<まっしー運命学研究所>理想世界4
前回の続きです。
「たとえ理想を語った所でそれが一体何になると考える人が殆どである時点で理想世界など来るわけがないな。
それを理解することとその世界が来るのは同じ時として迎えられる筈じゃの。
理想へ向かう最中に然るべき人の心は創られる。
如何なることでもそうである。
憧れの力は人の想いを育てやがて現実化するからな。
これは人が昔から変わらずして来た生き方というものだ。
それを金品などに取り憑かれてしまって忘れてしまった。
世には溢れ出てくる力というものが在り、それを感じることこそが本当の幸せ。
科学とやらは確かに人々の生活を便利にする妾の生きた時代には無かったもの。
便利さと引き換えに阿保ばかりになったものだ。
とはいえ向き合い方を変えればおぬしの生きるこの時代程に面白い時は未だかつて無い。
まさに楽園世界が可能なだけの条件は揃っておる。
人の心がどこに向かうかだけなのじゃ。」
「(こ〜つめっちゃ喋るやん)そうですね。
なぜかまるで自分が話してるかのようです。」
「そうだな。設定上そうなる。
この空間を創り、書いてる人が同じだからな。あまり下手な事は言わぬ方がええぞ。」
「(どういうこと?)」
「世界には作り手とそれを使う人とに分かれるものではあるが、これからはその境いの意味を変える必要がある。
人の本来の生き方というものは、一般級のことなら誰もが超えられるようなそれぞれの特化した力を見つけ、周りの人の為に役立つべく身に付ける。
会ったこともない人間の集合体の為になぞ、働く必要など無いのじゃ。
一人一人の個性がかみ合う集団がいくつもあれば、地球の人口がどれだけ増えようとも社会は上手く機能できる。
特に現代の科学とやらを上手く使えば簡単なことだ。
なぜこれだけの好条件で理想に向かえないのかは、余程いじめられて来たのじゃな。
心が痛むわ。」
「全くもってそのように思います。
それはいかに語ろうとも中々分かってもらえず、背中を見せるしかないなと思っております。
どんな世界に向かおうとも楽しむことを基本にし、生きていくだけですね。」
「その先もあるがよく分かっておるな。
その時は必ず来るがおぬし一人世界を語った所で世界を変えることなど出来ない。
それ程甘い話ではないからな。
だが、その姿勢で世界はいずれ大きく変わる。
そのような心持ちの人間は増えて来ておるし、心無き人間にはそれなりのことが必然的に起こり、変わらざるを得なくなる。
人の心が足りてないだけという単純な話なわけではあるが、この複雑化し過ぎた社会の人間には大層難しいことなのじゃろう。
更に複雑化して、ようやく気付くのであろうな。」
「自分は地球を上から見たような視点でなるべく物事を考えるようにしてます。
人一人のちっぽけさとこの巨大な世界でちっぽけながら生きている人間の強さを感じながら過ごすしかありませんね。」
「基本はそれで良い。
しかしな…。
人の力は想像次第で膨らむ。
想像の限界迄、想像するのじゃ。
より細かな設定。
より具体的な状況。
より深く信じる心。
想像の炎は燃え移るぞ。
……なんやってさ、お父さん」
「娘!意識あったんかい!!」
…続く
因みに、この設定を思い付きで語ってるわけですが、なんのインパクトも無く話が進むかと思っていたら見つけられて良かったです。
これで何話も行けますな。
そして娘が話してるか、謎なお方が話してるかの境目は作りませんのでややこしいですが、話口調で察して下さい。
ありがとうございます。