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【私的感想】vsリヴァプール プレミアリーグ第8節 10月21日

10月21日に行われたプレミアリーグ第8節のリヴァプール戦のマッチレビューをしていきます。


スコア:CHE(1)-LIV(2)

得点者CHE:ジャクソン
得点者NOF:サラー、ジョーンズ
お互いに今シーズンから新監督を迎え、その中でも好調を維持しているチーム同士の対戦。新監督も就任早々、持ち味を発揮しており、将来的には名将の仲間入りをする可能性の高い2人の初対戦となった。
試合はチェルシーがボールを握る展開が多かったものの、中央は固く締めていたリヴァプール。そのため、シュートチャンスはカウンターを仕掛けていたリヴァプールの方が多く、お互いが持ち味を発揮した試合展開となった。

MOM:カイセド(CHE)・カーティス・ジョーンズ(LIV)

この試合のMOMはカーティス・ジョーンズで間違いないだろう。
守備では、チェルシーの中心であるパーマーにほぼマンツーマンで対応し、ほとんど仕事をさせない活躍。攻撃ではゴール前への飛び出しの機会も多く、PK奪取にゴールも記録。攻守に顔を出し、試合全体に関与していた。
チェルシー側では、カイセドを挙げたい。1アシストを記録したことはもちろん、圧倒的な守備範囲でリヴァプールのカウンターを防ぐ場面も多かった。さらにはビルドアップでもラヴィアとともに出口としての役割をこなし、リヴァプールのハイプレスに対しても難なく対応。この試合ビルドアップで苦労する場面はほとんどなかった。

1点目:モハメド・サラー(LIV) PK

PKダッシュの場面では、この試合の鍵となったサラーのポストプレーを狙ったコナテからのロングフィード。そこがサラーには合わず、流れたところをジョタとコルウィルが競り合い、コルウィルがクリアに成功するものの、クリアは短く、ここでセカンドボールを拾ったのがカーティスジョーンズ。
ボールを運びサイドに開いたサラーに預けると、ギュストとの1体1の場面。
カットインからのシュートがジョーンズに当たり、これが運悪くジョーンズの足元にボールがこぼれる。そのボールをコルウィルが突こうとしたところジョーンズに足が当たってしまい、PKの判定に。
このPKはサラーが落ち着いて蹴り込み先制。
コルウィルの反応から見ても少し厳しい判定のようにも思えるが、映像を見ても確かに印象は悪いため、不運にボールがこぼれたこと、その前のクリアをもっとはっきりしたものにできていればと悔やむところだ。

2点目:ニコラス・ジャクソン(CHE)

ディフェンスラインでボールを回し、今日は左サイドバックに入っていたギュストにボールが入る。ククレジャではなく、ギュストだったからこその動きで中にカットイン。リヴァプールはプレス時に3トップとショボスライを前に出しはめる形をとっていたこと、パーマーが右脇に降りてボールをもらいに行くことからジョーンズもそっち側に釣られたポジショニングをしており、中央のスペースでカイセドがフリーとなり、そこにパスが入る。
カイセドがワンタッチで前を向き、すぐさまジャクソンが裏に抜け出す。
その動きを読み、ダイクがCB間のパスコースを切りに動いたところの裏をカイセドがつき、スルーパス。ジャクソンがそのまま抜け出しGKとの1体1を冷静にゴールに沈めた。
一時はオフサイド判定になったが、VARの結果、コナテの足が残っており、ゴール判定に。
後半開始早々にチェルシーが同点に追いついた。

3点目:カーティス・ジョーンズ(LIV)

ダイクからの縦パスをショボスライが受ける。この試合、アーノルドが内側にポジションを取ることでチェルシー守備陣のマークが間に合わないシーンがいくつか見受けられた。相手CBをジャクソンとパーマーで見ることで相手中盤3枚➕アーノルドとなり、カイセドとラヴィアがボールサイドにいる2人を見る形が多く、その結果、ボールと逆サイドに開きながら受けるこのシーンだとショボスライが簡単に前を向くことができていた。ボールを受けたショボスライはそのまま簡単にサイドに張っていたサラーにボールを預ける。
この時守備陣の頭にはサラーの仕掛けがイメージとして大きくあったことは確かだろう。ただサラーはすぐカットイン。中央にはオフサイドポジションにいたヌニェスに気を取られる形となりラインを揃える。ただここで3列目のポジションからジョーンズが抜け出しに成功。冷静にトラップしてゴールに流し込んだ。
この場面、ラインを気にしてポジションを上げたジェームズの判断は仕方ないが、ずっとボールウォッチャーになっていたアダラビオヨは厳しく批判したい。クロス前に一度でも首を振ってジョーンズを確認できていればついていけた可能性があり、その場合抜け出されていてもトラップをする余裕は与えずにもしかしたらゴールにはなっていなかった可能性もある。
チェルシーとしては、得点直後のプレーだったこともあり、この試合の勝敗を分けたシーンで間違いないだろう。

各選手の評価(10点満点)

ロベルト・サンチェス 6.0

セーブもあったものの、ビルドアップでの不安は残ったまま。
ヨルゲンセンは目立ったミスがない状況なので、ビッグセーブができないといずれはスタメンから落ちることになるだろう。

リース・ジェイムズ 7.0

待望の今シーズン初出場。パフォーマンスはやはり圧倒的であり、今シーズン好調のガクポも目立った仕事はさせなかった。ビルドアップでも持ち前の失わない力と安定したパスを披露。さらにはギュストと違い、アーリークロスを上げる場面も何度か見られた。マレスカのサッカーではウイングが最後にはアタッキングポジションに入ってくることを求められているため、ジェームズのクロスからの得点はいずれ起きるだろう。
あとはコンディションを整えて、90分フルで出場できる状態に戻って欲しい。

トシン・アダラビオヨ 5.5

先述の通り、個人的には失点シーンの対応はやはりスタメンのレベルにするには危うさを感じてしまった。出場停止だったフォファナに比べ、ビルドアップ時は安定感があるものの、1番に求められる部分はやはりディフェンス面。そこでの対応は今後の改善に期待したい。

リーヴァイ・コルウィル 6.0

この試合は目立った楔のパスもなく、PKも献上してしまった。
ユースあがりというフィルターもあることは理解しているが、彼の成長は絶対に待つべきな逸材。今後も期待だ。

マロ・ギュスト 6.0

ククレジャの出場停止を受けて、予想通り左SBでの出場となった。ラヴィアも出場していたため、偽SB時はトップ下に入り、攻撃にもよく顔を出していた。難しいが、リヴァプールのビルドアップの緒となってしまったサラーのポストプレーへの対応はほとんど手も足も出なかった。相手ウイングに同じようなタイプがいるチームは少ないが、1つ大きな経験として今後の成長に期待したい。

モイセス・カイセド 7.5

相変わらず圧巻のパフォーマンスを披露。もはや言うことはない。
ラヴィアが入ったこともあり、少し前目でのプレーも見えた。彼が前から潰しに行けると全盛期のカンテのような立ち回りでショートカウンターの機会も増えそうだ。

ロメオ・ラヴィア 7.0

この試合は中盤の底で出場。若さを感じさせない落ち着いたプレーでリヴァプールのプレスを難なく回避し続けた。パスでの回避だけでなく、個人で持ち運べる点も非常に魅力的だ。前半はいつものエンソの役割をしており、その際の攻撃性能は今後磨いていきたい。特にこの試合、サンチョで詰まってしまう場面が多く、フォロー側としてはもっとできることを増やしてほしい。

ノニ・マドゥエケ 7.0

ロバートソンを難なくぶち抜くシーンもあり、チャンスを創出。ただ、いつもよりは少しおとなしく、マークも厳しくなってきた印象を受ける。守備でもしっかり戻ることができ、この試合リヴァプールの両SBの攻撃シーンはほとんど見られず、うまく相手の長所を消していた。

コール・パーマー 6.5

少し厳しいかもしれないが、今後はこのように徹底的に対策されることを考えるとこのパフォーマンスでは物足りないと感じてしまうほどの才能を知っている。降りてきてボールを受ける機会が多く、前を向いてのシーンはほとんどなかった。このレベル相手に違いを見せることができるようになってくればバロンドールレベルにたどり着くだろう。

ジェイドン・サンチョ 5.5

ディフェンスが得意ではないアーノルド相手にこの試合は何もできなかった。大きな欠点は自身でクロスやシュートの選択肢が見えないこと。ドリブルで運ぶことはできるが、運ぶだけで狭くなり選択肢がなくなって戻すの繰り返しになっていた。足を出してくれる相手は抜くことができるが、ずっと引かれるとぶち抜く能力には欠ける。この試合はベンチ外となっていたムドリクだったらと考えてしまうほどに加入後最低のパフォーマンスとなってしまった。

ニコラス・ジャクソン 7.5

少ないチャンスを決め切れる決定力を身につけたストライカーは自信を持って補強はいらないことを示してくれている。相変わらずダイクに競り勝つレベルまではまだ辿り着けてはいないが、コナテに対しては得意としているのか基本コナテ側にポジションをとっていた。今期のチェルシーでは唯一の裏抜けができるフォワードでもあり、この試合も何度か裏に抜け出しシュートまで持って行くシーンを披露。エンクンクも結果を残してはいるが、スタメンはジャクソンで確定と言えるパフォーマンスだった。

まとめ

ここで勝てれば首位争いの仲間入りができていただけに少し悔しい結果となってしまったが、収穫は十分にあり、勝負ができるレベルに来ていることを証明した。マレスカ監督の修正力や判断の速さはさすがであり、スロットも同様で対応が早い監督同士の試合で拮抗した展開となった。チェルシーとしては、やはり同点後にすぐ失点をしてしまったことが何より悔やまれる。出場停止や怪我でのプレータイム制限があったこともあり、最終的には試合を変えれる選手はおらず、チャンスも少なかった。
エンクンクのサイド起用は今後はやめて、パーマーをサイドに出す起用の方がチームとしてボールは回ると思うので、今後のエンクンクとジャクソンの併用起用のシーンでは注目していきたい。
とはいえ、ここからリーグ戦も厳しい相手が続くので上位陣に離されないようにしっかりついていきたい。

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