Vol.013 窓から差し込む光って美しい〜光の向きの話 サイド光編〜
少し、掲載が遅くなりました。申し訳ありません。
光の向きの話、今回はサイド光の話です。
サイド光とは?
サイド光とは、読んで字のごとく被写体の横から光が当たる光のことです。
この場合左右どちらからでも、サイド光となります。
また、順光のときにもお話しましたが完全な真横からだけではなく、ちょっと前めのサイド光、後ろめのサイド光と、グラデーションはあります。
サイド光の特徴
サイド光の一番の特徴は、陰影がはっきり出来やすくメリハリのある立体的な描写になります。
2回めの記事でも書きましたが、2つのカゲ(陰と影)をより強調して、より効果的に捉えたいときは、横から光が当たるようにするのが良いでしょう。例えば
素材の凹凸や質感
コントラストを強調した情景描写
ダイナミズムや男性的な強さ
他にもありますが、このような写真を訴求したいときに効果的です。
スプリットライティング
個人的には、横からの光が一番好きです。力強さとコントラストが一番表現できるんがサイド光の魅力です。
ビートルズのアルバム「With The Beatles」のジャケット写真は、サイド光を極限まで高めた写真です。光と影が完全に分離しています。
このようなライティングを「スプリットライティング(Split Lighting)」
といいます。これは、なかなか難易度の高い照明テクニックですが、世界観は絶大なものがあります。
サイド光に弱点ってあるのかな?
サイド光の弱点ということで、たまに目にするのが
「柔らかい印象になりにくい」
「女性を撮るのに適さない」
こんな意見です。ですが、これは「陰影」の2つをきっちりと分けることで
サイド光でも十分美しい表現が可能だと思います。
例えば、下の写真ですが窓際のサイド光を生かして撮っています。
でも、夏のギラギラとした日差しではなく少し雲のかかった天気の光なので、柔らかいけどトーンのある印象になっています。
女性の伝統工芸職人さんを撮影したときも、彼女の強さとしなやかさを両立したいので「柔らかなサイド光」を取り入れることにしました。
その意図は表現できたと思います。
柔らかいサイド光を得るために
柔らかなサイド光を取り入れたい場合は、例えば
少し曇りの日を選んでみる
ストロボを使用のときは、ディフューズやバウンスなどで拡散させて柔らかくする(この話はまた別の回でじっくりと説明します)
反対側にレフ板などを置いて、陰影を弱める
こんなふうに工夫してみると良いでしょう。
まとめ
サイド光は、次回お話する逆光に比べて適正露出が求めやすい(撮影しやすい)、そして光の効果がキャッチしやすいと、メリットの多い光の向きだと思います。
一番コントロールしやすいのが、窓際だと思うのでぜひチャレンジしてみてください。
フェルメールも、窓際の情景の絵を沢山書いていますよね?
やはり、横からの光は見る者を魅了する光なんだなと思います。
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