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【私的感想】vsエヴァートン プレミアリーグ第17節 12月23日
12月23日に行われたプレミアリーグ第17節のエヴァートン戦のマッチレビューをしていきます。
スコア:CHE(0)-EVE(0)
得点者CHE:なし
得点者EVE:なし
今シーズンダイチの元で堅守を誇っているエヴァートンと得点数1位のチェルシーの対決でしたが、スコアレスドローに終わった。チェルシーとしては、得意のビルドアップからの崩しも、強風の影響もあり上手くいかず。エヴァートンの対策も素晴らしく、この試合エンソをアンカーで起用したことにより攻撃面ではウイングが孤立してしまう場面も多かった。
MOM:アダラビオヨ(CHE)
エヴァートンの攻撃パターンはやはりピックフォードからのロングフィードをカルヴァートルーウィンに当て、そのこぼれ球を拾って前進するというダイチならではの戦術だった。そのロングフィードに対してルーウィンと対峙していたのは主にアダラビオヨだった。空中戦の勝率も素晴らしく、相手の思う通りにはさせなかった。さらにはスーパーブロックも披露。勝ち点を持ち帰れるのはサンチェスとアダラビオヨ、コルウィルの力が大きかった。今シーズンは全線が注目される中、後ろのメンバーも力を証明した試合となった。
各選手の評価(10点満点)
ロベルト・サンチェス 8.0
この試合でもビッグセーブを披露。彼がいなければ2失点はしていた可能性があるほどで、クリーンシートに値するパフォーマンスだった。この試合は強風の影響もあり、無理につなぐシーンもなく、最近のパフォーマンスで改めて正守護神の座は譲らないという気持ちが見える。
アクセル・ディサシ 6.0
この試合は右SBとしての出場となったが、対峙するエンドイエにコテンパンにされた印象だ。ドリブル突破のあるウイング相手であれば正直勝てる見込みがないため、あまりSB起用は向いていないと感じる。
トシン・アダラビオヨ 8.0
失点を防ぐスーパーブロックを披露。あれだけでも素晴らしい評価だが、試合を通じてロングフィードを跳ね返し続けた。フォファナが離脱の期間でスタメンはアダラビオヨが一番手になりそうだ。最近はコルウィルを左に置き、CCBとしてプレーする機会も増えてきた。本人にとっては1番やりやすいポジションだと思うので、引き続き良いプレーを継続して欲しいところだ。
リーヴァイ・コルウィル 7.0
この試合でも対人能力や空中戦の強さを披露。昨シーズンに時より見られた集中力を欠くプレーは今シーズンはほとんど見られず、精神的にも大きく成長したことが見受けられる。彼がいれば守備は安心と言えるレベルまで成長して欲しいところだ。
マロ・ギュスト 6.0
この試合では左SBとして偽SBの役割を担うものの、大きな違いを生み出すことができずチームの攻撃が停滞した要因の一つになってしまった。ビルドアップ時はインサイドハーフの位置をとるも、ボールを引き出すことができず、ウイングに渡った時は裏への抜け出しはあってもそこからの展開はなく詰まってしまった印象。利き足ではないサイドだと守備の硬い相手にはリズム感が生まれにくく、利き足の重要性が改めて強調された。
モイセス・カイセド 6.0
この試合の彼は、いつもより目立つ場面が少なく、存在感が薄い試合になってしまった。横にエンソが来ることでビルドアップではエンソメインでボールが周り、彼の持ち味を出すことは少なかった。ディサシのサポートにも走り続けたこともあり、持ち味のルーズボールの場面に顔を出すことができなかった。
エンソ・フェルナンデス 7.0
この試合はアンカーでビルドアップに大きく関わる役割になった。もしかしたら強風の影響も考え、ビルドアップでのボールロストを避けるために、彼にその役割を与えたのかもしれない。彼だからこそあのコンディションでこれだけボールを動かせたことは間違いないだろう。また、後半の途中からはいつも通りのトップ下の位置に入るとフリーランを重ね、チャンスを創出。あの役割だとやはり彼が1番であることを証明した。ウイング陣が自由にボールを持って仕掛ける時に彼がいるのといないのでは攻撃に大きな違いを生む。
ペドロ・ネト 7.0
終始相手に対して仕掛ける姿勢と、守備への献身性はこの試合大きくチームに貢献した。攻撃面で決定的な仕事ができなかったことだけが惜しいところだが、守備面では大きく貢献。マドゥエケからのスタメン奪取は確定だろう。彼に限らず最近は右サイドが孤立する場面が多くなってきた。カイセドやパーマーのサポートの仕組みも考えていかなければならないだろう。
コール・パーマー 6.0
時より違いを見せるプレーを披露するも決定的な仕事はできずに終わった。チームの方針なのだろうが、サイドへのサポートが後ろ向きになってしまうことが多く、エンソのようにポケットをつくような飛び出しをもっとしてボックス内でボールを持つパーマーを見せていけると相手にとってはもっと脅威になれるのではないだろうか。ジャクソンとの関係性は相変わらず素晴らしくポストプレーから前を向いてボールを受けることも多いが、サイドに出した後のサポートの動きがもっとあればウイングも生きるのではないか。
ジェイドン・サンチョ 7.0
ギュストとの連携は今後構築が必要だろうが、彼自身はとても良いパフォーマンスだった。前半こそアシュリーヤングに苦戦をしていたが、後半は相手を完全に翻弄してみせた。エンソがトップ下に入るとより生き生きした姿を見せ、ゴールに迫った。
ニコラス・ジャクソン 7.0
時折見せるポストプレーからの繋ぎは素晴らしく、チームのオフェンスを一気に活性化させる力を持つ。あとは引かれた相手に対してのクロスへの飛び込み方を身につけていきたいところだ。最近のアーリークロスに合わせてゴールを取れるようになってくると本当に抑えられない選手になれる可能性を秘めているだけに、今シーズンのうちに身につけて欲しいところだ。
まとめ
強風の影響もあるが、ククレジャ1人を欠いただけでいつもの戦い方ができなくなってしまうのは今後においては非常に大きな課題になった。いつもならヴェイガをククレジャのポジションに置くかと思ったが、この試合ではディサシを起用し、ギュストを左に置いた。これにより攻撃が停滞し、守備面でも後手を踏んだのは見ていて明らかだった。戦術的な理由での采配ということはマレスカの今までを見れば明らかだが、就任後初めてと言っていいくらい采配が外れたと感じた。コンディションの問題や強風の問題などもあるかと思うが、今後の改善に期待したい。徐々に怪我人も出てきてしまった今、並べたいスタメンを並べられない時にいかに戦術で相手を追い込むことができるかマレスカの手腕が試されるところだ。いつもは完璧な修正を見せる指揮官に期待していきたい。