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【私的感想】vsアストンヴィラ プレミアリーグ第13節 12月1日

12月1日に行われたプレミアリーグ第13節のアストンヴィラ戦のマッチレビューをしていきます。


スコア:CHE(3)-AVL(0)

得点者CHE:ジャクソン、エンソフェルナンデス、パーマー
得点者AVL:なし
この試合ではエンソ、カイセド、ラヴィアを同時起用と試合が始まるまではどんなフォーメーションで来るのかいろんな予想がされた中、答えはカイセドの偽SBできた。このプランがハマることで一番運動量の多い偽SBを交代しながら回せるようになるので強度を90分保つことが可能になるため、今後においても非常に重要な一戦になった。試合はほぼマンツーマンでマークについたチェルシーがヴィラのビルドアップをほとんど完封。常に押し込んだ展開から3得点を奪い、完勝となった。

MOM:パーマー(CHE)

この試合のMOMを選ぶのは非常に難しかったが、結果を残した彼が一番ふさわしいと最終的には落ち着いた。この試合1ゴール1アシストとチームを牽引する活躍。終盤のスーパーゴールはこれぞコールパーマーというゴールでヴィラの息の根を完全にとめた。ライン間でボールをもらう技術とポジションの取り方は素晴らしく、そこからの玉離れも非常に早く、すぐウイングにつけるパスは見事。結果、ウイングからの1対1の機会が増え、相手にはストレスの多い展開を続けることができる。少しでもスペースを与えればミドルもあり、さらには守備のタスクもしっかりこなすあたり、弱点が見当たらない。

1点目:ニコラス・ジャクソン(CHE)

ネトのクロスの跳ね返りをラヴィアが繋ごうとするもこれもクリア。こぼれ球を拾ったフィロジンがトラップしたところをククレジャが猛烈なプレスでカット。これをサンチョが拾い、そのままオーバーラップをしていたククレジャへパス。ククレジャのクロスはディフェンスに当たるも、ジャクソンの足元に。これをジャクソンが左足を振り抜き先制に成功した。
まずはククレジャの守備。明らかに1人だけトラップした後のボールを狙うため動き出すタイミングが違った。これが彼の最大の良い点でボールがフィフティーの段階で距離を縮める守備は一級品だ。ここからボールを受けたサンチョも数的優位となれば必ず味方を生かす判断力はさすが。最後にこれを決め切れるようになったジャクソン。時間帯も相まって非常に良い入りができた。

2点目:エンソ・フェルナンデス(CHE)

中央でコルウィルがボールを持つと、真ん中ジャクソンへ楔のパス。これをジャクソンが収めることはできなかったが、こぼれ球に反応できる位置にラヴィアとカイセド。2人でボールを回収し、カイセドからエンソへ。ダイレクトでエンソがパーマーへパスを出し、ジャクソンと同時に裏抜けの動きだし。パーマーはここで足元へのパスを選択しエンソがトラップから右足を振り抜き追加点。
この場面では楔のパスを出せるコルウィルの特徴、楔を受けるポストプレーの受け方が上手なジャクソン、ボール回収能力の高いラヴィアとカイセドがダブルボランチの位置に入る意味、エンソとパーマーがシャドーの位置に入ることで狭いスペースでも正確なトラップとパスでチャンスクリエイトができる能力と全てにおいてマレスカの采配が的中したゴールに感じた。

3点目:コール・パーマー(CHE)

フリーキックからショートパスでマドゥエケにつなぎ、マドゥエケの仕掛けがスタート。これに相手が気を取られている間にバイタルエリアに顔を出したパーマーへパスが通る。左足を振り抜き試合を決定づける3点目となった。これがコール・パーマー。

各選手の評価(10点満点)

ロベルト・サンチェス 7.0

ビルドアップ面では相変わらず完璧ではなかったものの、今日のシュートストップを見せられるとスタメンから降ろす勇気が少しなくなるようなパフォーマンス。ヨルゲンセンのパフォーマンスを受けて良い影響が与えられている印象があり、チームとしてはとても良い状態だ。彼のセーブがなければまた違った試合展開になっていた可能性もある。

ウェズレイ・フォファナ 7.0

ワトキンス相手にほぼ仕事をさせないプレーぶり。彼の対人性能でワトキンスを抑えられると考えたからこそできたシステムでしっかり仕事をこなした。だからこそ彼の怪我は不安だ。今シーズン素晴らしいプレーをしていただけに代えのきかない存在になりつつあった彼の代えは誰が務めるのか、ビッグクラブとの試合がないので少し安心だが、逆にパワープレイ対策で彼の高さがなくなるのは不安材料だ。

リーヴァイ・コルウィル 7.0

この試合ではロジャースへのマンマークがタスクとして与えられたが見事に完封。ヴィラのキーマンになりうるロジャースが前を向いた形でボールを持つ機会はほとんどなく完璧にタスクをこなした。攻撃面では相変わらず安定したパス供給を披露。クリーンシートに貢献した。

モイセス・カイセド 8.0

偽SBとして初めての出場だったが、完璧にタスクをこなした。彼とラヴィアがフリーマンになることでどんな局面でもプラスワンで対応ができたことが何より大きい。マンツーでつくには勿体無い選手なのでマンツーのシステムの時は彼をフリーマンにする選択肢を今後も使うと考えられる。システム理解度の高さと試合でも無理の効く動きは本当に欠かせない選手になってしまった印象。

マルク・ククレジャ 8.0

先制点につながるカットもさることながら対人では負けることなく試合終了。クロス対応も選択を間違えることなく常にセーフティな対応を披露。アスピリクエタを思わせる選手になってきた。彼がミスをするとは思えず、ここまで安心して見ていられる選手もなかなかいない。守備面においては世界最高の左SBと言っても間違いないだろう。

ロメオ・ラヴィア 7.0

中盤の底で試合をコントロールしつつ、プレス時には必要な場所に顔を出し、相手をシャットアウト。カイセドの動きに合わせたポジショニングで気の利いたプレーを披露。ビルドアップ時は苦しい時は自身で運ぶこともでき、チームとしての選択肢を増やすことも可能。ただパスを回すだけでなくスペースへのパスも精度が上がってきており、さらなる成長が期待される。エンソとカイセドだけでも強固な上にさらに彼がいると中盤で負けることが考えにくいため、チームとして大崩れしない要因になっている。

エンソ・フェルナンデス 9.0

相変わらずの運動量でポケットへの侵入を繰り返し、守備では身体を張ってボールを奪い切る能力まで披露。さらにはゴールまで決めてみせ、最近の好調ぶりを継続して披露してみせた。以前はボールを動かす役割中心だったが、最近のように動き回りながらゲームメイクやフィニッシュと全てに顔を出すスタイルが彼には合っていると思わせるほど定着してきた。マレスカのシステムだとロングボールを多用しないため、底で使うよりも今の位置が合う。この運動量の選手が中盤に2人もいたら強いですよね。彼ら2人とも本当に安い買い物でしたね。

ペドロ・ネト 7.0

ゴールに直接絡むことはなかったが、攻守にインテンシティの高いプレーを披露。結果プレスのスタートはネトのパウトーレスへのプレスになっていたのは明白で、ヴィラはそこから崩れた。後半マドゥエケになったことでプレスのかけ方が上手なことに気づいた人は少なくないだろう。攻撃面では1対1で相手を翻弄。確実にクロスへ繋げるだけでなく精度の高いクロスを何度も上げてきた。今後彼のクロスに合わせる練習が必要になりそうだが、大きな武器になってきた。パフォーマンスにもムラがなく、マドゥエケからスタメンを奪取したように感じる。

コール・パーマー 9.0

最近彼の凄さを実感することが減ってきていただけにやっぱこれだなと思わせるパフォーマンスを披露。ライン間でボールをもらえるチーム相手だとほぼやりたい放題。彼の良さはチームのリズムを崩さず持ち過ぎないところであくまでチームの一部という感じにプレーができること。その上でとんでもないプレーをできるので見ていて楽しい選手。得点王かアシスト王のいずれかを取ってもっとスペシャルな選手になってほしい。

ジェイドン・サンチョ 7.0

カンファレンスリーグからの連続スタメンはマレスカ監督の中では珍しい選択だと感じたが、監督の中では彼がファーストチョイスだということとそれを証明するパフォーマンスを披露した。左サイドでボールをもらうと相手ペナルティエリア内まではほぼ間違いなく侵入可能。ディフェンスとしては突っ込めないボールの持ち方をすることで引くことしかできず、チャンスを作り放題。ここにエンソがポケットに走り込むことで選択肢も多い状態を常に演出。その上でこの試合はシュートへの意識が強く感じ、実際にシュートを打つ場面が多く見られた。彼に足りないのは彼自身に得点の匂いがしなかったことだったので改善が見られたのは大きな進歩だ。これに結果がついてきたらもう止められない選手になるだろう。

ニコラス・ジャクソン 7.0

先制点を決める活躍。欲を言えばもう1点は取れただろうと思えるほど相手の脅威になり続けた。守備でもプレスの掛け方が上手で常にコースを切りながら寄せるため、相手のミスを誘いやすい。現に一つビッグチャンスもあったがこれはマルティネスの見事なリカバリーでゴールにはならなかった。カウンター向きの選手だったが、最近の押し込む展開でもしっかり結果が残せるようになり、徐々に万能ストライカーへの道を進みつつある。毎試合成長する姿を観れるのは楽しみで仕方ない。

まとめ

レスター戦とはまたフォーメーションを変更し、選手の配置も変えた中でしっかり勝利を掴み取るマレスカ監督。試合を見ながら意図が明確に理解できる展開でファンとしてもコンテやトゥヘル以来の戦術家の指揮官に興奮気味である。さらにマレスカが語っていたようにファーストチョイスはエンソとカイセド、ラヴィアを同時に起用することの意味が少しずつ明らかになってきたように感じる。強豪との試合が一段落したことで色々な配置やシステムを相手に合わせて試している印象を受ける。その中で勝ち切れるサッカーをしていることもそうだが、選手のコンディションやモチベーションもうまく保っている点が見受けられ、安心して見ていられる監督だ。フォファナの怪我から今後チームがどう対応していくのか、これから試合も増えるため、怪我やアクシデントの対応も注目していきたい。今の所マレスカ監督はスロットが上手くいきすぎていて注目されていないかもしれないがとんでもないことをしていると感じる。いよいよ2030年計画も動き出したチェルシー。今年トップ4フィニッシュができるか、この試練を乗り越えることができれば輝く瞬間は思ったより先ではないかもしれない。

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