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おでんの季節がやって来た

ここ数日でいっきに秋めいてきた……を通り越してすでにちょっと肌寒いぐらいなので、思い立っておでんを仕込んだ。おでんと言っても単身生活者のそれなので大したものではなく、冷蔵庫のあり合わせを出汁で煮込んだだけの、鍋ともおでんとも言えないような何でもありの代物である。
おでん種はちくわと厚揚げ、大根の代わりの蕪と、ジャガイモの代わりのサツマイモ、そろそろ使い切りたかったきのこ、それから練り物1種では出汁が物足りないので急きょ冷凍庫から引っ張り出してきた鶏の手羽中と、野菜を摂取したくて小松菜と白菜。あとは真昆布の切れ端。これらを香典返しで貰ったまま持て余していた茅乃舎のだしパックと一緒に煮て、酒・みりん・醤油で味を調える。
葉物の野菜が入っているためいっそ普通に鍋でいいじゃんという感じもするけれど、練り物が入ると、どういうわけかグッとおでんっぽくなるから不思議だ。語源には全然関係ないのにね。ちなみに私は練り物から出る少し甘めの出汁がわりと好きだ。どことなく懐かしくて、優しいけれどちょっとジャンクで安心する。

そしておでんは、お酒を選ばないのもいい。
日本酒はもちろん、ハイボールでも缶チューハイでもビールでも白ワインでもわりと合う。もちろん梅酒でも、焼酎の水割りでも。
明日は金曜で、しかも出社する予定があるため、どうせ仕事を終えた頃にはどこかで飲んで帰りたい、外食したいという欲求に悶々としていることだろう。けれど2日目のおでんが家にあるとわかっていれば、その欲求はきっとやり過ごせる。つまり3000円弱の外食費が浮くわけである。

もう何だか、どこをどう切っても褒める以外の要素がない。
何とも偉大な料理である。