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選ばれる「経営コンサルタント」になるための、セルフブランディングとは?

経営のプロ、コンサルタントの倒産が過去最多という皮肉な記事がYahooに掲載されていました。

経営コンサルといっても、実際には経営をしたことがない人がほとんど。
代表取締役とあってもひとり法人や少数なので、経営のプロとはいえないことがほとんどです。
また、いろいろな経営者を歴任してきたり、取締役の肩書き、事業開発の経験もまた、「経営のプロ」とは関係がないのですが、記事ではこう書かれちゃいますよね。
(もちろん、そうでない人もたくさんいますし、この記事では皮肉っぽくタイトルが付けられてしまっていますが。)

私は経営コンサルタントと名乗ったことがありませんが、そのような仕事をしています。
なぜ名乗らないのか、どうしてクライアントを選ぶのか。
実際に多くの「経営コンサルタント」から、クライアントから選ばれるコンサルタントになるためのコンサルティングを伝授してほしいという要望があるので、その要点をお伝えしてみようと思います。


「経営コンサルタント」がブランディングにならない理由

経営コンサルタント。
この肩書きの仕事は、とても簡単に起業できます。
今日から名乗ればすぐに、あなたは「経営コンサルタント」です。

実際に経営をしたことがある人、あるいはコンサルティングファームなどで仕事をしていた「経験」を語れる人もいますが、そうでない人の最初のステップが中小企業診断士などを取ることなどから始まることが多いようです。
ただ、先ほど書いたように、経営コンサルタントになるためには、名乗るだけの簡単なハードル。
いくら過去に経験をしていたとしても、それが証明できなかったり、実績として言えなかったりするので、ブランディングとして資格を取得しようとする人もいるようです。

実際の資格取得の勉強はそれなりに時間とお金がかかり、合格も難しい。
でも、税理士のように専業業務もない。
それでも2.6万人以上の人が取得しているそうです。たくさんいますね。
そうした方々の多くは、「経営コンサルタント」として活躍するつもりで資格を取得した、ということが多いようです。
でも実際には、経営者の片腕となる「経営コンサルタント」としての役割はあまり期待されていないのが実態。
ですから、経営コンサルタントという肩書きでありながら、 「自分をどう表現したら、コンサルタントとして選んでもらえるのかわからない」という経営コンサルティングの相談が多いのです。

もちろん、助成金を得るための書類づくり担当と割り切れば、それなりの業務をこなせば生活はできます。
でも、助成金は本来、会社の戦略における資金面での施策でしかないのです。
別の「経営コンサルタント」と相談した結果、末端の作業を依頼されているだけの依頼になっているのが現状です。

これで良しとするならOKですが、そうではないですよね。
本当の「経営コンサルタント」としての仕事をしていきたいのであれば、何が問題かということを明らかにしなければなりません。

その答えは、ブランディングにあります。

「中小企業診断士」も、あえていえば「経営コンサルタント」も、何も差別化にはならないということです。
ブランディングには、何の影響も及ぼさないのが現実です。

それもあって私はこれまで「経営コンサルタント」と名乗ったことが1度もありません。経営コンサルタントですか?と聞かれることは多くあります。
実際には経営コンサルティングのような仕事はしているし、コンサルティングと似たような(でも違う)業務ですが、たくさんの経営の役員となって仕事をしています。

ブランディングをしたい、これはつまり、選ばれたいということだと思います。
では、どんなクライアントから選ばれたいですか?

単にお金をたくさん払ってくれるクライアントですか?
それとも、同じ世界を一緒に目指すことのできるクライアントですか?

私はクライアントがどんな想いを持っているかを確認して、同じ想いであれば仲間として一緒にやっていく選択をすることに決めています。
それを特に意識するようになったのには、ひとつのきっかけがありました。

何のために仕事をしているのかわからない

あるとき、CSRやSDGsが広まりだした頃のこと。
ソーシャルベンチャーの経営や役員をしていたこともあって、ソーシャルマーケティングとか関わる経営のコンサルティングが増えていました。

しかしあるとき、自分のコンサルティングが、思った通りに扱われていないことに違和感を感じたことがありました。

クライアントが本音ではそう思っていないのに、
耳障りの良いキャッチフレーズだけ拾われて、
マーケティングに利用されているのではないだろうか?

当初は、「本音では、そう思ってくれているだろう」と、自分なりの解釈をしていました。

しかしあるとき、打ち合わせに遅れてきた社長がスポーツカーに乗ってやってきました。だいたい燃費が5km/Lほどの。

一緒に会議室へ移動し、座った席で私は社長にあえて聞きました。

「社長はエコカーとか興味ないんですか?」

「それとこれとは別。●●社よりも強力なメッセージが必要。あなたはそれを考えるために仕事をお願いをしている。」

つまり、「何も言うな」というメッセージだ。

私は席を立とうと考えたが、大人げないことも良くないと考え、ひとまず気持ちを落ち着かせて、その1時間は仕事をしました。

社長は次の予定があるということで会議室に残り、私は同席していた部下と一緒に出口に向かいます。エレベーターに入ったとたん、彼はこう口を開いたのです。

「ああ言ってくれて、ほっとしています。社長はまた新しい車が欲しいんですって。僕らは何のために仕事をしているのかわかりません。」

ため息交じりの、CSR担当の彼の気持ちがいたたまれなくなりました。

私はその月をもって、その会社との契約を終えることにしました。

支援したくないクライアントを支援することで、伝えてしまう矛盾と影響

僕らが仕事を通じて想いをかける先が、社長の車のアップグレードというのは、やっぱり納得がいきません。

結果的にそういうことはどこかであるのかもしれないけれど、スタッフがため息交じりに言葉にするような会社の手伝いは、考えざるをえません。

自分がこうしたことに関わり続けることは、自分の想いとは異なる方向への加担をしていると言わざるをえません。

支援をしているということを人から見れば、ある意味で「共感をしている仲間」だとみられます。

私はその矛盾に耐えられません。
その当時のコンサルタント契約も大きな金額でしたら、その金額と自分の想いを引き換えにすることはできないと思ったのです。

これを言えばカッコイイかもしれませんが、その時はそのクライアントの仕事に時間をほとんど割いていたので、契約が無くなった=何もなくなったと同じ状況でした。

でも、それを続けることで、誰かが苦しんだり、共犯者と思われたり、未来に良いものが残せないことよりも、関わらない選択肢のほうを選んだのです。

自分が選んでもらいたい相手に、選ばれるようになろう。

自分が選んでもらいたい相手に、選ばれるようになろう。

私はそう思ってから、いろいろな行動が変わりました。

ここから私のセルフブランディングに対する意識が変わりました。

いまの仕事に不満がある方は、自分が選んでもらいたい相手に選んでもらえていないのではないでしょうか?

きっとどこかで想いは伝わらないかもしれない、どのように違いを伝えたら良いかわからない、と思っているかもしれません。

でも、どんな人でも、自分の経験に意味をどのように持たせるのか、どんなストーリーで語るのかで、セルフブランディングができます。

ですからまだ、自分の想いを整え切れていない、また、社会がどんなことを求めているのかを知らないだけなのかもしれません。

ぜひそんなみなさんを応援したいなと思って活動をしています。


自分の意味を捉え直して、そして社会から自分のミッションに気づく。
そこから始まるセルフブランディングの講座です。
もしよかったら、説明会だけも参加をしてみてください。