デジタルトランスフォーメーションの神髄は捨てることである。 DX18 大事なのは儲けること

デジタルトランスフォーメーションとデジタライゼーションの鮮やかな区別をすることで終わらせてはなりません。やるべきは儲けることであり、それ以外の本質はありません。

生きるか死ぬかのときに、生き残るのがストリートスマートであり、困難なものはブックスマートです。

1997年からネットネットフリックスは創業し、DVDを使いあの巨大な戦艦ヤマトのごときブロックバスターと対抗するのです。

もし、ブロックバスターと同様王道即ち、新作を大量に貸すビジネスモデルを作り上げていたら、今のネットフリックスは存在しません。

ここに書いていることはブックスマートであり、しょせん大資本には勝てないルールなのです。本に書いていることを文字通り受け止めて、大きく考える人は必ず負けます。なぜなら、必死で勝とうとしていないからです。自分に酔っている人は必ず負けます。

1997年当時彼らが勝とうとしたシナリオは、デジタルトランスフォーメーションではないのです。クラウドですらないのです。DVDの貸与の回転を如何に加速させるかだけに集中したはずです。ブロックバスターと既存のレンタル会社との違いは何かを真剣に考えたはずです。

大店舗vsネット店舗

この構図見たことありませんか。それは、アマゾンとウォルマートです。でかいウォルマートとアマゾンが戦っても絶対勝てるはずはありません。

そんな中で、デジタライゼーションとデジタルトランスフォーメーションを考えていたはずはありません。まずは本を選びました。腐らない。しかも多様な本がある。売れ筋の本だけではなくロングテールで売ることを考える。つまり、ウォルマートは売れ筋の本を安く売って儲ける場合、アマゾンはそれ以外のところで勝負するわけです。この手法をボスコンやマッキンゼーが考えたり提案するとは思えません。本もありません。本にない答えこそが、ストリートスマートであり、勝ち上がるストリートスマートです。

ネットフリックスは、新作以外の在庫DVDをどのように回すかだけに集中したはずです。ウェブサイトは何度も書き直せます。巨大戦艦のオペレーションを回すよりはるかに楽に旧作の紹介をしていったはずです。新作はないけれど、こんな商品がありますと出てくれば、借りたい人がでてくるはずです。過去何を借りたかを記録しておけば、サジェスチョンするか否かは別として他の類似品を借りてもらうこともできます。2000年からレコメンドにしていることから、その意識をずっと持っていたはずです。ちなみに1998年は安く貸す、1999年にようやく借り放題のサブクリモデルにしております。最初からストリームを描いたわけではなく、1年後から大きい会社と戦うのをやめて旧作の回転数で勝負したのです。もし、1998年と同じモデルで戦っていたら、必ず負けてしまいます。

大手がやっていることを真似てはなりません。大手がいたら必ず負けるとは限りません。何で勝負をかけるかそれだけです。つまり、大手がやっていることの何かを捨てて、大手がまねできないこと(例えばブロックバスターと戦うときには、新作と店を持つことをすてている)をやるべきです。

もう少し言えば、ブックスマートがいうこと、大手のコンサルがいうことと逆のことをやる。そうした戦いをやることが一番強いです。

結論は、DXの一番の要諦は、何を捨てるかであり、そのために大手がやっていることを捨てて、ブックスマートが提案する戦略を無視する(逆行すること)です。

このブックスマートが提案する戦略を無視する(逆行する)例は、スターバックスコーヒーです。もし、シュルツが、並みの経営者であれば、早く飲めて、回転しやすい作りにして、立地が良い場所にコーヒー屋さんを作り、できるだけ安いコーヒーになるように模索するはずです。答えは逆でしたよね。サードプレイスがこの世の中に必要であると認識し、ゆったりした場所で美味しいコーヒーを高単価で売っていきました。当たり前を疑い、皆がやらないことをやり続けたから、勝てたのです。

その意味で勝つこと、それは諦めることから入ると認識しました。勿論、デジタライゼーションとデジタルトランスフォーメーションはフレームワークとしては役に立つのですが、勝つためのシナリオとして考えると、武器の一つであり目的にはならないです。

ちなみに、アップルは、ハードウェアを捨てませんでしたね。これは、マイクロソフトと比べて、批判されるはずのことだったはずです。つまり、批判を恐れず、コンサルがいうことを無視して自分の強みを深化させること、これが一番大切ですね。


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