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1/n シン・おすすめのチェンソー チェンソー、ソーチェーン(チェンソー用チェーン)、目立ての正しい理解
ソーチェーンサービスジャパン(略: SSJ)です。
SSJは当事業体の宣伝も兼ねて、タイトルの記事をシリーズ化してnote上に公開することにしました。本記事の内容はXアカウントのhttps://twitter.com/SSJP2023 固定ツイートで先行公開していますが、noteで公開する内容は、Xアカウントで公開中の資料 「4D Sawchain Study」の「 V.1.25」以降の内容となります。
「SSJ式 初めての方におすすめチェンソー」
これから多くの方にチェンソーとソーチェーンのことを知って頂く為、少しキャッチーな内容にします。チェンソー本体が無いと物語は始まらないので、SSJ独自観点からご紹介します。
・山林内や電源の無い環境で1日中使う
・原木を他から入手して大量の薪を作る
・混合燃料の管理に慣れている
これらの条件を除き、ガソリンチェンソーは選択肢から外すことをお勧めします(修理が減るからそんなこと言うな!(怒)という声が聞こえそうです)。コンセントがある環境下では電気コードチェンソーをおすすめします。コードの取り回しや出力差による作業効率はさておき、ホームセンターにあるものでも作業目的は十分に果たせるはずです。既にマキタやハイコーキ、ミルウォーキーなどのバッテリーがある場合は各メーカーのバッテリー式も選択肢になるでしょう。
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どのタイプや機種を選ぶにせよ作業を安全に完遂できるはまた別問題です。
チェンソー本体の初期投資の金額目安は
・電気コード 1.5万円~
・バッテリー(本体のみ) 3.5万円~
・ガソリンホビーモデル 2.5万円~
尚、ホームセンターはホビーモデルがメイン、専門店はプロモデルがメインなので、取り扱いモデルと価格帯が大きく異なります。ホームセンターの本体値段を例に専門店に迫っても良いことはありません。
このコラムに辿り着くまでに少し他所で調べた方だと「電気コードやバッテリーだとパワーが無いのでは?」と思うかもしれませんが、業務で毎日、毎週使うつもりの方以外は例外として、最初の1~2年はパワー不足で困ることより、チェンソーのトラブルで作業ができないことの方が圧倒的に多くなることを心配してください。
初めての方にxxxxチェンソーをおすすめしない理由
「チェンソー おすすめ」と調べてここまで辿り着いた皆さんに冒頭から悲しいお知らせです。買って使わなかった場合を除いて、皆さんが思っているより相当早くに初めての1台は作業不能に陥り、修理作業代や交換部品代、最悪の場合は本体の買替が待ち構えています。初めてのチェンソーだからこそ、余計な出費やトラブルを必要最低限にした方が良いという思いで、ガソリンチェンソーはおすすめしません。
ガソリンチェンソーの燃料管理は車やオートバイと比べ、慣れない内は手間が掛かります。怠ったり入れ間違うと新品でもエンジンが始動しない、混合比を間違えた場合は始動直後にエンジンが焼き付くといったことが実際に起こりえます。
燃料となる混合ガソリンは容器開封や混合後、本体への給油から1か月も経たずに劣化してしまうこともあります(冬季2~3か月、夏季1か月が劣化目安)。劣化した燃料ではエンジンが始動しない、回転が安定しない、アイドリングしないという現象が発生します。春夏秋冬、いずれか1シーズンでも放置した燃料ではまず始動不可と思ってください。
古い燃料を抜いて新鮮な燃料を入れて運良く解決することもありますが、解決しない場合はタンクからキャブレーターまで分解洗浄しないと、自然治癒することはまずありえません(スラッジ/燃料系統清掃/キャブOH)。もったいなく感じるかもしれませんが、古い燃料は使わずに破棄し、次回の使用まで時間が空くと予想される時は本体から燃料を抜き、ガス欠で止まるまでエンジンを回しておきましょう。そのままにしておくよりは長期保管が効きますが、この方法も完全ではないことに注意してください。
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燃料の問題は本体の価格差と関係なく発生します。高いモデルだから大丈夫ということではありません。反面、電気で動くタイプのチェンソーはガソリンを使いません。つまり、燃料管理やその不備から発生するトラブル、修理に持ち込む時間や手間、費用を構造的に抑えることができます。
エンジンが始動しないだけでも原因は1つではないので、専門店でもある程度の予想は付きますが開けてみないと分かりません(値段は地域や店舗によってバラつきがありますが、タンクからキャブまでの燃料系統OHだと最低5000円は覚悟してください)。故障内容によっては費用が本体価格を上回ることや部品が流通していないこともあり、安いチェンソーだと最初から断られる可能性が高いことも覚えておいてください。
多くの専門店では購入前後でチェンソーの注意点を説明してくれます(安全用品のこともしっかり説明してくれる店舗はとても良い専門店だと考えてください)。しかし、実際の使用までは時間が空くと思いますので、買うチェンソーのタイプや購入方法によらず、実際の使用前には必ず取扱説明書を読むことをお勧めします。
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どのチェンソーも万能ではない
「混合ガソリンは管理が大変なんだな」と、ここまで読み辿り着いた皆さんに朗報です。ガソリンや電気を問わず共通するものがあります。「ソーチェーン」です。
ソーチェーンも「刃物」です。研がない限り、使う程切れ味は落ちていきます。いくら大事に使っても必ず切れ味は落ちていきます。加えて、ソーチェーンは高速で動いていますので、その分時間的には早く消耗します。今までチェンソーを使ったことが無い方からすると、包丁やハサミに比べて物凄く早く「切れない」状態になります。
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プロユーザーは作業日中2~3時間毎に研ぎ直します(便宜上時間で表していますが、厳密には切った体積(㎥)分の刃物の消耗を、時間や切れ味の体感に置き換えてメンテナンスの頻度を管理しているわけです)。
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ソーチェーンが消耗するに合わせて発生する現象を紹介します(身に覚えのある方も多いと思います)。
①切れる速度が遅くなる
②①に比例して切り屑が粉状に近づいていく
③①~②に合わせて、無意識に木にチェンソーを押し付けるようになる
④木の表面をチェーンが空転し始める(いくら木に当てても切れない状態)
⑤刃のメッキが剥がれてくる
⑥更にメッキが剥げ、刃が変形する
本来は①の時点でソーチェーンを研ぐのが理想です。②~⑤になるにつれ、木を切る作業はほとんど進んでいないのに研ぎ落さなければならない量が加速度的に増えて行きます。
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①の時点では研磨面を0.1〜0.3mm(切れ味の低下の感受性による)ぐらい研ぎ落とせば良いのですが、④だと大体0.5mm以上、⑤の時点で刃の1mm以上、⑥になるとカッター以外の部分も寿命が縮んで最悪破棄か、研ぎ直しても本来の寿命の6〜7割程度しか使い切ることができません。④の時点でも、店舗に持ち込むと通常の目立て料金(目安1000〜1500円)の1.5〜2倍は覚悟しましょう。⑤~⑥の時点で研ぎ直しの作業時間を考えると新品の2.5~3倍は掛かるので諦めてください。ソーチェーンは破棄する他にありません。⑥の状態でも人の指なら飛ぶと思いますので、切れないからといって触らないようにしてください。
③~⑥の段階では、ソーチェーン以外の部品を壊してしまう可能性もグンとあがります。切れなくてもエンジンとチェーンは回り続けているので、特にガイドバーの破損とエンジンやモーターの焼付リスクが高くなります。③の段階でガイドバーから煙が立ち始めるので大体の方は異常を感じて作業を中断しますが、度胸と勇気のある方はエンジンやモーターが焼き付くまで回し続けてしまいます。
作業開始数秒でソーチェーンが切れなくなるといったことも実際に起こります。気付かない内に砂や土、アスファルト、コンクリートにチェーンを当ててしまったり、木の表面や木の中に埋まっていた小石、針金、釘、木の節に当たった時も切れ味が急激に低下します(日常的に使うプロの方でも回避不可です)。この場合も即座に目立てをすることで、研ぎ落とす必要量を抑えることができます。
「目立てをしなければならない」と言われてもできません
全くもってそのとおりです。言うは易しです。ですが、即座に「切れない状況」を改善することで、ソーチェーンを始めとしたチェンソー全体の寿命や、ランニングコスト、修理に掛かる費用を大幅に抑えることができます。ソーチェーンに限れば、研がずに使っていた費用を10分の1以下まで抑えることも可能です。と言われても、話は「言うは易し」に戻りますので、大人しく替えのソーチェーンを準備しておいて、切れ味が落ちたと思った時には取り換えましょう。「目立てのコツ」や「簡単な目立ての方法」といった言葉や情報はキャッチーですが、その先のかゆいところに手が届く情報はX上で公開しています。
V 1.25 3ページ以降、解説ポストと番号1つずれます。https://t.co/FwQJqR4c3y
— Sawchain Service Japan (@SSJP2023) October 13, 2023
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目立ては簡単だと思ってる方、新品並か新品以上の切れ味に研げるようになりたいと思っている方、いつもどおりやっているはずなのになぜか仕上がりがイマイチだと悩んでいる方、目立て講師の依頼を引き受けたけどどうしようかと悩んでいる方も、ぜひ一度腰を据えて読んでみてください(内容の閲覧・理解には中長期の苦痛を伴います)。
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「目立て」をお手伝いします。
SSJはソーチェーンの切れ味が落ちたり、切れなくなったソーチェーンの目立てサービスを行っています。全国全メーカー対応です。ブログ各回冒頭リンク、ホームページから受け付けています。