那須川天心対武尊をRIZIN対K-1にしてはいけない理由
昨年の大晦日のRIZINに武尊が登場して今年は那須川天心対武尊が行われることが確実視されている格闘技業界ですが、最近になって先走ったしかも内容の信憑性の怪しい記事が出るようになってきました。
この試合を実行するにあたりよく出てくるのがRIZINとK-1で交渉しているという記事です。
確かにRIZINは那須川天心、K-1は武尊がそれぞれ所属ファイターと言ってもいいかもしれません。
そしてファンの中ではこのカードのみならず団体間の対抗戦にすればいいという人も出てきています。
つまりRIZIN対K-1です。
先に結論を言ってしまえばこの対抗戦は絶対やらないほうがいいです。
まずRIZINは天心参戦後に立ち技もやる団体になったようですが、MMAがメインであることに変わりはありません。
未だに天心以外でメインを張ったキックルールの試合はないし、天心が初めてRIZINでキックルールの試合をしてからもう3年経つのにベルトも階級もありません。
つまりRIZINにとってはキックボクシング、立ち技ルールの試合は金儲けの手段でしかなくそこに思想は一切ないのです。
MMAと立ち技両方やる団体としてONE fcもありますがONEはベルトも階級もあるし最近の70キロあたりの選手の集め方を見る限りRIZINの立ち技とは全く意味合いが違います。
だからキックボクシングで地道に世界観を作ってきたK-1とは熱量が一致するとは思えません。
また、RIZINが仮にK-1と対抗戦をやるとして誰が出るかという問題もあります。
もしRIZINからキックボクサーが出るとしたら白鳥大珠や原口健飛、吉成名高、大雅、皇治あたりになるでしょう。
このRIZIN代表キックボクサーを見てどう思いますか?
ここに上げた名前が同じ団体の所属選手だというイメージなんてないのではないでしょうか?
どこかで朝倉兄弟なんて名前もありましたが、世界的にキックより明らかに市場がでかいMMAでUFC進出を目指しているのにK-1との対抗戦、しかもキックルールなんて寄り道をしないでしょう。
もっと言えばMMAでは素人同然のK-1ファイターとはMMAでもやる意味、意義がないと言っていいです。
K-1は対抗戦をやるならいつでも準備はできていると言っていいです。
階級も王者も存在するからです。
そしてK-1に出る選手はK-1契約選手としてその選手の中でベルトを巡ってしのぎを削っています。
RIZINはキックに関してはK-1離脱組とRISEやムエタイからレンタルした選手で回しているので最初から対抗戦みたいな形になっています。
私は那須川天心対武尊を団体間の対抗戦とすること自体には賛成です。
しかし、それはK-1対RISEであるべきなのです。
K-1対RISEなら天心対武尊は別として殆どの階級で簡単に対戦カードが組めます。
−70キロ イ・ソンヒョン 対 木村ミノル (来日ができなければ緑川など)
−67.5キロ ベイノア 対 野杁正明
−65キロ 山田洸誓 対 山崎秀明
−63キロか−62.5キロ 直樹 対 ゴンナパー・ウィラサクレック(あるいは白鳥、原口)
−60キロ チャンヒョン・リー 対 レオナ・ペタス
−57.5キロ 工藤政英 対 江川優生
−55キロ 鈴木真彦 対 玖村将史
キャッチウェイト 那須川天心 対 武尊
どうでしょうか?
RISEの韓国人チャンピオンが来日できるかという点はリスクですが対抗戦として成り立つと思うし、ここに挙げていない選手でもRISEなら志郎や秀樹、K-1なら卜部功也、不可思、村越などまだまだ選手が控えます。(不可思と村越は元々RISEなので因縁の戦いになりそうですが)
そしてRIZINは特別提供試合として朝倉兄弟と平本蓮の試合など3,4試合大きな試合を組めればベストかと思います。
つまり那須川天心対武尊はK-1とRISEの合同開催としてそこにRIZINが協力するという体制がベストだと考えています。
また、この対抗戦は毎年行い、今年の勝敗で団体間の優劣がついてしまうのは避けるべきです。
正確に言えば今年もし対抗戦をやれば差ができるでしょうが、負けたほうも来年はリベンジする希望を持てるということです。
負けて終わりとなればそこで団体として応援することを終了してしまうファンも居る可能性があります。
そのリスクを極力避けることが目的です。
立ち技格闘技版の日本シリーズと言ってもいいでしょう。
ここまでK-1対RIZINではなく、K-1対RISEとすることが大事と言ってきましたが、那須川天心対武尊の試合において現時点で見えてる範囲で最も頑張らないといけないのはRISEです。
大晦日から約一ヶ月経ちここまでK-1、RIZINの名前は出てきますが、RISEの名前が一切出てきません。
天心は自分の口で自分のホームはRISEと言っているくらいRISE愛がある選手です。
もっとRISEは前に出ないとRIZINに選手を派遣している団体という風にしか見えないでしょう。
強いタイ人を呼ぶのも良いですが、マニア向けに刺さるカード実現に力を入れるのと同じくらい団体としてのブランド力向上にもっと力を入れるべきと考えています。