読書という趣味が楽しめなくなってから回復への一歩について
読書をしているとき、私という意識は限りなく薄まっている。例えるならば、コップになみなみ注いだ水の中に色水を一滴たらした時のように。物語という、現実から水面を隔てた”あちらがわ”にどぼんと飛び込み、次第に自分というものが境界を失ってふよふよと溶けて消えていく。そうしているとき、私は、水の中にいるはずなのにとても息がしやすいような気がする。
物語というのは、私にとってひどく中毒性があるもので、現実逃避のためのアディクション的要素がとても強い。こういうところは、夢見がちと言われる