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ESG投資の核心

この文章を読んで震えました。

1.ゲームの変更

機関投資家、金融とNGOが結びつく時代で、ゲームを変えていこうとする流れ。振り回されてはならないと距離を若干とっていた時代もありましたが、ICJさんが面白いことやり始めたなと思いつつ、「どうせCSRと変わらないでしょ」と考えでいました。それが甘かったのです。

当初は、ネガティブリストで、そこにのっているのはオワコン会社としか考えていませんでした。しかし、万が一、機関投資家、金融、NGOが繋がる場合、話は異なります。世界観が変わるからです。

2.ネガティブ転換の危機

世界観が変わるということは、アスベストのような過去夢のような素材と考えられたものが、世界観が一気に変わり、悪玉となったように、訴訟が連発されて、技術的な負債のように変化するからです。儲けの流れが一気に、危険な物質に変わることは、皆さんも沢山経験されたことでしょう。

過去は、排気ガス。排気ガス規制で、トヨタ、ホンダが米国進出につき容易になりました。これに対して、CO2はどうでしょうか。京都議定書以降、変わらないのではないかと思っていた節もありました。原発はどうでしょうか。原発は日本で20%程度のシェアがありましたが(しかもCO2面ではお優しい)、原発事故によって変化が起きております。そして、新エネルギーとして太陽光その他の多様なエネルギーが既存の業界に負担を与えつつ、入り込みつつあります。

そこで、負があり、熱海の事故は太陽光パネルではないかとか、太陽光のパネル設置問題と廃棄問題、洋上発電の廃棄問題など新たな問題が発生しつつあります。

同様に、自動車のガソリン車から電気自動車シフトが起きていますが、石油→エネルギー→電気という点で、エネルギーコストがかかるのではないかと言われています。

代替エネルギーや代替の技術は常に批判の対象になり、人々を迷わせます。既存の方が良いのではないかと。確かに、原発について私もそう思っていました。しかし、核によって、技術的な負債が将来的に残ることと、蓄電池などスマートグリッドの大量生産などで不都合がおきる場合とどちらが最終的に未来の地球に負担をかけないかと考えていく必要があります。既存では、アスベストと同様の技術的な負債を負ってしまいます。

機関投資家としては、かかる技術的な負債を負う会社に投資をしたいとは到底思わないでしょう。その当時は投資したとしても、風向きが変われば、すぐに投資を差し控え、かつ、訴訟も起こされる可能性があります。

武富士は、過去力を伸ばしてきましたが、一気に訴訟によりしぼみ、倒産にも追い込まれてしまいました。風向きは、一気に会社の存続の危機に追いやることになります。

3.無視できない大企業

無視できない大企業は、ソリューションを自前でできないと知るや、買収その他で解決することになるでしょう。しかし、それができない場合、解決できる誰かに依頼することになるでしょう。

CSRという流れではなく、機関投資家、金融とNGOの流れがファイナンスの流れを変えてしまうことを意味します。

OECDは責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンスを出してきました。所謂権威付けですが、こうした流れに、金融機関が沿ってくれば、それに従うしかないです。

4.日本企業はどうなっていくのか

日本企業は、どうなっていくのでしょうか。令和2年度産業経済研究委託事業分野別技術競争力に係る調査を見る限り、技術的に優位に立たなければならないことは明らかです。そして、金融の力を借りなければそれを達成できません。その金融の力は、ESG的な流れにより、制御されることになりそうです。制御される際に、大企業が自前で解決できない部分を補助等するのが、ベンチャー群ということになります。

①大企業を倒すのがベンチャーなのだから、そうしたムーブメントに従う必要ない、下請けはやりたくない、②CSR的な流れでしょと、この動きに従わないベンチャーさんも沢山いると思います。

しかし、金融機関、大企業、VC以外で投資する機関はどれだけいるでしょうか。消費者はいけるかもしれません。しかし、消費者が共感を持つことはなんでしょうか。

石炭などは投資撤退の流れが来ています。つまり成長可能性が無くなりつつあります。ならば、ESGの流れで、成長可能性ある分野に入り込むのが妥当です。

ESGで問題になりそうなことを探すには政府筋から見つけることもできます。優秀なコンサルティング会社が色々模索してくれています。

ハードウェアだけではなく、人間の感情も今後大事なエリアです。まだまだ、ケアがされていません。金融、社会的な問題の解決も大事なエリアです。

5.とはいえ、共感を中心に技術を作っていく流れが自然

しかし、焦ってはいけません。特にハードウェアは、相当長い時間がかかるケースもあり、その前に先行者が現れて、負けるケースも多くあります。自分のできる範囲で、データを集めてから、その事業展開をすべきケースも沢山あります。

一人で悩まずに、共感によって設計する流れが昨今の流れですので、それにそって、対応されると良いように思われます。


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角田進二 sumida shinji
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