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【断酒・禁酒215】人はなぜ自分だけは大丈夫だと思うのか?飲酒運転と発癌リスクの原因とは?

こんにちは、Simple Rich Lifeです。
悲惨な事故や、芸能人の不祥事、癌が見つかった親戚の話、世の中には暗いニュースが溢れていますが、そんな話を耳にした皆さんは、心のどこかで「自分とは関係ない話」と思っていませんか?
本日は、私たちの生活に潜む心理的な罠、正常性バイアスが、どのように飲酒運転や健康リスクに影響を及ぼすのかについてお話しします。
この動画を通じて、皆さんが自身の行動を見直し、より健やかな生活を送るきっかけになれば幸いです。

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1.正常化バイアスとは

正常化バイアスとは、私たちが困難な状況や危険な状況に直面したときに、心理的にその危機感を過小評価し、「自分は大丈夫。」「問題ない」と無意識に感じてしまう心理的傾向のことを指します。
このため、非常事態やリスクのある状況において、実際には注意深く行動すべきなのに、私たちの判断が鈍くなり、危険を軽視してしまう結果を招くことがあります。
正常化バイアスは、特に私たちが普段の生活で遭遇するような「慣れた状況」において働きます。
例えば、交通事故が起きたニュースを見ても、「自分は運転がうまいから大丈夫。」「あれは他の人の問題だ」と思ってしまうことがあります。
また、喫煙や過度の飲酒に関しても同じように、自分にとっては問題ないと感じることが多く、健康リスクを過小評価し続けてしまいます。
正常性バイアスの一因は、危機的な状況を迎えたときに、その状況を直視するのが精神的に辛いため、あえてそれを避けようとする、人間の心理的傾向です。
この心理的防衛機制が働くことで、私たちは「自分には関係ない。」「自分は安全だ」と思い込み、実際に起こり得るリスクに対して適切な警戒心を持たなくなってしまうのです。
そのため、周囲で問題が起きていても、それが自分にどれほど影響を与えるかを考えずに行動してしまい、結果的に危険な選択をしてしまうことがあるのです。
正常化バイアスは、特に長期的なリスクに対して強く働きます。
たとえば、過度の飲酒が健康に与える影響については、すぐには体に感じるような重大な問題が起こらないことが多いため、「今のところ大丈夫だろう、」「少しだけ飲んでも問題ない」といった思考にとらわれがちです。
このような状態が続くと、最終的には病気や事故の発生を避けることができなくなる場合があります。
私たちは無意識に「自分だけは大丈夫」と思ってしまうことがありますが、正しい知識を持ち、自分の行動を意識的に見直すことが大切です。

2.正常性バイアスが飲酒運転を引き起こす

飲酒運転は、依然として多くの交通事故を引き起こしている重大な問題です。
特にアルコールが体に与える影響について、正しい認識を持っている人は多いはずです。
しかし、なぜそれでもお酒を飲んだ後に運転する人が後を絶たないのでしょうか。
その背景には、正常性バイアスという心理的なメカニズムが大きく影響しているのです。
正常性バイアスとは、事故や危機的な状況に直面しているとき、人々が自分には関係ない、問題ないという過信を抱き、行動を改めない現象です。
飲酒後、ある程度の量のお酒を摂取しても、「自分は運転が得意だから問題ない」「これくらいの量なら酔わない」と、思ってしまうのがこのバイアスの典型的な例です。
このように自分の判断を過信してしまうことで、実際には大きなリスクを伴っているにもかかわらず、飲酒運転をしてしまうのです。
アルコールには身体や脳の機能に影響を与える成分が含まれています。運転中、飲酒による反応速度の低下や視覚や聴覚の判断力の鈍化が起こるため、非常に危険です。少しの飲酒でも、道路上の状況を瞬時に判断する能力が著しく低下します。にもかかわらず、正常性バイアスが働くことで「自分だけは大丈夫」と思い込み、危険な運転を続けてしまうことになります。この過信が原因で、毎年多くの悲惨な事故が発生しているのです。飲酒運転を防ぐためには、正常性バイアスの影響を理解し、自分を過信しないようにすることが大切です。お酒を飲んだ場合、運転を控えるという選択を常に意識することで、事故のリスクを減らすことができます。

3.正常性バイアスが健康リスクを高める
正常性バイアスは、飲酒運転だけでなく、飲酒による健康リスクにも深く関係しています。
お酒の過剰摂取は、肝臓疾患や心疾患、さらにはがんなど、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。にもかかわらず、多くの人々がこれらのリスクを過小評価し、健康に対する警戒心を持たないのは、正常性バイアスによるものです。「お酒を飲むこと自体は悪いことではない」「みんな飲んでいるから自分も大丈夫」「少しだけなら健康に害はないだろう」というように、私たちはよく自分の飲酒習慣を軽く見がちです。正常性バイアスは、このような思考を助長します。現実的にお酒が体に与えるダメージが積み重なっていく過程を、私たちは実感しづらいからです。お酒を飲んだ翌日に感じる不調や体調不良があまりにも軽微であるため、ついつい「自分は大丈夫」と過信してしまうのです。
実際、飲酒による健康リスクは日々蓄積されるものです。長期的に多量のお酒を摂取していると、肝臓や腎臓、胃腸に負担をかけ、さらにはがんを引き起こすリスクが高まります。特に、アルコールが直接関わるがんには、食道がん、口腔がん、肝臓がん、乳がんなどがあります。世界保健機関(WHO)も、アルコールをがんの発症リスクを高める物質として認定しています。健康に問題が出る前に、正常性バイアスが働いてしまうために、危険な飲酒が続いてしまうことが多いのです。「自分にはそんな問題は起こらないだろう」という思い込みが、長期的な健康リスクを見過ごしてしまう原因です。正常性バイアスに捉われず、早期に飲酒のリスクを認識し、健康を守るために適切な対策を取ることが重要です。飲酒量を減らすことで、これらのリスクを軽減することは可能です。健康診断を受ける際に、飲酒習慣についても見直し、積極的に節酒や断酒を検討することが、長い目で見て健やかな生活を送るために大切だと言えるでしょう。
まとめ:断酒をして後悔する人はいない
正常性バイアスは、私たちが健康リスクを軽視し、「自分は大丈夫」と思い込んでしまう原因の一つです。特に飲酒に関しては、このバイアスによって長期的な健康リスクが見過ごされがちです。しかし、実際にお酒を控えたり、断酒をした人の多くが、「もっと早くやめればよかった」と感じています。飲酒をやめることで、体調が改善されるのはもちろんのこと、睡眠の質の向上や集中力の増加、精神的な安定など、多くのメリットを得られます。さらに、肝臓や心臓への負担が軽減され、将来的な病気のリスクを減らすことができます。お酒を飲まないことで生まれる時間やお金の余裕も、大きな利点の一つです。一方で、「飲酒を続けておけばよかった」と後悔する人はほとんどいません。それは、お酒をやめたことで得られる健康や精神的な安定が、飲酒による一時的な楽しさをはるかに上回るからです。私たちは、正常性バイアスにとらわれず、客観的に飲酒の影響を考え、より健康的な選択をすることが大切です。断酒をすることは、決して後悔するような選択ではなく、むしろ未来の自分に感謝される決断となるでしょう。


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