コロナ影響下における有価証券報告書その他の文書の提出期限の延長について

1.有価証券報告書等の提出期限について

「3月決算企業をはじめとする多くの企業において、決算業務や監査業務を例年どおりに進めることが困難になることが想定されます。」

「企業や監査法人が、決算業務や監査業務のために十分な時間を確保できるよう、金融商品取引法に基づく有価証券報告書等(注)の提出期限について、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等を改正し、企業側が個別の申請を行わなくとも、一律に本年9月末まで延長」とのことです。

金商法24条関連>内閣府令15の2を改正

2.「有価証券報告書等の提出期限の延長」に伴う決算発表日程の再検討のお願い

「当取引所では、上場会社の皆様において決算作業等の円滑な実施が困難となった場合に、当初のスケジュールにかかわらず、役職員や取引先そのほかの関係者の皆様の健康及び安全の確保を最優先いただいたうえで、決算発表日程を再検討するようお願い申し上げている」

「当取引所の有価証券上場規程第601条第1項第10号に規定する「有価証券報告書又は四半期報告書の提出遅延」につきましては、上場会社が新たに定められる期日(本年9月末)までに有価証券報告書等を内閣総理大臣等に提出しなかった場合に限って適用する」

(上場内国会社の上場廃止基準)
第601条

(10) 有価証券報告書又は四半期報告書の提出遅延
 2人以上の公認会計士又は監査法人による監査証明府令第3条第1項の監査報告書又は四半期レビュー報告書(公認会計士又は監査法人に相当する者による監査証明に相当する証明に係る監査報告書又は四半期レビュー報告書を含む。)を添付した有価証券報告書又は四半期報告書を、法第24条第1項又は法第24条の4の7第1項に定める期間の経過後1か月以内(施行規則で定める場合にあっては、施行規則で定める期間内とし、最終日が休業日に当たる場合にあっては、順次繰り下げる。)に、内閣総理大臣等に提出しなかった場合

3.適時開示について

「1.決算及び四半期決算の内容の開示
 通期の決算内容及び四半期決算内容につきまして、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により決算手続き等に遅延が生じ、速やかに決算内容等を確定することが困難となった場合には、「事業年度の末日から45日以内」などの時期にとらわれず、確定次第にご開示いただくことで差し支えありません。
 なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、大幅に決算内容等の確定時期が遅れることが見込まれる場合には、その旨(及び確定時期の見込みがある場合には、その時期)の適時開示をご検討ください。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響により、有価証券報告書又は四半期報告書の提出期限の延長申請を行うことを決定した場合には、その旨の適時開示が必要となりますのでご留意ください。

2.事業活動等への影響に関する開示
 このたびの新型コロナウイルス感染症が上場会社各社の事業活動や経営成績に及ぼす影響は、投資者の投資判断及び株式等の価格形成にも影響を与えることが見込まれます。
 当取引所におきましても、市場における売買取引の監視等を通じて取引の公正性確保に努めておりますが、不正確・不明確な情報に基づく価格形成を回避し、投資者に適切な投資判断を促す観点から、役職員や取引先その他の関係者の皆様の健康及び安全の確保を最優先いただいたうえで、可能となった時点では、速やかにかつ積極的に、影響等に係る情報開示をご検討ください。

3.業績予想に関する開示
 今般の新型コロナウイルス感染症が事業活動及び経営成績に与える影響により、決算内容の開示に際して業績予想の合理的な見積もりが困難となった場合や、開示済みの業績予想の前提条件に大きな変動が生じた場合などにあっては、その旨を明らかにして、業績予想を「未定」とする内容の開示を行い、その後に合理的な見積もりが可能となった時点で、適切にアップデートを行うことなどが考えられます。」

四半期報告書(金商法第24条の4の7)

第二十四条の四の七 第二十四条第一項の規定による有価証券報告書を提出しなければならない会社(第二十三条の三第四項の規定により当該有価証券報告書を提出した会社を含む。次項において同じ。)のうち、第二十四条第一項第一号に掲げる有価証券の発行者である会社その他の政令で定めるもの(以下この項及び次項において「上場会社等」という。)は、その事業年度が三月を超える場合は、内閣府令で定めるところにより、当該事業年度の期間を三月ごとに区分した各期間(政令で定める期間を除く。以下同じ。)ごとに、当該会社の属する企業集団の経理の状況その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項(以下この項において「四半期報告書記載事項」という。)を記載した報告書(以下「四半期報告書」という。)を、当該各期間経過後四十五日以内の政令で定める期間内(やむを得ない理由により当該期間内に提出できないと認められる場合には、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた期間内)に、内閣総理大臣に提出しなければならない。この場合において、上場会社等のうち内閣府令で定める事業を行う会社は、四半期報告書記載事項のほか、当該会社の経理の状況その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当なものとして内閣府令で定める事項を記載した四半期報告書を、当該各期間経過後六十日以内の政令で定める期間内(やむを得ない理由により当該期間内に提出できないと認められる場合には、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた期間内)に、内閣総理大臣に提出しなければならない。

>内閣府令第十七条の十五の二

いいなと思ったら応援しよう!

角田進二 sumida shinji
スキ、その他の行為は、元気玉として有効利用させていただきます。皆様のお力を少しでも世の中の改善に使わせていただきます。