変化を余儀なくされた退院支援
今年も最後の月になりました。
今年はある意味長かった1年に感じているのは私だけでしょうか?
色んなことを我慢している1年
自分の人生についても考えた1年
そんな中で言語聴覚士として、セラピストとして真剣に向き合った1年でもあった気がします。
noteを始めた事も私の仕事に刺激を与えたきっかけになりました。
ところで新型コロナの影響でみなさんの仕事にはどんな支障が出ましたか?
セラピストはいわゆる医療従事者
しかし私の仕事の実際はテレビでよく放送されている内容とは少し違う
私が働く病院は回復期病棟を持つ病院で
私は回復期病棟専従の言語聴覚士
当病院はPCR検査を行っているが入院受け入れはしていない。しかし、感染対策は非常にシビア。
何故なら80代以上の高齢者が多く入院しているから、どこから持ち込まれ、クラスターになるかわからない。
そのため今までの回復期病棟の働き方を変える必要がありました。
感染対策により変更された主な点は
①家族面会はタブレットでのみ
②主治医からの説明は電話もしくは外来診察室 で行い本人は同席できず
③屋外歩行や家屋評価の中止
④外部の人と患者さまを極力対面させないよう 電話やオンラインでの情報共有
文章にすると簡単なように見えるが
セラピストへの負担は随分大きい
今までと異なるセラピストの動きとは?
毎年インフルエンザの時期になると面会制限の処置はとっていたのですが、やはり患者さまにとって家族の力は大きく
家族に会えない寂しさと状況が理解できない高齢者にとって想像を遥かに超えるストレスとなります。これは認知機能低下にも繋がり人によってはADL低下に繋がりかねない。
毎年この時期には患者さまとの関わりやリハビリに気を張っていたのですが今年は新型コロナの影響によりその状態がほぼ1年近く続く状態。むしろ1年以上続くかもしれない。
家族とのタブレット面会が開始されたことにより患者さまのストレスは幾分かは改善。
しかし、逆に不安になる、会いたくなる高齢者もいるため退院時期を早める策を図るなど個別対応が増えた所もあります。
また、対面の面会では同時にリハビリ見学も可能でリハビリの進捗状況を見ていただける機会となり今後の方向性について家族の方もリハビリと相談しながら検討でき、セラピストも病前の生活から家屋環境、生活環境の聴取が出来るなどスムーズな退院支援に繋げることができていました。
タブレット面会では台数も少ない事から時間に限りがありリハビリの合間に行っていることが多く、セラピストが家族と連絡を取る、情報収集するためには改めてリハビリ見学の場を設ける必要があります。
もちろんリハビリ見学もオンラインでの実施であり私の病院ではZOOMを用いて行っています。
これは家族に対してだけでなく
ケアマネジャーや退院先となる施設職員に対しても行っており、実際の動作場面などを見ていただき病棟生活についての質問に答えるなど今までであればセラピスト1人で十分対応可能でした。
しかし、ZOOMの使用では患者さまにつくセラピストと同時説明やカメラ操作を行うセラピストと最低でも2人必要。これはリハビリ実働報酬による私たちにとって複数人で行うのは減収にも繋がっているのが現状です。
主治医からの家族説明においてもリハビリ見学を行えていない家族に対しては、あらかじめリハビリの様子を動画で撮影し家族説明の際にお見せするなど事前準備が必要となります。
屋外歩行や家屋評価が行えないことも普段より外部との連絡回数が増える結果となり
業務中や業務後の対応が増え
セラピストの精神的負担にも繋がっています。
加えて屋外歩行や家屋評価が出来ないということは予測の上でリハビリをする事が増えてしまいます。実際の家で動作できない為にセラピストは日々さまざまな予測を行いそれに対応する動作訓練を行います。
新人セラピストからすると非常にその行為は難しく負担になっているなと感じ先輩は相談やフォローに回る毎日です。
また、少しでも情報を集めるために
家族に家屋の写真をお願いする事や
ケアマネジャーや業者との家屋改修についてや退院後のサービスについて連携を重ねたりと例年よりも退院支援にかける時間と手間が増えている。
私たちは患者さまが退院後も安全な生活が送れるよう日々奮闘し働いています。
しかし、今日上層部から
患者さまやそのご家族、ケアマネジャーからの満足度は昨年よりも低下していると告げられました。。。
「対面に勝るものはない」
そんなこと、私たちセラピストが一番わかってる!
今日は新型コロナに負けず奮闘する
セラピストのボヤきになってしまいました。
明日からまた切り替えて頑張ります!
me;でした。