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デザインレビューでありがちな”ふんわりワード”を具体に変える4つのコミュニケーション術

マネーフォワードでプロダクトデザイナーをしているマッチです。今回は、私が仕事の中で経験した、何気ないコミュニケーションの中に潜む罠と、その罠から抜け出せた対策法をお話しします。

私は新卒としてマネーフォワードに入社して半年ほど経ち、初めて大きな機能のデザインを担当することになりました。「こういう機能を作りたい!」というPdMの要望からUIデザインや仕様に落としていく過程、既存画面への影響範囲の考慮、作る画面の多さなど、慣れないことばかりで悪戦苦闘する日々でした。しかしそれらは、全ての作業においてふんわりワードへの対策が不十分であることが原因でした。

何気ないコミュニケーションに潜む罠💭

例えば、プロダクトチームに参画した当初、PdMとのやりとりで「こんな感じのデザインどうですか?」と提案した時、「これは微妙そう」「これは良さそう」といったニュアンスのフィードバックが返ってくることがありました。

「微妙そう」「どんな意図でこのデザインなんですか?」といったフィードバックの時は、自分の考慮不足が原因なことが多いので、より詳しく意図を伝えたり、デザインを改善することで解決します。

一方、「これは良さそう」というフィードバックの時に「ふむふむ、これ良いよな、一旦これは完了っと...」と、そこでデザインを終わりにして次のタスクに進んでしまっていました。

そんな進め方をしていて1ヶ月が経った時、PdMから驚きの一声が。

「あれ、これって決定事項でしたっけ?」

私としては「良さそう」といったフィードバックを”決定したもの”と認識していた上に、口頭でのフィードバックだったこともあり、どこにも決定した証拠が残っていませんでした。実際には、「一旦良さそうだが、まだ検討の余地がある」というニュアンスが含まれていたらしく、認識の齟齬が生まれてしまいました。

その経験を踏まえ、以下4つの対策をするようになりました。

ふんわりワード警察の誕生👮

「良さそう」というふんわりとしたポジティブワードが返ってくると、安心してしまいます。しかしその油断が後々大きな影響を与えてしまいます。以下に列挙したふんわりワードが出た時はむしろ慎重な姿勢を取るようにしました。

  • 「良さそう、良いと思います」

  • 「大丈夫そう」

  • 「一旦OK」

  • 「考えさせてください」

  • 「検討します」

ふんわりワードは、デザインのステータスや誰にボールがあるかを曖昧にします。そこで、自分でもつい言ってしまうこれらのふんわりワードが出た時、以下のように立ち回りを意識するようにしてみました。

「良さそう。良いと思います。」「大丈夫そう。」
→ 
まずPdMに決定事項なのかを確認する。この段階だと決定事項と判断しきれない場合、受け入れ条件の確認と、どうなったら開発に渡せる状態になるか確認する。

「一旦OK」
→ 
誰がボールを持っていて、どうなったら開発に渡せる状態になるか確認する。同時に、次の確認タイミングを設定する。

「考えさせてください」
→ 
意思決定者の考えがまとまるまで保留にして、次の確認タイミングを設定する。併せて、デザイナー側での追加タスクの必要性を確認する。

「検討します」
→ 
誰がボールを持っているか、いつまで検討するか確認する。

このように、ふんわりワードが出てきた時こそ、自分の中で「ピピー!!」と警笛を鳴らし、立ち回りを意識するようにしました。そうすることで、チーム全体で仕様や画面単位での検討事項のステータスを意識するようになったと思います。こうして、ふんわりワード警察が誕生しました。

ふんわりワードをフックに議論をする🗣

ふんわりワード警察も、休息が肝心です。毎回その場で即断即決を促しすぎては、相手へのリスペクトを欠いてしまいます。そのような場合は、次のミーティングでは決定できるよう、何が良かったのか、残りの懸念点は何がありそうかを深掘り、ネクストアクションをその場で決めるようにしました。結果、建設的に議論を進めることができ、着実にプロジェクトを進行できるようになりました。緩急が大事です。

議事を残し、ステータスと共に管理する🖋

ふんわりワードの他に、議事を後で見返しやすい場所に残すことが大事だと気付きました。従来はSlackにスレを乱立させて検討事項のやりとりをしていたため、議事は残っているものの、探し出すのに時間がかかっていました。

そこで、Googleドキュメントに議事を残す他、Figmaのプラグイン(コメント&メモ)を使ってデザインデータに直接メモとステータスを残すようにしました。これにより、いつ、どのような背景で決定に至ったかハッキリするようになりました。

↑実際の使い方

寄り道の見切りをつける🏃

プロジェクトが始まったばかりの時は、検討範囲が広く、議論が発散してしまうことが多々あります。当初話したかったことから全く違う議論になってしまい、何も決まらずにミーティングが終わってしまうことが度々ありました。

議論が発散すること自体は、課題を洗い出す意味では悪いことではありません。そうした時は、本題からズレた内容をFigmaにすぐにメモし、本題に戻ることを意識しました。Figmaへのメモは、先ほどご紹介したプラグイン機能を使い、[要議論]タグでメモを残すことで寄り道を最小限に抑えることができます。

さいごに

いかがでしたでしょうか。仕事上での何気ないコミュニケーションで、ふんわりワードが出た時の対応策について話をしました。当たり前ですがつい忘れてしまいがちな、この心構えの重要性が伝わると幸いです。

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