Ed techの行方
1.いきなり原則論
基本的に、ビジネスの根本は
「投資額<収入」の最大化(これがビジネスの根幹)
である。
他に、何があるであろうか。収入は信用と置き換えても良い。
個々人としては、これだけ収入の見込みがつきそうだから、これだけ払っても良い。例えば、お腹がすいたときに、お菓子をたべることでお腹がすかなくなること及び幸せになるという確度があるから、対価を支払う。
しかし、残念なのは、大体、他人の尺度と自分の尺度は異なる。
対応策:他人は、見ている人の特徴等が見えて、その人が何を与えてくれるのか、長く過ごしていれば分かってくる。
自分尺度は、自分が何をしたら楽しいのかは分かるが、他人からのフィードバックがない限り、自分が相手に何をすべきなのか、分かりにくい。
他人尺度≠自分尺度→不幸の原因
Valueを作ることは、時間×熱量×正しいやり方であるが、自分尺度でしてしまうと、正しいやり方は見つからず、Valueを作ることができない。そこで、過去は教育により、正しいやり方を学ぶことができた。それは高等教育でも期待できることであった。勿論、大学院・博士課程になると扱いにくいとして、敬遠されている部分があったことは排除しない。
今は、正しいやり方が必ずしも教育によって反映されていない。よって、自ら感度を磨き、自ら学ぶことをしない限り、正しいやり方が身につかない時代になってしまった。
教育に投資することが、Valueを出すことにつながらないため、教育に投資することを疑問視する流れもある。
2.そもそも教育とは
学ぶことによるライフタイムバリューの拡大(教育の価値)
である。
現代の初等教育は、金太郎あめを作ることに終始した。これは四則演算などコミュニケーションを円滑にするために、必要な措置である。そして、大量生産を可能にするために、弱者は切り捨てることが肝要であった。
以下の通り、貧乏で学ばないものに関しては、それで切り捨てることになる。投資と効果が見合わないことになるからだ。
家族におけるヒエラルキー
1.お金持ち
2.中等
3.貧乏
家族を中心に考えると、3のボトムラインは、教育に投資することができないか、しても割にあわないとして投資しない。
とすると、家族だけを解決手法にすると、解決できない問題が多くある。
プレイヤーは以下の通り
1.国家
2.コミュニティa企業bその他の団体
3.家族
4.本人
1は、限られた予算で対応しなければならないので、救うことが限定される。そもそも、大量生産大量放棄しか、解はない。
3は以上の通り、限界がある。3については、投資とValueとに明らかにValueが上回る閑居にない限り、投資は見込めない。
2企業は、時代を見据えることが難しく、個人に投資することが難しくなってきた。
つまり、誰一人、「投資額<収入(Value)」の最大化ができない事態になりつつある膠着状況に近づきつつある。
3.なぜ膠着状況が起きるか
企業は、優秀な人材を取ろうとする。金太郎あめをそろえて、戦おうとする。しかし、金太郎あめは、創造性をなくしていく同調性を有するので、優秀でない人間を許容できない。つまり、困難性のある人間を許容できない。
この点、社会は以下のように成り立っていることが想定される。
1割はゼロから新しいことを考えることができる。
8割は枠の中で従って生きることができる
1割は枠でも生きることができない
優秀な人間を、金太郎あめにしてかつゼロから新しいことを考えられるかといえば、できるはずがない。8割の人を使いこなすこともできない。そして、ゼロから新しいことをすることも壊していく。この状況が、社会を膠着状況にしている。
ちなみに、優秀な人材とは、ここでは自分たちが使いこなせる都合の良い人材ということであり、ゼロから新しいことを考えるとは必ずしも一致しない。
4.企業の収益を最大化するために必要なこととは
トップがいて、ベテラン、その他そこそこ。そして新人社員がいる。
その時に、一番ボトルネックになる人材は、新人社員である。トップとベテランは、いちいち新人を育てることに力を入れたくない。
しかし、スループット(処理)をあげていくには、一番後ろにいる人間がコントロールしているのだから、その下をボトムアップしていけば売り上げが上がってくるというのが現実である。かつ、上がる気がない人間にいなくなってもらう(つまり、もっと適正な場所に行ってもらうこと)も大事である。
適正な場所で、心理的な安全性を確保してストレッチゾーンで働くこと、これが労働生産性をあげていくうえで不可欠なことである。
5.教育の最大要件
同様に、心理的な安全性を確保して、学ぶことができる環境こそが、集中して学ぶことができる環境である。勉強が何等の役に立たない、又は、ギャンブルであれば、学ぶことはできない。少なくても、楽しい、ゲームのようだという、リワードがない限り、心理的な安全性は確保できない。人間は内的な動機を確保しない限り、システムとして学ぶことは不可能だ。
Edテックで大事なのは、目の前にある心理的な安全性を確保すること。
そして、ゲームとして中毒性が確保できない限り、将来の投資としてワークする状況までつなげなければ、継続性は見込めない。離脱率が上がってしまう。ロイヤルティが上がるには、学ぶことによって、収入が上がる仕組みの、確度があがる仕組みを実感させるしかない。
教育→仕事のValueアップ
これができなくてはならない。かつ、Valueアップとは、企業が喜んで投資を10して、企業に100のリターンが出る仕組み(信用)を作り上げる必要がある。
これが約束できる人間は、一企業だけではなく、複業として、様々なところで、対応できることになる。
大事なこと
①企業が投資した額の数倍にできることを約束できる人間を教育によって増やすこと(信用の蓄積)(相互レーティング)
②そうした人間を輩出し、プラットフォーム化すること(HR化)若しくは組むこと(人材プラットフォーム化)
③あう人あわない人がいることを認識し、プラットフォーム化して利潤が得たものを分配することで、教育を受ける人が少ないお金を払い良質な教材を学ぶ環境を作り上げること(教育費の低廉化)
④それをマスでやることもできないので、教育システムをコミュニティー化しつつ教える人にバリューを提供すること(教育コンテンツの多様化とそれにあわせたコミュニティーづくり)
この辺を考えないで、座組を考えても、なかなか成長は難しい。
6.スタートアップとしてどうすべきか
とはいえ、最初から人材プラットフォームは難しいし取るべきではない。
どこからスタートすべきかが考えることだ。
最近の流れは、人材派遣会社が教育をしてから、派遣をするビジネスをすることをしている。とすると、人材派遣的な部分を意識しつつ、組み立てるというのも、トレンドになっていると思われる。