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年齢の重みの話

これは別にああもう27歳なんだから結婚が云々さまざまな焦りが云々みたいな話ではなくて、明日から職場に新しい人が入ってくるということを考えていたらああ、わたしも27歳なんだからこういう立場にもなるよなあという重みを感じた話です。

わたしは今年の頭に転職をしました。オープニングスタッフとして、個人クリニックの受付に。昨今の新型コロナウイルスの蔓延による医療崩壊だのなんだのは新型コロナウイルスの患者さんを受け入れている大きな病院の話であって、個人クリニックはその真逆で患者さんが例年の半分くらい減っている現状です。標榜している科にもよるけれど、わたしの住んでいる地域はどこのクリニックでもそんな感じで、本当ならもっと混んでいるはずの待合室は良いんだか悪いんだかすっかすか。感染対策としては安心だけど先生としては気が気ではないんだろうな、と思わざるを得ない感じ。

今年の頭にオープンしたばかりで即新型コロナの波に押され経営が苦しいわたしの職場は、オープニングスタッフがいろんな理由でどんどん辞めていって、今はわたしともう一人の看護師さんしか残ってない。夏に入った年下の女の子は正社員希望だったけど経営が苦しいものだからパートとして雇われていて、先々月ブッチして辞めた正社員のおばさんの代わりにフルタイムで勤務している。おばさんがブッチしたせいでわたしの有給休暇は取り消しになったし仕事が増えた。でも、そんなこんなで新しい人がまた入ってくることになった。明日から。先生たちは新しく入ってくる人の名前しか教えてくれない。面接の時にちらっと見た感じ多分年下の女の子。

ああ、とうとう最年長の先輩になってしまった、と思った。

とてもとても重たくて憂鬱な気持ちになる。今まで異動と転職とでいくつかの職場に流れてきたけど、今までは先輩かほとんど同じタイミングで入った同期のどちらかがいて、後輩に教えつつも自分が頼ってもいい存在もいた。今回は本当に誰もいなくてわたし一人。後輩が二人。素直に嫌だなあと思う。わたしは人に教えるのが苦手だ。何がわからないのかわからないから。わからないことをわからないと教えてくれる人に教えるのはとてもやりやすいけど、みんながみんなそうなわけではないよね。当たり前だけど。後輩の彼女はわたしの教え方はすごくわかりやすいと言うけど、すごくわかりやすくする為にめちゃくちゃ頭を使っているので、すごくわかりやすいと思ってくれていることに安心する。でも、すごく疲れるのよね、すごくわかりやすくすることって。とても細分化して、彼女の中にある言葉で言い換えてあげてすとんと落とし込む作業だから。あ〜あ、疲れたな、ここからは誰かわたしと交代して代わりに教えてあげて〜!というのができなくて逃げ場がないのが嫌だなと思う。わたしがきちんと教えてあげないとこの子がきちんと育たない、と思うと責任が重い。テキトーに教えると向こうもテキトーに聞くからいざ別の機会にやらせると「聞いてません」とか言われたりもする。え〜言ったよ〜と思うけどやっぱり真剣に丁寧にやらないと響かないんだ、ってことも彼女たちは教えてくれる。こんなことじゃ子育てなんて一生できないししたくない、と思う。誰かの可能性を捻じ曲げたり閉ざしたりできてしまう立場にいるのは荷が重い。学校の先生たち、すごいなあ、クラス全員分背負ってるんでしょう?メンタルおかしくなっちゃう人が出るの当たり前だって思っちゃうよ。

でも、ふと振り返るとわたしは一般的な毎年新入社員が入ってくるような職場を一年で退職していて、その後は新入社員とは縁遠い職場で働いてきたから今の職場ではまだ二人目の後輩で済んでいるけど、わたしの同級生たちは五年目とかって呼ばれて沢山の後輩ができてるんだよなと思うと、27歳、そりゃ下に二人くらい後輩できますわ!と思わざるを得なくて笑ってしまう。人の上に立って先輩として後輩をフォローしつつ教えることはしっかり教えて面倒見てっていうのが社会人五年目の仕事なのね、と思うと年齢に重みを感じちゃうな。もういつまでも下っ端で自分のことだけ見てれば良いなんて楽ちんな場所にはいられないのね、と現実がちらついたので今日のところは目をつむって明日の決戦日を迎えることにします。

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