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中山道『大井宿』の今。重厚な建物が数多く残されており、普通の街並みにも往時を偲ぶことができます。

中山道を京から江戸に向かい、美濃に入って14宿目が大井宿です。岐阜17宿の中で最も賑わった宿場と言われています。今なお昔どおりの長さ、幅で中山道随一といわれる六カ所もの升形が残っています。

枡形の残る街並み

枡形の街並み 1
枡形の街並み 2
枡形の街並みにある旅館

江戸時代のはじめに制定された宿場は、一種の城塞の役割も持つように整備され、宿場の出入口には必ず枡形が設けられていました。 宿場の枡形は、写真にあるように、街道を二度直角に曲げ、コの字型の街並みにして外敵が進入しにくいようにしたものです。大井宿にはこの角が6ヵ所あって、中山道随一の整然とした町割りになっています。重厚な建築物だけでなく、枡形に沿った街並みも往時を偲ばせる風情がありました。

重厚な建築物

ひし屋資料館
明治天皇大井行在所
重厚な民家

江戸時代の豪壮な庄屋古山家住宅を復元整備した「中山道ひしや資料館」や明治天皇大井行在所などの公開されている文化財的建築物だけでなく、重厚な普通の古民家も珍しくありません。

明治天皇大井行在所あんざいしょ

床の間のある座敷
侍従室から座敷を望む
明治天皇が使用した風呂と便所

大井宿の旅籠であった伊藤家は、明治13年の明治天皇巡行の際にご宿泊所となり、現在でも当時の座敷、風呂場、便所がそのままの姿で保存されています。明治天皇しか使用していないとのことでした。また、行在所横には、大井宿本陣の北門とも、岩村城の城門であったとも言われる長屋門が移設されています。明治天皇大井行在所は公開されていて、内部を案内してもらいました。その際、大便所での座り方を質問されました。解答を最後に書いておきます。

中山道のれんコンテスト

格子前ののれん展示
資料館でののれん展示
そこかしこにのれん

恵那市では2009年から「中山道のれんコンテスト」を開催していて、大井宿を中核として街中に展示しています。昨年(2024年)も第15回ののれんコンテストが11月3~24日に開催されていました。応募された作品がそこかしこに展示されていました。のれんの展示は往時を偲ばせる風情は若干殺してしまっていましたが、面白いのれんも多くて、これはこれで街並み散策を楽しむことができました。

現代の和式トイレの場合は「金隠し」を前にしてしゃがむのが正しいのですが(TOTOの見解)、和服で使用していた写真のような便所の場合は、金隠しのように見える「衣かけ」を後ろにしてしゃがむのが正解になります。当時は、和服が汚れないように衣かけに裾を引っかけて用を足していたそうです。

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