【私的感想】vsマンチェスターユナイテッド プレミアリーグ第10節 11月4日
11月4日に行われたプレミアリーグ第10節のマンチェスターユナイテッド戦のマッチレビューをしていきます。
スコア:CHE(1)-MCU(1)
得点者CHE:カイセド
得点者NEW:B・フェルナンデス
テンハグ監督がついに解任され、ルベン・アモリムを後任に迎えることが決まったユナイテッド。この試合は暫定監督を務めるファンニステルローイが指揮をとった。チェルシーとしては、おそらくテンハグ監督仕様で準備をしていたため、急遽ファンニステルローイ仕様に変化しないといけなくなり、マレスカ監督としては、少し準備不足な部分もあっただろう。
MOM:カイセド(CHE)
この試合、守備だけでなくついにゴールも決めたカイセドは間違いなくMOM。ラヴィアを底に置くシステムでは、相手ゴールキックからの前プレスにサイドのフォローからセカンドボールと全てに顔を出し、フィフティーのボールはほぼ確実にマイボールにしていく球際の強さも見せた。ゴールもスーパーで、あのゴールがなければチェルシーは負けていたかもしれない。
1点目:ブルーノ・フェルナンデス(MCU) PK
右サイドでボールを持ったカゼミロから素晴らしいクロスが入る。特別な崩しではなかったものの、ホイルンドのオフザボールの動きでフォファナのマークを完全に外し、フリーでボールを受ける。トラップ後、サンチェスも飛び出すがこれをかわされたところ、サンチェスの手がホイルンドの足にかかりPKとなった。このシーンはサンチェスを責めることより、マークを外されてしまったフォファナが気になってしまう。ホイルンドは動き出し、そこからのボールタッチと共に素晴らしかった。
結局PKをブルーノ・フェルナンデスが冷静に流し込み、先制に成功した。
2点目:モイセス・カイセド(CHE)
エンソからボールを受けたネトが右サイドを単独突破。最後は3人に相手されながらもなんとかコーナーを獲得した。このコーナーをパーマーが蹴り込み、カゼミロがクリア。しかしこのボールがカイセドのものへ流れ、ダイレクトボレー。見事に抑えの効いたシュートはムドリクの股を抜けてゴールに吸い込まれた。先制点からわずか4分後の同点弾で試合は一気に振り出しに戻った。
各選手の評価(10点満点)
ロベルト・サンチェス 7.0
この試合では、サンチェスらしい安定したセービングを披露。クロス対応も素晴らしく何度かあったクロスは全てセーブした。また、ビルドアップも目立ったミスはなく、安定したパフォーマンスを披露した。調子に波があるため、批判されることもあるが、このくらいのパフォーマンスを維持できれば批判もなくなるだろう。
マロ・ギュスト 6.0
偽SBとしてポジショニングにも磨きがかかってきており、フリーでボールを受ける機会も増えてきた。ただ、この試合ではそこからの精度を欠いてしまう場面が多く、前半で交代となった。特別パフォーマンスが悪かったというわけの交代ではないが、ポケットでボールを受けた際もクロスを相手に当ててしまう場面や、マドゥエケへのパスがずれてしまう場面など本来のパフォーマンスを知るファンとしては、物足りなさを感じてしまった。
ウェズレイ・フォファナ 6.5
ホイルンド相手に素晴らしいパフォーマンスをみせただけに、PKのシーンの集中力は気になってしまった。相手のポストプレーや裏抜けへの対応は素晴らしく、ファールなくボールを奪い切る場面が多かった。後半はCCBとしてのプレーだったが、やはりCCBだとビルドアップ時にボランチにつけることができないため、外回りでのビルドアップが中心となった。これがマレスカの意図であれば良いのだが、中央から崩したいが意図であれば、今後の成長に期待したいところだ。
リーヴァイ・コルウィル 6.0
前半はCCBとして、プレーし、素晴らしい楔のパスを披露。ディフェンス面でもミスなくプレーしていたが、後半は左CBとしてプレー。左CBとしてだとパスコースが限定されているのか少しミスが増えてしまった。そこからディフェンス面でもうまく潰せないシーンもあり、課題もみえた。ただ、彼ほどのパスを出せるディフェンスは世界的にもほとんどいないのでチームとして彼をCCBで使えるように調整したいところだ。
リース・ジェームズ 6.5
相変わらずの対人性能で1対1で負けるシーンは見られなかった。守備においては問題ないが、ビルドアップ時に不用意な奪われ方をしたシーンもあり、今後改善が必要だ。また、彼のロングフィードが詰まった展開の打開策にもなっており、唯一無二の選手であることは示してくれた。いつか偽SBとして使えるようになれば攻撃や守備においてチームをもう一段階上のステップに持っていける存在なだけに今後の使われ方には注目していきたい。
モイセス・カイセド 9.0
ついにゴールまで決めてしまった怪物。ビルドアップ関与からボール奪取、前プレに対人性能と全てにおいて中盤を凌駕。ラヴィアを底に置き彼を自由に動かせるようになってからより才能を開花させているため、エンソもラヴィアと同様の使い方をして試してみてほしいところ。どちらにしても彼なしではチームが大きく変わってしまうほどの存在感。
ロメオ・ラヴィア 6.0
大きく目立つシーンはなかったが、言い換えるとビルドアップでは安定していた。守備面でもカイセドほど目立ちはしないが、カイセドが当たった次には必ずいるため、相手には中央で自由を与えることはなかった。攻撃時においてはもう少しクリエイティブさが求められるが今後の成長に期待していきたい。
ノニ・マドゥエケ 5.0
マズラウィ相手に何もできなかった。相手が素晴らしいパフォーマンスをしていたとはいえ、片方のサイドが潰れると攻撃としてはかなり痛手だ。この試合は強引に仕掛けるシーンはほとんど見られず、低い位置でのボールロストも目立ち、尚且つ切り替えも遅いと悪い所が全面に出てしまった。調子が悪くても強引にドリブルを仕掛ける姿勢は続けてほしい。
コール・パーマー 6.5
前半に2度ほど数的優位でチャンスを迎えたが彼にしては珍しいくらいプレーに迷いが見えた。結果どちらのチャンスも相手にシュートブロックされてしまい、得点には繋がらなかった。求めることも増えてきてしまっており、多少厳しい意見かもしれないが、彼ならあのチャンスはモノにしてほしい。というかしてきてくれたからこそ少し残念である。ただ彼への信頼が揺らぐことはなく、この試合でも随所に素晴らしいプレーを披露。左側で使うよりやはり右の方が彼の良さは活きるように感じた試合だった。
ペドロ・ネト 7.0
終始走り続けてきつい時は単騎で相手陣を駆け抜けていく姿は非常に心強い。得点に繋がるコーナーキックやカゼミロのイエローカードに繋がるシーンでは彼の良さが存分に出ていた。一本惜しいシュートシーンもあり、右左関係なく活躍できることを証明。プレミア屈指のウイングとして加入した今期、スタメン奪取も射程圏内か。
ニコラス・ジャクソン 6.5
安定したポストプレーはもはや十八番。ただこの試合はそれ以上の活躍はなく、ゴール前のポジションどりでも全てマイナス気味とストライカーとしていてほしい場所にはいてくれなかった。この試合のようにカウンターではなくサイドからの崩しとなった場合はやはりエンクンクの方がハマると感じてしまうパフォーマンス。ただ、前線からのプレスは流石の一言。スタメンは確定なので、今後はクロスからの得点が増えればもっとゴール量産する姿も想像できるので期待したい。
まとめ
10年勝利のないオールドトラッフォードでの試合。そう考えれば引き分けは悪くない結果だったと言える。試合内容としては負けていてもおかしくなかっただけに引き分けは及第点だ。この試合では決定的なチャンスを多く作ることができなかった点は課題だが、明確にサイドを崩せなかったことは明らかで選手交代後もそれは変わらなかった。出場するメンバーが固定してきたからこそ大きな変化を生み出すことができるのがパーマー1人だとやはり苦しいか。この試合もカゼミロとウガルテが交互に見る形で比較的に消されていた印象。おまけにマドゥエケもマズラウィに消され、攻撃の糸口を見つけることができなかった。後半のククレジャの偽SBも結果あまりハマらず、大きな違いを生み出すことができなかった。マレスカ監督としてはリーグも10戦終わり、対策されてきている印象。今後違いを生むのがパーマーだけでは勝ちきれない試合も出てくることが考えられるため、次の策に注目しておきたい。