接触事故で被害者に逃げられた
事故発生
もうだいぶ昔のことなんですが、大都会で一人暮らししていたぼく。
彼女もできたりしてうかれてたのかもしれません。
彼女宅から車で朝帰りして自宅近くの大きな交差点で右折しました。
ガチャコン
けっこうすごい音がして車体には軽い衝撃。
なんかぶつかった!
急停車して急いで車を降りました。
そしたら、車の斜め右後ろに自転車と人が倒れていました。
とうとうやっちまった!人轢いちまった!
とにかく倒れた人に駆け寄りました。
「大丈夫ですか!ケガありませんか!?」
最初はピクリとも動かず、すごいケガかもしくは、なんて思ったんですが。
突然スクッと立ち上がり、素早い動作で自転車を起こしまたがるその人。
走り去る被害者
えっ、えっ、って思っているうちに颯爽と自転車で走りだしました。
ここまでその人は無言。
「あの!ケガは?救急車とか!」
去っていく人に声をかけるも
「だいじょーぶでーす!ごめんなさーい!」
・・・・。
すごいスピードで走り去っていってしまいました。
けっこう若そうな男の人の声だったな。
残された加害者ぼく
走って追いかけようかと思うも車が交差点の真ん中にあり、
とりあえず端っこに停めなおしました。
また車を降りたぼく。
どうしよう。
あ、そうだ車のキズ。
当たったのはたぶん右の側面。
でもまったくキズも凹みも無いんです。
あ、自転車倒れてたところ。
破片も部品も走り去った人の痕跡は皆無。
そこでようやく通報してないことに気付いて。
「事故です。ぼくの車と自転車の人が交差点でぶつかって」
「はい、右折してたら横断歩道の自転車に気付かなくて」
「えっ、被害者・・・はもういないです」
この辺から電話の向こうのお巡りさんの声が怪訝な感じに。
警「被害者はケガをしてなかったんですか?」
警「なんでその人は走っていったの?」
警「あなたは自転車の人をとめなかったの?」
まあ怪しいですよね。
ぼくも怪しいと思いますもん、こんな状況聞かされたら。
お巡りさん臨場
今から警察官がこちらに来るとのこと(当たり前ですね)
ほんの5分ほどで、クラウンのパトカーが来ました。
警「あなたが当て逃げの通報のかた?」
僕「あ、はい。ん?えー当て逃げ…られ?です」
警「えどういうこと?」
あったことを全て順に説明しました。
・交差点を右折中に音と衝撃
・急停止で降車したら右後ろに自転車と人が倒れていた
・駆け寄って声をかけたら突然起き上がり自転車でGO
・再度ケガと救急車と聞いたら「大丈夫」と走り去る
・とりあえず車を端っこに寄せて通報
大通りなのに早朝でほとんど車が通らず、そのまま現場検証的な。
「こっちからこ~~~う入ってきてここで曲がって、
ここの横断歩道でガシャンと音と衝撃があって」
「その時〇〇さんは自転車が見えてなかったのね?」
「はい恥ずかしながら」
こんな感じで15分ほどお巡りさんに説明しました。
必死だったので、なるべく車と同じ速度で再現せねば!
とばかりに全力に近い疾走で車の動きを再現しようとして
「そんなに走らなくてもいいですよ」とか言われちゃったり。
事故を起こした結果
お咎めは何も無しでした。
車体の破損なし、自転車とみられる遺留物なし、被害者は不明。
ただし、後日被害者が現れたらその時は呼び出されるとのこと。
そしてすごい時のたった今でも被害者は現れません。
半年くらいは罪の意識がすごかったです。
自転車を轢いたのは確か。夢でなく現実。
償いたい気持ちもすごくありました。でも償う相手が消えちゃった。
早く警察に届けてちゃんと事故にしてくれ!
で、ちゃんと処分受けて賠償させてくれ!
半年ほどそんな気持ちが大きくてとても不安で不安でたまらなかったです。
運転の変化
当時は若かったことが理由になるのかどうかわかりませんけども、
運転は安全運転とは呼べないものだったかもしれません。
それからぼくの運転は変わりました。
法定速度を絶対超えないってことはないですが、飛ばさない、止まるところは止まる、寄るところは寄る、(ウィンカーなど)合図はかなり余裕をもって出す。
もうこれ当たり前のようで、世間的には必ずしも当たり前ではないこともあるんでしょうが、相対的にすごく安全運転をするようになりました。
もちろん事故も違反もそれからずっとありませんし、これからも注意は欠かさないつもりです。
さいごに
なぜこんなことをnote一発目に書こうと思ったかというと、
これが安全運転のきっかけ=自分の人生観も変わったということだった、
ってのがあります。
そして最近、若くして知人が逝ってしまいました。交通事故がきっかけで。
文を書くのが仕事でもないし、うまく書けたかといえばあまりうまくないです。でもここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
こんな感じでこれまでの人生であった大きなことでも書いていこうかと思います。