49.読書と日記_星から来た船/新井素子
星から来た船(上・中・下)/新井素子
星へ行く船シリーズのスピンオフに当たるお話です。
上中下巻に分かれております。
時系列でいうと、星へ行く船シリーズが始まる前のお話です。
あとは下巻の最後に、シリーズ最終巻の「そして、星へ行く船」の後日談に当たるお話が少し。
先月読んだ星へ行く船シリーズは、一貫して主人公のあゆみちゃん視点で書かれているので、読者は必然的にすべての物事をあゆみちゃんを通して見ることになります。
あとがきによると、新井素子さん的には、それでは書ききれないことがあったみたいなのです。
今作では麻子さんを主人公に、本編では見られなかった景色が描かれています。
読んでいると本当に、この人ってこんなキャラだったの?!ってことが結構あるんです。麻子さん本人もそうだし、所長も、レイディも、太一郎さんも!
本編であったことをそのまま別視点でってお話ではないので、もちろん時間経過によって移り変わるところもあると思うんですが、それでもやっぱり。
これって現実だと、私は当然、私を通した世界しか見られなくて、スピンオフ、みたいなものは見られる機会なんてないんですよね。
改めて、物語を読むって素敵です。
だけど結局、読んでいるのは私であって、やっぱり日々の生活でも、本を読んでいる時でさえ、私バイアスは避けられないのかもしれません。
私はなんとなく、読書をコミュニケーションツールにするのが苦手で、好きな本のことも、日々読む本のことも、note以外ではあまり話さず生活しています。
けれども、同じ本を読んだ他人が何を思うのか、交換しあっても健全かもしれないと、たった今思いました。
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