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納税義務者の範囲の意味①

こんにちは。SSKC会計グループの岩田です。

今回は相続税の納税義務者の区分について。納税義務者の区分、ややこしくありませんか?

私なりに整理してみましたので、少し書いてみようと思います。

ちなみに、この後の文章で度々出てくる用語を説明しますと、
・相続人→財産をもらう側
・被相続人→財産をあげる側
といった意味合いになります。

納税義務者の範囲

まずは各納税義務者の区分を書き出してみます。

・居住無制限納税義務者
・非居住無制限納税義務者
・制限納税義務者

以上、3つの区分があります。
※特定納税義務者、という区分もありますが今回は省きます。

では、意味を1つずつ確認していきましょう。

居住無制限納税義務者

(1) 居住無制限納税義務者
 相続又は遺贈により財産を取得した次に掲げる者であって、その財産を取得した時において日本国内に住所を有するもの。
イ 一時居住者でない個人
ロ 一時居住者である個人(その相続又は遺贈に係る被相続人(遺贈をした人を含みます。)が、外国人被相続人又は非居住被相続人である場合を除きます。)

No.4138 相続人が外国に居住しているとき 国税庁

居住無制限納税義務者に該当するためには2パターンあります。相続人が一時居住者かそうでないか、というもの。

ちなみに、居住無制限納税義務者は、取得したすべての財産が課税対象となります。

①一時居住者とは

一時居住者とは「相続時に在留資格を有し(外国国籍を有する)、相続前15年以内で国内住所だった期間が10年以下の者」のことです。

で、個人的にややこしいのは、外国人被相続人、非居住被相続人ですね。亡くなった側がこれらに当てはまると居住無制限納税義務者に該当しないのです。

②外国人被相続人、非居住被相続人とは

この2つについて簡単に説明しますと、

・外国人被相続人
→相続時に在留資格を有し、日本に住所がある被相続人
 ⇒つまり、日本に住む外国国籍の方が亡くなった場合ということですね。

・非居住被相続人
→相続時には日本に住所が無かったが、過去10年以内では日本に住所があった。でも日本国籍は持っていなかった。
 ⇒つまり、過去に日本在住履歴のある外国国籍の方が亡くなった場合ということです。

もしくは、
→相続時も過去10年以内でも日本に住所を持っていなかった。
 ⇒つまり、日本国籍だが日本に10年以上住んでいない方が亡くなった場合ということです。

まとめると、居住無制限納税義務者は、
被相続人が①日本にいるけど外国国籍の場合②日本に直近で10年以上住んでいない場合
のどちらかに当てはまる場合は該当しないということなります!
相続人の話ではないですよ!被相続人の話です。

③居住無制限納税義務者の範囲の意味

基本的に相続時に国内に住所がある相続人は全員、居住無制限納税義務者の範囲に含まれます。ただし一時居住者は、被相続人が外国人被相続人や非居住被相続人に該当する場合は除かれる、ということですね。

被相続人によって扱いが異なるのは何故なのか。

相続した財産が全て国内にあるとは限らないから、だと思うんですよね。

まず被相続人が外国人被相続人や非居住被相続人だと、外国国籍の方だったり外国に長く住んでいる人ということですよね。被相続人の財産のうち、国内に無い財産があってもおかしくありません。慎重に課税範囲を見極めないといけないので無制限ではないですよ、ということなのかなと。

ただ相続人が居住者であれば、相続した財産による利益は国内で享受することとなるので、外国人被相続人や非居住被相続人であっても関係なくすべて課税範囲(無制限)になるのだと思います。

一時居住者の場合は、いずれ出国する日が訪れる可能性が高いので、全て課税とはしないようにしているのではないでしょうか。

※2021/11/17 追記
 上記内容に対して考えを改めていますので、最終的な意味はこちらの記事をご覧ください↓

おわりに

今回は居住無制限納税義務者の範囲について書いてみました。

この納税義務者の範囲は細かく定義されているので、まる暗記は難しいです。細かく定義されている意味を考えた方が覚えやすいですよね。

ただ、自力で考えるのは楽しいですがデメリットもあり、こういう時に先生や相続税に詳しい人とお知り合いだと良いのでしょうけども。

取り敢えず、次回は非居住無制限納税義務者について書いていきます!



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