そこにある幸せ
普段何気なくできている、というのは幸せなことだ。
半身不随というこの身としては服を着る、脱ぐと言った普通の行為も大変である。
片手で着替えてみてと言いたいが動かないと動かさないというのは全く違っているからなかなかわからないところもあるだろう。
私も看護師の免許を持っているから障害者の対応は勉強していたが実際なってみないと本当の大変さを理解できていなかった様に今となってはそう感じる。
更衣に関しては着る時には患側から脱ぐ時には健側からというのが基本でこれは介助の時も自分で行うときもだから今でもそれに沿って行っている。
で、自分で着るのだがまず、患側にそでを通すというのが大変である。習った様にするのだが反対向きに着たり捏ねくり回しているうちに裏返しになったりとしている。
最近は寒くなったので上着を羽織るのだがこれも結構大変で、取り敢えず基本通り袖に手を通すのだが寒いから前はきちんと留めたいのだがボタンにしてもある程度の大きさがないと片手で留めるのは難しいしファスナーに至っては最初の止めることがこれまた片手では難しい。またできたとしてもファスナーを上げるのも難しい。いざ上げようとするとせっかく留めたところが外れてしまう。
同じ失敗を繰り返して留めるのを諦める。
それ以外にもワイシャツは前はボタンは留めることはできるができないのが健側の袖のボタンだ。これはどう足掻いてもできないし先に留めてから着るのも構造上できないし脱ぐときも同様だ。
下、ズボンなどは上着ほどの苦労はないがベルトは片手で締めるのは難しい。だからズボンが直ぐにズレてしまってその度に上げ直すのだが片手なのもあり片方しか掴んであげることしかできないから腰のところが掴みすぎてからか穴が空いてしまう。
こんな感じで着る物も結構な制限を受けてしまっている。
幸せというのは直ぐそこにあってそれに気づくのは無くしてからなんだなぁ。