頼りない?
今日は珍しくいつもの席に○○の姿。しかし
○○:…よし。
荷物をまとめ、すぐに出ていく○○。
和:もう出るんですか?
○○:うん。今日行かなきゃいけないとこが山ほどあるから。
今日はプロジェクト関連ではなく、いつもの仕事。
和:…。
忙しなく出ていく○○を、見送る和。
その後
和:…あの!
部長席に向かう和。
部長:は、はい…!どうされましたか、井上さん…!
和:○○さんの仕事、少し私にやらせていただけませんか?
部長:えっ…?
和:プロジェクトもあって○○さん今大変そうなので…だめですか?
部長:…。
少し考えて
部長:いやー、素晴らしい!先輩社員のことを気遣うとは…さすが井上さんですね!
和:あの、私は真面目に言ってるんですけど…。
部長:…大丈夫ですよ、○○は。
和:…。
すると、ちょっと不満げにしてるのを察したのか
部長:…どうしてもというのなら、○○に直接聞いてみてもらえますか。
和:(はぁ…ほんとこの部長何言ってもだめだな。)
――――――――――
夕方になり、ようやく戻ってきた○○。
○○:…。
疲れているのか、黙ってPCに向かって書類をまとめる○○。
和:…ねぇ?
○○:ん?
ちょっと近づいて、ヒソヒソ声で
和:お昼ごはん…ちゃんと食べた?
○○:ああ…食ってない。まぁ大丈夫だよ。
和:…。
心配そうな和を横目に、書類を仕上げ
○○:…さてと。
席を立つ○○。
和:…どこ行くの?
○○:プロジェクトの会議。
和:今から!?
○○:うん。遅くなるから、待つなよ。
和:…。
そう言って部屋を出る○○を、追いかける和。
和:○○っ。
○○:ん?
和:○○の仕事…いくつか私に任せてほしいの。
○○:えっ…?
和:今の○○すっごく忙しそうだから…助けになりたい。
○○:なぎ…。
にっこりと笑い
○○:ありがと。気持ちは嬉しいけど、大丈夫だよ。
和:…。
和:…私なんて、頼りない?
○○:違うよ、そんなこと言ってないだろ。笑
和:だって…。
○○:仕事はさ?引き継ぎとかいろいろやんなきゃいけないし、かえって時間かかっちゃうだろ?
和:まぁ…。
○○:なぎはなぎの仕事をちゃんとやればいいから。
和:…。
○○:頼りないとか…思ってないからな。なぎを育てたのは俺なんだからな。笑
和:…うん。
○○:じゃあ…そろそろ行くから。気をつけて帰れよ。
和:…わかった。
和の肩をぽんと叩いて会議へ向かう○○を…見送ると
和:はぁ…。
和:(…なんか、逆に気を遣わせちゃったかな。)
どこかモヤモヤしたままの、和でした。