どの種類の法人を決めるかは、人のプロデュースそのもの(起業の選択:法人を決める②)
法人とは、ひと
一般の個人は、生身の人間として存在を証明する戸籍謄本がありますよね。
法人にも登記簿謄本という戸籍のようなものがあります。
つまり、法人は社会が認めた人なのです。
社会が作り出したバーチャルの人を、人間がプロデュースしていくのです。
人が生まれれば名前を付けますよね。会社では会社名です。
人は、身体という形がありますよね。会社でいえば資本です。お金や人やネットワークなどですね。
人は、生きていくために営みがありますよね。会社でいうと事業といえるかもしれません。
生きるための目的はビジョンやミッション、身体の機能や細胞は人や組織、家は事務所であり、性格は社風かもしれません。
ひとと違うことはいくつかありますが、
人と人が合体して、ひとりの人になったり
ひとりの人が分裂して、2人になったり
します。
あなたは、プロデューサー
これらを全部、決められるのです。
いや・・・・決めないと、その人(法人)は生きられないのです。
産まれた子どもには名前をつけるように、アイドルをプロデュースするなら芸名を付けることもあるでしょう。
バンド名をつけたり、ユニット名をつけたりしながら、イメージをつくりあげますよね。
法人の種類も、ビジョンやミッションを体現する名前ですし、その印象は株式会社とNPO法人ではかなり異なりますよね。
たとえばボランティアで関わってもらう人が多いのであれば、やっぱりNPO法人などの非営利寄りの法人でしょうし、一般社団法人なども選択肢になってくるはずです。
最近では非営利型株式会社と自称する株式会社もありますが、実際にはそのような種類の法人は存在しません。しかし、残った財産は株主に分配しないという記載をすることで、NPO法人や一般社団法人のような社会的な姿勢をみせながら株式会社の運営をしているケースもあります。(実際の内容としては、方針を打ち出しているだけで、何か厳密な監査があるわけではありません。)
法人の方針を決めるというのは、経営のひとものかねの方針を決めることです。
ひと
人と、どのように関わっていきたいのか。単に雇用やその対価という形なのか、それ以上に返せる価値や対価があるのか。
質問)
ボランティアという考え方がありますか?
一緒に活動する仲間がが集まりやすいものですか?
関わる人にお金ではなく得てもらえる何かイメージはつきますか?
社会的なビジョンやミッションは語れますか?
もの
ビジネスとして、社会のどんな資産を使って、社会にどんな資産を残していくのか。
質問)
行政と関わることを想定していますか?
地域に密着した事業ですか?
社会的な資産を活用していくつもりですか?
ビジネス優先で、利益を生み出すことに集中できますか?
かね
ビジネスモデルとして、誰からどんな対価をいただくのか、それをどのように使うのか。
質問)
誰から対価をいただきますか?
行政からの補助金や助成金を頼りにしていますか?
出資やEXITなどを考えていますか?
非課税で税制メリットを受けたいですか?
その事業は10年以内に年商が1億を超えますか?
利益と社会的意義のどちらをとりますか?
具体的な法人の種類との関係性はまた次回以降にしたいと思いますが、どの法人がどんな特性を持っているから選ぶということではなく、まず自身の中で方針を決めてから法人を当てはめるということにするという順序が必要だと思います。
細かくいえばそれぞれに運用がありますのでそれに縛られる部分もありますが、一番大切にしたい部分や自由に裁量を振るいたい部分が決まっていないと、間違った選択になってしまうことがあるかもしれません。
あなたはプロデューサーです。
プレーヤーではありません。
誰かと一緒にこの事業を成し遂げていくために、どんな関わり方をしてもらうのかというイメージをつくれればきっと自然と法人の種類は決まってくるはずです。
ひと、もの、かねについて、未来の姿や運営しているイメージをつくっていきましょう。