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フロー体験と法務

1フロー体験の要件

風呂ではなく、フローの話です。

フローの要件は、

1.自分の能力に対して適切な難易度のものに取り組んでいる

2.対象への自己統制感がある

3.直接的なフィードバックがある

4.集中を妨げる外乱がシャットアウトされている

の四つになっています。

んんん、足らねーぞと思ている人は私と一緒です。

しかし、集中を妨げる外乱がシャットアウトされているに、物理的・心理的な疲れ、絶望などを入れていくのはどうでしょうか。さらに騒音、その他理不尽なストレスも含めて入れておくとより分かりやすくならないですか。

さらに、ゲームにおいては、1,2,3、4は完全にはめ込まれていますね。テレビゲーム、スマホゲームができて半世紀位だと思うのですが、ゲーミフィケーションは凄いですよね。これらに、意味付けさえあれば、無料又は自分が払ってでも入り込んでくれるのがゲーミフィケーションです。

自分にとって意味のあるものか否かという相対的なもので、人は評価します。問題は、トップが意味のあるものを包摂せず、ひたすらポイント集め(つまりお金集め)に特化して社員に働けと表現してしまうことですね。その時点で、ポイントくれというフィードバックが返ってくるのはやむを得ません。

エンターテイメントの要素は、何でしょうか。私は①快楽(一時的)、②意味付け、③没頭と考えています。過去は大量生産と食料さえ確保できていたら幸せだったので、①が優先されていました。今は、大量生産が終わり、地球が人類を支え切れるものではない、そして、物質では満たされないことを理解し、②③が優位になりつつあります。

オンラインサロンでは、②③を求めて、会社では全力を出さない人間たちが、プロ顔負けのクオリティでプレゼン及び仕事を無料でしてくれるようになりました。彼らは、お金を払って、無料で喜んで仕事をし始めたのです。

以上を考えると、人が職場で安心して働くことができるには以下の要素が必要で、上司のみならず、他のメンバーもこの点に注意をしておく必要があることが分かります。

1.自分の能力に対して適切な難易度のものに取り組んでいる

2.対象への自己統制感がある

3.直接的なフィードバックがある

4.集中を妨げる外乱がシャットアウトされている

5.意味があり、没頭できること

6.疲れが適切にコントロールできる状況であること

2仕事においてなぜ人は不機嫌になるのか

仕事において大事なのは、場と機会の設定です。

場と機会の設定とは、以下の場面がありかつ機会があることになります。

㋐問題発見、㋑自分の課題設定、㋒そのための因数分解によるタスクの洗い出し、優先順位をつけること、㋓優先順位をつけたのちにやりきること、㋔そのフィードバック、㋕フィードバックを活かした改善になりそうです。

以上を見る限り、怒る要素も嫉妬を感じる要素も、心理的なプレッシャーをかける要素もないはずです。しかし、昨今多くの事象で、鬱などに悩まされることが多くなっています。また、パワハラなどに気を病む人及びパワハラをしていないか気になる人などがいます(なお、セクハラは別の事象と理解しています)。

これらは、なぜ発生するのでしょうか。人の脳は、なぜ不愉快を感じるのでしょうか。

脳は、怠け者であり、不安を嫌います。怠け者であるがゆえに、明晰かつ明快な答えを出すことを嫌います。しかし、それが故に、漠然となり、その漠然としたままで仕事をすることで、不安が蓄積されやすいです。不安という性質は、偏桃体のエリアであり、感情に動かされやすく、理論的な大脳のような働きをしません。明快にしない→不安に感じる→それでも明快にしない→より不安になりつつ、フラストレーションにおり些末な事項に囚われ、より不明確かつ非効率なことをします。不安が実現化し、確信をすることになります。

上司の側は、その現象を理解しているがゆえに、仕事を管理しようとします。仕事を管理しようとすると、その下の人間は思考を停止しやすいです。従っていればそれでよいという正当化に変わり、自分事ではなくなっていきます。自分事ではないレベルでのクオリティは、管理者側からすると満足的ではなく、かつ、聞き手が受け身的なため、よりあたりが厳しくなります。

さらに疲れがたまってくると、人間の体は動物的であり、よりネガティブな感情に囚われやすくなります。結果的に、自分が正しい、他の者の考えは間違っているという2者択一的な発想になりやすいです。そのあたりになると、孤立化しやすく、アンタッチャブルな存在になりやすいです。

これらは、顧客と受注者でも同じことである。顧客が言語化できていないことを、本来的に受注者は言語化できているべきなのだが、できていないと対立関係になりやすいです。

先ほどの要件でいうと何が足らないのかを検討します。

1.自分の能力に対して適切な難易度のものに取り組んでいる

2.対象への自己統制感がある

3.直接的なフィードバックがある

4.集中を妨げる外乱がシャットアウトされている

5.意味があり、没頭できること

6.疲れが適切にコントロールできる状況であること

まず、会社は、5のミッション、バリュー、目的などが明確化できてなければなりません。この点、会社がそれらを明確にしていないで、メンバーを単なる報酬によって働くものと位置付けた場合、そもそも仲間レベルで意味があることとは言えません。つまり、仲間ではないのです。仲間ではない状況では没頭などできるはずもなく、安心して成長できる環境ではありません。安心して成長できる環境とは、フィードバックをして、そのフィードバックをベースに変化していくことであり、自己否定を受け入れることです。その自己否定は、信頼できる仲間でなければできないことです。

法律は、今まで間接的な動機であり、ルールも同じようなものでした。報酬も、同様に間接的な動機に該当し、一時的には快楽は得ることができるものの、強いインセンティブにはなりません。

ちなみに、喪失や損失は大きなインセンティブになりますが、それは終局的には心理的な安全性を喪失させるものなので、一番やってはいけない事に対してのサンクションにした方が良いです。

課題設定は、やらされ感がでると積極性を失うところもあり、かつ、思考停止になりやすいものなので、部下が自分で決めたものの方が望ましいと言えます。しかし、自分の力を見誤りやすいこともあり、調整も必要です。上司も必ずしもすべての部下の能力を見極める手段はありません。トライアンドエラーが許される環境を作り、かつ、部下及び上司が完璧主義にならないようにしていくことが大事です。部下は課題設定及び実行、上司は調整、トラブルシュート、撤退などの役割分担になりそうです。これらの仕事をわきまえないで、部下の方が上司に調整、トラブルシューティング、撤退などをさせないということになると、上司はストレスを受けることになりますし、部下に対して過度な干渉をして、企画や実行などをさせないこと、さらに実権がないのに批判だけをするとダブルバインドを起こしストレスを部下に欠けることになります。

2の統制感がないのは、不安の表れであり、以上のストレスに該当するものです。大体の人はその不安をモヤモヤと評して、思考を停止させます。不安があるというネガティブな形で表現をしなかったりします。さらに、不安、モヤモヤは人によって感度が異なり、センシティブな人はなんとか表現を試みたりし(実行を停止し)、そうでない人は実行に向かい不安を放置することがあります。失敗したときの後付けの理由をその時期に恰も用意したようにしておきます。

管理する人は、なんとかフィードバックをしようとしますが、聞く耳を持たない人にとっては、結果さえ出せばよいのだろうと開き直り、聞くことをしない、素直ではない状況になります。素直ではない状況になると、もはや自分で気づかない限り(場所を変えない限り)、どうしようもない状況になります。上司批判だけで終わる場合、このパターンが多かったりします。

これに対して、人たらしの場合、「①目の前の人間の欲求を把握する能力が高く、②しかもそれをさりげなく満たす能力に長けた人間」なので、上司に影響力を及ぼし、結果的に制御可能になります。これを無意識にする点が人たらしの凄さともいえます。これができない人は、目立たないように、自らの心理的な安全性を害しない限りで、働くことになります。

以上の通り、①人たらし3%、②自らの心理的な安全性を確保して働く80%、③残部の方は正直にならないまま働きます。

不機嫌になる理由は、仕事なので真面目に働くべき、指示に従って働くべき、素直に働くのは間違っている、会社はお金を貰って働く場所だという状況に見えます。

しかし、そうした考え方では精神すり減らす原因になり、かつ、モチベーションも上がりません。VUCA時代で不機嫌になるのは、過去の大量生産型の働き方で何とかなるという、時代遅れの考え方から来ているように思われます。

3.じゃどうすれば良いのか。

この点についてはまた、時間があるときに書きます。



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