見出し画像

海の日

prrrrr...


○○:んぅ…?


○○:(何だよこんな朝早くから…。)


○○:…もしもし。


和:『もしもーし、○○さん?』


○○:…んぅ。


和:『今って何してました?』


○○:…寝てた。


和:『ふふ、おはようございます♡』


○○:…んぅ。


寝ぼけた返事をする○○。


和:(んぅ…だって、可愛い。笑)


聞こえないようにこっそりと笑う和。


和:『今日って何の日かわかります?』


○○:えぇ…?


寝起きの頭で考えると


○○:『…あっ!今日仕事だっけ?!』


ハッと目が覚める○○。


和:『あはは、違いますよ。今日はお休みです。』


○○:なんだ…びっくりした。


和:『正解は、“海の日”です!』


○○:あぁ…


和:『海行きたいです。』


○○:行けや。


和:『○○さんと!!前みたいにバイク乗っけてくださーい!』


○○:えぇ…


――――――――――


その後、和を後ろに乗せてバイクで突っ走る○○。


和はといえば、相変わらずの…“抱きつきスタイル”。


○○:ったく…休みの日にお前の相手させられるとか、ほぼ休日出勤みたいなもんだからな?


和:もー、そんなこと言わないでくださいよ。


○○:今日だって朝早くに起こされてるわけだし…。


和:でもそんなこと言いながら素直に来てくれる○○さん、私は好きですよ。笑


○○:…。


○○:だいたいさぁ、こういうのは友達とか彼氏とかと行くもんだろ。


和:もう友達みたいなもんじゃないですか。笑


○○:チッ


“なんなら、彼氏でも…”


なんて言う勇気は出ず。


和:インカム越しに舌打ちするのやめてください?笑


笑って誤魔化す和。


快晴の空の元、風を切って走る。


○○:ていうか、暑いから抱きつくな。飛ばさないからバー持てって。


和:かいがーんせーんをー、ばーすはーすーすむー、そらはーこおきあつー♪


ノリノリで歌う和。


○:(全く聞いてねぇなこいつ。)


夏の太陽、そして青空の元。


風を切って海沿いの道を走る中、


インカム越しに聞こえてくる和の歌声に


どこか心地良さを感じる○○だった。


――――――――――


その後


和:着いたー♪


ヘルメットを取り、大きく息を吸う。


和:あっっっついですね!!!笑


○○:てめぇがへばりつくからだろうが!


和:ふふ、汗かいちゃいましたね♡


手でパタパタと○○の顔を仰ぐ仕草をする和。


○○:お前チビだから手ぇちっちゃいな。


和:そうですか?


○○:うん。全然風が来ない。笑


和:もう…!いいんですよ、こういうのはフィーリングで!


○○:フィーリング?笑


和:…あとチビは余計です。


○○:つっこむのおそ。笑


――――――――――


人で賑わうビーチの方へ。


和:おお…さすが海の日、人多いですねー。


○○:まぁこの天気だしなぁ。


和:あっ、あっちの方が空いてますね。


○○:じゃああっち行ってみるか。


海風に吹かれながら、太陽の下を歩く。


○○:水着持ってきてんの?


和:え?いや…泳ぐというより○○さんと海見に来たかっただけなので。


○○:あ、ああ…。


和:あ…///


言った後でなんとなく照れくさく感じる和。


和:○○さんは持ってきてるんですか?


○○:いや。


和:…なんだぁ。水着の○○さん見たかったのにー。笑


○○:えぇ…💧


和:○○さんは?


○○:え?


和:そ、その…///私の水着見たかったなーとか思いました…?///


○○:…。


和:…。


○○の沈黙は肯定…と思いきや


○○:…待てよ、今セクハラに当たらない返答を考えてるだけだから。肯定じゃないからな。

見透かされていた和。


和:…むぅ。


○○:てかさ、お前ん家社長一家なんだからプライベートビーチとか持ってないの?


和:(あっ、話逸らされた。笑)


苦笑いの和。


和:持ってるわけないじゃないですかそんなの。


○○:そっか…プライベートビーチだったら裸でいけたのにな。笑


和:ば、ばかなこと言わないでくださいっ!///💦


顔を赤らめる和。


○○:なんで赤くなってんだよ。笑


和:なってないです。


○○:いやすげーなってるわ。なんだよえろいことでも考えてたんか?すけべだな。笑


和:ち、違います!///💦


なぜか動揺する和を見て笑う○○。


和:もう…!このセクハラメンターめ!


砂を掴んで○○に投げつける和。


○○:うわっ!バカ、やめろ!


和:あはは、○○さん砂だらけ♡


○○:ったく…こういうのは水でやるもんだろ。


和:お、じゃあ波打ち際の方まで行きます?


○○:絶対水かけられるから行かない。


和:なんでですか!ほら行きますよ!


○○の手首を掴んで引っ張る和。


○○:………///


そして波打ち際。


和:気持ち良さそう…ちょっとだけ入っちゃお♡


靴を脱いでズボンを捲って水の中へ。


和:つめたーい♡


○○:………。


ぴちゃぴちゃとはしゃぐ和に思わず見惚れてしまう○○。


和:ほら○○さんも早くー!気持ち良いですよ?


○○:…しょうがないな。


濡れないようにして、足をつける。


○○:わっ…つめた。


和:ふふ、気持ち良いですね♡


○○:あー…なんか久々に海入った気がする。


和:あんまり来ないんですか?


○○:んー…来ないな。子供の時は来てたけど。


なんて話していると


和:隙あり!


手で○○に海水をかける和。


○○:うわっ!


和:あはは♡油断してるからですよ?笑


○○:くっそ…ふざけやがって!


水を蹴って和に撒き散らす○○。


和:ちょっと!私そんなにやってないです!


○○:そろそろ生意気な新人を凝らしめとかなきゃいけないと思ってたとこだからな。笑


和:もう…!ほんと意地悪!


足でばちゃばちゃとやり返す和。


○○:ま、待てって…うわ、口に入った!


和:あっはははは!笑


太陽に照らされる水しぶきの如く、キラキラとした笑顔の和でした。


――――――――――


帰り道


和:いやー、楽しかったですね。


○○:すげー疲れたけどな。


和:体力ないなぁ。


○○:やかましいわ。


帰り道は抱きつきスタイルではなくバーを握って座る和。


○○:…。


○○:…もう、後ろ座るの慣れた?


和:まぁ…ちょっとずつ。


○○:…そっか。


和:どうかしました?


○○:いや…今までみたいにへばりついて来ないから。


和:だって…


和:暑いから…○○さん嫌がるかなって。


○○:…。


○○:…別にいいよ、好きな方で。


和:えっ。


○○:…。


和:もー、しかたないですねぇ♡


そう言って○○の背中にくっつく和。


○○:しかたないってなんだよ。


和:○○さんのためにしかたなくこうしてあげてるんですっ!


○○:ったく…素直じゃねぇな。


和:(素直じゃないのはどっちだ!笑)


気づかれないように笑いながら、○○の身体に捕まる腕にきゅっと力を入れる和。


今日は、海の日。


今までよりも暑く感じるのは、日差しの強さのせいか、それとも―――――