法務における発想の転換(リスクテイク)とDX 儲ける法務その19 DXその54
「当然のことながら荷物を置きっぱなしにすることで、盗まれる、壊れる、雨に濡れてダメになるなどのケースが発生します。アマゾンはそれを前提にしてしまったうえで100%補償したほうが安いじゃないかと考えたわけです。」
自動コンビニについてセルフ決済は手間と否定しつつ、「それで出口のゲートをくぐると自動的に精算結果がスマホに送られてきます。もし支払額が違っていればお店にもどってクレームをすることができますが、実際に使っている人に聞いたところ、一度も間違いが起きたことはないそうです。」
これらは法務が選択すべきことではなく、経営者が選択すべきだと、法務部、弁護士なら言うだろう。しかし、これを提言すべきなのは、法務部と弁護士で、こういうリスクはあるが、丁寧に渡すリスクとどちらが良いか決めて欲しいと、言うべきなのだ。経営者は、そうした提言を各所で許すカルチャー作りもしていかなければなら
これさえできれば、他のコンペティターとくらべて会社の優位性は確保できる場合が多くなる。リスクの見積もりを提案して経営に決めてもらうことが法務の仕事であると言い切れないと、DX上の法務とは言えない。
わからなければ会計、営業、その他を巻き込んでも、自社の優位性を確保していかなければならない。下請けを単にいじめて、契約をきつめにして終わりという時代は終わった。DXにおいては、これからはどの仕事をやめるか(諦めるか)を他の部署と決める必要があり、難度の高いものになるであろう。
リスクはABテストで対応すべきであり、考えたリスクは実際には違う場合(リスクが小さい)ことも多い。小さい場所でテストしてみて、そのリスクを減らして様子を見るのがベターなのだろう。
ちなみにヤマト運輸がこれができず、アマゾンがこれができる理由は簡単である。それは宅配という、個人の思入れがあるものは、無くしたら大変である、リスクが高いと判断するからであろう。
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