リスクコミュニケーションと個人情報保護法(公表するべきか否か問題)


プライバシーなどの権利は、どうして必要か。国家権力により利用され、個人の権利が著しく害されたから、それを守るためにプライバシーが守られるべきと考えるのが通常であろう。ナチスのユダヤ人であるという情報は特に分かりやすい。

GDPR形成の一つの要因は、国家の権力から、個人の情報をフラクタルにすることで分散させ、権力者に著しく害されないようにすることと想像している。国家からもっと強いジャイアントが出てきている。GAFAは、如何ともしがたい我々に不可欠であり、かつ、抗しがたい存在だ。そこに我々が公的存在を介在させて、個人情報を守る意識がある。

公的存在及び我々の存在を脅かす、コロナの出現によって、個人情報の存在が揺らいでいる。

台湾は、公的存在が表に出ることで、コロナ患者の外出その他の規制を禁止し罰則等を課している。これに対して、日本は、大衆がリンチをかけること、つまり、同調圧によって、コロナ患者に危害を加え、外出をさせないようにする仕組みを作る。

コロナ患者が違反するリスクは、法的には日本の方がゆるゆるだ。しかし、個人情報は無法者によりさらされる。台湾は、違反者は氏名を開示され、300万程度の罰金もかされる。法治国家としては、どちらが正しいのだろうか。

無法者が、正義を振りかざすときほど怖いものはない。この状況下で、リスクコミュニケーションを言及すると、無法者からさされても、特に痛くない状況にすることが大事だ。

小さい企業の場合、隠ぺい等しても、小さい関連者しかいないので、特に問題は少ないかもしれない(但し、影響が少ない場合に限る)。これに対して、大きな企業はそうもいかない。不開示が隠ぺいとしてとらえられ、さらなる隠ぺいが疑われる。これが同調国家の対応といってよい。

企業は、状況説明と経緯、それから今後の対策を書いておけばよい。そして、影響度(つまり、B2CとB2Bで対応は異なる)によって、マスメディアまで説明するか決めるべきだ。

大切なのは、メンバーの不安を鎮めるために、説明を怠らないことだ。そのためのリモートワークであろう。

いいなと思ったら応援しよう!

角田進二 sumida shinji
スキ、その他の行為は、元気玉として有効利用させていただきます。皆様のお力を少しでも世の中の改善に使わせていただきます。