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13/n シン・スクエアカッター(スクエアファイル) チェンソー、ソーチェーン(チェンソー用チェーン)、目立ての正しい理解
ソーチェーンサービスジャパン(略: SSJ)です。
SSJは当事業体(2024年2月スタート予定)の宣伝も兼ねて、タイトルの記事をシリーズ化してnote上に公開することにしました。本記事の内容はXアカウントのhttps://twitter.com/SSJP2023 固定ツイートで先行公開していますが、noteで公開する内容は、Xアカウントで公開中の資料 「4D Sawchain Study」の「 V.1.25」以降の内容となります。
スクエアカッター
※スクエアファイルを既に習得している方や、習得中の方向けに文章として書きます。技術の継承や向上に本コラムが説明や理解の例として役に立てば幸いです。
丸ヤスリやベンチグラインダーとは異なる道具、角度でフルチゼルを研いだカッターのことです。国内では新品のスクエアカッターが流通こそしていませんが、チッパーのように原型は1950年代からあるので「特殊」や「特別」なカッターではありません。
丸ヤスリでの目立てに比べて上横の切削角を鋭角にしながら、同時に上横の仕上角を鈍角に、尚かつ丸ヤスリ+フルチゼルより頂点が鋭くなります。切子が抜けるトンネルの入り口も、角度が付くのと同時に広くなり、内側の研磨面も増えるのでガレッドとはまた別で切子の抜けも良くなります。こういう風に書くと難しく感じるかもしれませんが、丸ヤスリで水平視点角を付けて=手元を下げて研いだのと効果も原理も同じです(が、大抵の場合、そのままだと上刃仕上角が鈍角になることに気付けず、「やらなくても良い」「品番によって決まっている(らしい)」というような判断になってしまいます。水平視点角の効果をより実感する為には同時に垂直視点角も鋭角にして「30度」になるようにしてください)。
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特定の角度を変えると、連動してどこがどうなるか、切れ味はどうなるか、やり過ぎるとどうなるかというのも丸ヤスリと変わりません。
意識すべき丸ヤスリとの違い
丸ヤスリの目立てと角度の話をする時は、頂点に対する丸ヤスリの頭出しを固定で考えますが、スクエアではカッターの頂点と、カッタートンネルの上刃と横刃の交点を結ぶ直線を固定(仮)で考えてください(ズレの許容範囲: 頂点とヤスリの角の一致<頂点と交点を結ぶ直線)。
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また、スクエアではヤスリ形状が円ではないので、上刃に当たる面をどれぐらい上に向けるかという「角度の選択」ができます。この時、他の目立ての角度とは別で、面を上に向けるほど上刃切削角は鋭角化し、上刃仕上角は鈍角化します。正式な名称は無いので、この「角度の選択」を他の角度との混同を避ける為、SSJでは「迎え角」とします。
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迎え角も無制限というわけではなく、横刃仕上角とも連動するので、横刃仕上角が90度以上にならないように、尚且つ通常の丸ヤスリで出来上がる横刃仕上角よりは鈍角になる範囲で収めてください。更にこれに加えて丸ヤスリで出来上がる上刃切削角よりも鋭角になる範囲です。この範囲に収めないと、せっかくのスクエアカッターの利点が薄まってしまいます。言うは易しです。「ガイドバーに対して丸ヤスリは水平」のように割り切って、自身の中で角度を固定して、迎え角の選択を無視することも1つの解決策です。
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スクエアカッターに限らず、全てのソーチェーンは各部の適切なバランスを保たないと、いくらジオメトリーやスペック、本体パワーが良くても本来の性能を発揮できません。
次回予告
次回はスクエアカッター繋がりですが毛色を変えて…
「Jedは何をどのように行い、何を伝えていたか」ということを、Youtubeの日本語自動翻訳字幕以上に解説します。Jedが伐採作業中の事故で亡くなってしまったのが残念です。