リアルファイティング「はじめの一歩」感想
「回転式リングの見事さ」「うまくまとめた脚本」「キャストの演技」どれも満足度の高いものでした。
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どうもせきもとです。
2月の頭くらいにリアルファイティングみてきました。
まとめるのが遅れてたらもう公演が終わっちゃっててやや出遅れた感ありますが、せっかくなのでまとめます。
見てて感心したところ
◆回転式リンクの秀逸さ
なにより感心したのは、部隊中央に設置されたリングの設計です。
まず、リングの2隅だけポールを立てる事で、リング感を担保しつつ、視界を遮らない事を両立
(当然ながらロープはありません)
そしてこのリングが回転します。
この機能がこの舞台の要であるボクシングシーンの魅力を増幅して伝える効果を発揮していました。
ボクシングを舞台化するにあたって、以下の制約を意識しないといけません。
・試合ではボクサーは最大2人しか配置できない
・対峙するシーンでは、2人が密着して、リングの一箇所に固まってしまう
・刀やラケットなど、小道具が使えない
・身一つで対戦シーンに差をつけるしかない
といった部分があります。
また、座席によっては選手の背中だけしか見えないパターンもあります。
約3時間の間に5,6試合以上盛り込む舞台ではこの制約がかなり足を引っ張ります。
そこでリングが回転するギミックが活きてきます。
回転させることで、選手のアクションに変化があったように見せたり、攻守逆転感を演出したり、カメラワークを変えて変化を加えるのと同様の効果が期待できるようになってました。
回転自体は他の舞台でもやられてる良くある方法なのかもしれませんが、特にボクシングという題材を扱う中では最適なのではと感じました。
最初に見たときはかなりシンプルで品質は大丈夫かな?と思ったのですが、そんな感想は無くなりました。
◆脚本の秀逸さ
3時間で約30巻分のストーリーをうまくまとめてあると感じました。
一歩の話を中心にする、と割り切って構成してありました。
はじめの一歩自体、青木・木村や鷹村などギャグ要素を強く持ってるメインキャラがいるので、ここを使って話を短縮できてました。
観客が抵抗を感じない程度にメタネタなどいれたり、ナレーションで済ませたりと、うまくやってたと思います。
とはいえ、鷹村の強さや青木・木村の試合なども取り扱う事で、単なる脇キャラではなくボクサーとしても活きたキャラとして扱う事に努力しているのが見えます。
◆ハードなトレーニングが伝わる役者さんの身体と動き
皆様言うまでもなく身体の完成度が高くて良かったです。
私はフィットボクシングをやってるので、スパーリングをベースにしたパフォーマンスや実際の試合シーンなどどの程度負荷が高いか想像できる部分があり、尊敬の念で見てました。
汗の具合も動きの激しさを物語ってました。
その中でも、一歩役は毎回ハードな舞台をこなしているため、筋肉がキレてて一番身体ができているのは見事でした。
激しく動いても一人だけほとんど汗をかいてないところが恐ろしかったです。
◆ダウンを堪える演技が見事
身体はもちろんなんですが、ダウンしそうになるのを耐える演技です。
ボクシングは倒れたらダウンを取られるスポーツなので、派手に転ぶなどできません。
上体を後ろに反らしつつ、重心をコントールして耐えたり、膝から崩れ落ちそうになりながらギリギリ耐えるところなど、ハラハラしながら見守りました。
当然ながら皆様しっかり耐えきってました!
最後に
2.5次元舞台は、テニミュに始まり、映像では見てたんですが、実際にみるのは今回が初めてでした。
ボクシングを舞台にするのって、どうなんだろ?と思ってたんですがとても満足度の高いものでした。第2弾があるなら見てみたいと思いました。