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仮払・仮受消費税は仕訳に登場しない?

こんにちは。SSKC吉田です。

ものを売ったり買ったりすると消費税がかかります。これは登場人物が消費者ではなく、企業だったとしても同じお話です。
今回は簿記を勉強している方向けに、会計システムがどのような動きになっているのかをお話ししていきたいと思います。

例えば、1,000円仕入をして、消費税が10%かかったとします。

(仕入)    1,000 / (買掛金)    1,100
(仮払消費税)  100

こんな感じの仕訳ですね。借方が2行、貸方が1行です。
ですがこれを会計システム上で起票すると、借方1行、貸方1行となるのがほとんどです。

ちょっと乱暴な書き方をすると、こうなります。

(仕入)    1,100 / (買掛金)    1,100

仮払消費税がどこかに行きました。これはもちろん売上であろうと、その他消費税が発生し得る取引であれば全て同じです。
会計システムを触ったことのある方であれば思い当たる節があるのではないでしょうか。

<会計システムにおける消費税額>

先にネタバラシをしましょう。会計システムでは仕訳1行に対して金額を2つ、ないし3つ持っています。

なので、先ほどの仕訳はこうなります。

(仕入) 本体金額:1,000 税額:100 / (買掛金) 本体金額:1,100 税額:0

金額を本体金額、税額の2項目で管理します。加えて税込金額を管理しているケースもあると思いますが、それはつまり本体金額と税額の合計なので意味は一緒です。
こうすることで、わざわざ仮払・仮受消費税の明細を打つ必要がなくなると同時に、その税額がどんな取引によって発生したものなのかが一目瞭然になります。
入力自体は上記の通りですが、システムの内部的には

(仕入)    1,000 / (買掛金)    1,100
(仮払消費税)  100

という仕訳が打たれたと判断して元帳への転記が行われます。

ここまで税抜経理の話をしていましたが、税込経理の場合も同じ仕組みで対応可能です。
税額を認識しないだけなので、

(仕入) 本体金額:1,100 税額:0 / (買掛金) 本体金額:1,100 税額:0

とします。

転記の仕組みはこんな感じです。

<会計システム導入にあたって考えること>

会計システムでは各費用科目や売上科目がどんなタイプの消費税を発生させたのかを管理することができるようになっています。
10%の取引なのか、8%なのかももちろんですが、同じ仮払消費税であっても購入によって発生するものと値引きによって発生するものでは区別する必要があります。
なぜかというと、消費税法でこれらを区分することが求められているからです。消費税の申告のためですね。

もう少しシステムに踏み込んだ話をしますと、税額欄に登録された金額をどの科目で元帳に転記するのかはあらかじめ定めておく必要があります。
決め方はシステムによっていろいろかと思いますが、なにかしらの設定が必要になります。

その他、会計システムによっては仕訳を打つ際にいちいち消費税のことを意識しなくていいように、特定の科目を選択したら自動的に消費税のタイプを初期表示してくれるような機能があったりします。
例えば科目「売上」だったらほぼ確実に売上にかかる消費税が発生していて、取り扱っている商品から税率は10%だろうから、10%課税売上を初期表じしておこう、というような感じです。
こういった機能を使う場合、科目をマスタ化する際にあらかじめ作成しておいた消費税タイプを紐づけます。ただし、ものによっては消費税タイプを作成するために仮払消費税や仮受消費税の科目指定が必須であったりします。
SSKCは会計システムの導入保守を行っていますので、セットアップの際どっちを先に作ればいいんだ…ということが起きたりするわけです。

この特徴から、仮払消費税、仮受消費税は会計システムの導入の際に少し特殊な扱いをされがちな科目です。

<おわりに>

今年の10/1からインボイス制度が始まったこともあり、消費税の仕組みについて調べざるを得なかった方も多いのではないでしょうか。
会計システムもインボイス制度に対応するため、様々な仕様変更が行われています。

インボイス制度対応のための事務負担は月3400億になるそうですが、この負担を軽減するためにはやはりDXと向き合わなければならないでしょう。
ぜひ会計システムやその他関連システムの活用により事務負担の軽減をめざしてみてください。

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