リアルのオンボード(入社通過儀礼) DX27 カルチャーづくり

人は自律的に物事に取り組みたいと心では思っている。しかし、クリエイティビティが高い人だけではないので、実際にはやり方は他の人が作ってくれて、それを仕様書を見ながらプラモデルのように組み立てる人の方が多い。

実際には、仕様書のプラモデルをちゃんと組み立てることができる人は少なくて、そこで優劣が決まることが多い。そうした人のことをリニアな人間と呼ぶ。

彼らの好みは、締め切りを自由にすることである。締め切りの自由を想像性と述べる。

これに対して、クリエイティビティの塊は、枠があることそれ自体を良しとしない。少数派である。

今回は、リニアな人を中心にオンボーディングを組み立てる。

1.組織のロードマップを示せ

「組織とは」から、思考を深めてもらうことが大事だ。なぜなら、思想がマニュアルの不全を補うからだ。マニュアルは作れば作るほど、思考をうばい、本能によって思考しない人間を生み出す。とはいえ、マニュアルを否定すると、迷う人が続出して、80%の脳をその迷いに費消してしまう。脳の使うべきところは、重要と言われるところに創意工夫をすべきところであり、迷いばかりを生むマニュアル無しは組織として機能しにくい。

会社の定義から本来的に入るべきで、会社は儲けるからサステイナブルになる。儲けるとは、顧客に儲けてもらうということであり、もし儲けてもらう結果がないならば、その事業・ビジネスは合理的な根拠を持たない。

儲けるというのは、売却益ーコストでプラスにになることで、常に顧客に儲けてもらうことを考える。100%儲けてもらうというよりも、統計上儲けやすい状況になるようにシステムを作ることだ。

例えば、日経新聞は過去社会人のコミュニケーションコストを減らし、円滑にビジネスをするための必須な読解スキルとされてきた。それを読むことで読者は儲けるチャンスを得ることができた。読者にとってチャンスを貰い、儲けることができるから、アディクション(中毒)になる。

とすれば、アディクションしやすいビジネスの方が好ましいが、しかし、それが継続可能性が高いものである必要がある。社会、顧客、個人すべてにおいての継続可能性を考える必要がある。

反社の場合、許容できない。顧客とは個人の総体であり、それぞれの主要メンバーが良しと思わない限り、継続可能性はない。

それらを思いやって、ビジネスを作ることを考えないと、マニュアルにそったサービスはベクトル的に合わないのと、浅いサービスしかできない。同様にマニュアルを変更できない。

オンボーディングは、思想を埋め込む場所であり、そして、思想が異なる場合にはじき出される場である。

2.情報は多い方がよい

情報過多になり、オーバーロードするのではないかということを懸念する人がいる。実際には初速が大事であり、初速をゆっくりすると、1年後に早めるインセンティブ設計は難しい。早くすること自体、損をする、又は裏切られたと感じてしまうからだ。

全体マップを最初に渡さないで、目の前のことだけをすると、人間は疑うことをせず、かつ、自分を疑わず、相手を疑う構造になる。全体感を説明できないと、相手の立場を理解せず、コミュニケーションが一方的になる。

初速にわずかでも記憶に残していたら、経営層、先輩方は引き出しがどの程度あるかは理解し、それを聞けるという要素もある。

個別に渡してしまうと、先輩方は無限に引き出しがあると勘違いをしたりするので、難しい。又は、聞きにくい状況を作るよりも、最初に示しておいて、何度も繰り返す方が良い。

3.期待値を低く持っておいてよい

期待値を高めに設定してしまうと、心理的な安全性が確保できない。完璧主義を育てると組織は壊れやすくなる。完璧よりも大事なことがある。それは徹底的にパクる技術を身に着けることだ。

徹底的にパクるの意味は、自分の思想、好みを一旦置いて、とにかく一旦その会社などで評価される人の技術をパクることが早い。イメージ的には守破離のうち、守をとにかくやってみる。

パクるというのは、知る、理解する、実行する、できる、習慣化するの各ステップを実践することだ。先行事例があれば短期で身に着けることができる。勿論、新しいやり方を見せつけるのは良いが、勝負所でやるべきで、もし自分のやり方をそのまま披露してしまうと、うまく行かない場合も多い(完璧主義の弊害)。

先輩その他からは色々言われる。それは良いこと。なぜなら期待値が少ない中で、できるように引き上げようとするプロセスだからだ。

これを実行の段階で長く自分の時間に費消させていくと、PCDAのプロセスの高回転を回すことができず結果的にフィードバックが少なくなる。

情報をとにかく多めにとり、期待値が少ないうちに会社の全体像を掴む。聞きやすい状況を利用し、少なくても聞くことができる環境を維持するように努める。それが、後々に働きやすい環境を作ることになる。

顧客、他のメンバー、経営陣すべての思想を理解し、すべてにおいて納得するプロセスを頭に入れて、組織において足らないと(経営陣側が)思われることに尽力していくというのが、好ましいベクトルの合わせ方と認識している。

4.オンボーディングまとめ

雑駁ながら、オンボーディングにおいては、1マニュアルでは伝えられない思想を伝えること、2あえて情報過多にする、3高い理想をもちつつ新人に期待値を低く持って丁寧に対応していくことが必要と思っている。

これらによって、カルチャーフィットが浸透しやすいと思われる。


補足:リモートワーク時のオンボーディング

正直、テレワークは臨場感がないので、テレビを見た感覚で、汗をかいた感が伝わらない。結果的に感謝もされないし、理解も浅くなる。
これを変えていくには、発信をさせるしかない。座学は向かない。寧ろ、一緒に学ばせる手法が良いと思っている。
ペアティーチングが一番良いと思う。足らない部分を教える形がよい。

とすれば、以下のプロセスになるはずだ。

①教え役が紙を用意する。それと参考図書を用意する。

②分担表を作り、各々の説明箇所を理解させる。そして、ユーチューブの限定公開ビデオで説明をして貰う。それを提出してもらう。そして講義役の人はそれをチェックし、フィードバックし、再度収録してもらう。マシになった限定公開ビデオをメンバーにしてもらう。

③これらのビデオを見てもらい、slackなどで質問等をして貰う。おそらく質問は出ないと思う。

④そこで、4人から6人くらいで、勉強会をして貰い、質問会をして貰う。その議事録を各グループで取っておいてもらう。

⑤ズーム等で集まりをする。各ビデオを見てもらった前提で、それぞれに講義役があてて説明をして貰う。説明をして貰い、理解が足らない場合、講義役がその部分について詳細に説明をする。

⑥これらのミーティングもすべて録画しておけば、再度わからなくなった場合、見返すことができる。

質問がないことにお悩みの際は、気になったら聞くという流れが一番望ましいと思います。わからないままにして後で聞こうと言った場合大体は質問できない雰囲気になります。

よって、時間制限を設ける。例えば40分講義、20分質問とする場合、抗議者に対しては40分の時間を伝え、後の20分余分にとっておくと述べておく。そして、気になった場合、質問できる雰囲気を作るように伝えておく。

講義が始まってしばらくたったら、サクラとしてつまらない質問を入れることで、質問がしやすい雰囲気を作る。

各自が質問しやすい雰囲気が整えば、サクラをやめる。その繰り返しで場の雰囲気を作ることが好ましい。


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