:ね。ほんとそれ。
それから、話の流れで和が見たかった映画を観に行くことに。
お互いに傘をさして歩いていると…やっぱり、遠く感じちゃうので
和:…○○の傘、入れて?
自分の傘を畳み、○○の右腕にくっつく和。
○○:…///
相合傘に、少し照れくさそうな○○。
○○:…ありがと。
和:えっ?
○○:寒かったから、ちょうどいい。笑
和:別にそういうつもりじゃなかったけど…まぁいいか。笑
より一層、ぺとっとくっつくと
○○:…歩き辛いな。笑
和:うっさい、文句言うな。
○○:口悪いなぁ。笑
そう言って笑う○○に
和:…。笑
なんだか少し、ほっとする和。
○○:それにしても…
和:…。
○○:…めっちゃ降るな。笑
和:…ね。笑
―――――――――――――――
映画館に入り、定番のポップコーンやドリンクを買い、購入した席に着く。
隣り合った席…右が○○で、左が和。
…のはずが
○○:俺こっちがいい。
と、あえてチケットとは逆の左側の席に座る○○。
和:どっちでもそんな変わんないでしょ。
○○:変わんないならいいじゃん。
和:…?
上映開始前、予告を見ながらポップコーンを食べていると
○○·和:…!
不意に、手と手が触れ合う。
○○:俺の方が早かったな。笑
そう言って、ポップコーンをぱくり。
和:…子供かよ。笑
そうこうしているうちに、本編がスタート。
和:…。
思ったよりも、恋愛要素強めのストーリーだった。
和:…。
チラッと、隣の○○の方を見てみると
○○:…。
和:(…ちゃんと見てる。)
自らもスクリーンの方に向き直り、ストーリーの中にのめり込む。
様々な展開を経て、ラストスパート。
主人公の女の子が、片想いをしていた男の子に告白するシーン。
和:…。
ふと、数ヶ月前の自分を思い出す。
和:(…すっごい緊張したなぁ、○○に告白するの。)
和:(…この子もすっごい緊張してるんだろうな。)
そんな和の心配をよそに、スクリーンの中の恋は、無事成就。
感動的なシーンに、涙腺が緩む。
和:…。
ここで…そっと、○○の手を握る。
和:…///
少しびっくりしながらも…和の方を見て、にっこりと笑いながら和の手を握り返す○○。
和:…///
それから…最後まで、手を繋いだまま映画を楽しんだ。
映画館の片隅…たったニ席。
大きなスクリーンの迫力には敵わないものの、
2人にとっては、かけがえのないラブストーリーの1ページだった。
―――――――――――――――
映画を見た後は、食事や買い物をして楽しい時間を過ごした。
そして、帰り道。
…やっぱり、雨。
○○:まぁ…たまにはこういうのもアリかもな。
和:うんっ、そうだね。
相合傘ももうすっかり慣れた様子で、くっついて歩く2人。
和:…。
行きと同じく○○の右腕にくっつきながら、傘を持つ○○の横顔を眺めていると
○○:前見て歩かないと危ないぞ。
和:(あっ…)
傘からはみ出した、○○の左腕が雨でびしょ濡れになっていることに気づく和。
和:…。
映画館で不自然に席を替わろうとしたのは、おそらく行きも同じように濡れていたであろう左腕を和から隠すためか。
○○:…なぎ?
和:…えっ?ああ…ごめん、ぼーっとしてた。笑
○○:…転んでも知らないからな?
和:子供じゃないんだから、転ばないもん。
あえて、気づかないフリをしたのは…
…なんとなく、その方がいいと思ったから。
○○:…なぎってさ。
和:うん…?
○○:あの映画に出てくる男の子みたいな人がタイプなん?
和:えっ…どうして?
○○:いや…単純に、そうだからあの映画観たかったのかなって。
和:私のタイプの人かぁ…。
和:お家帰って、鏡を見てみればどんな人かわかると思うよ♡